カメラマンやデザイナー、プロダクトデザイナーなどクリエイティブな業界で働くフリーランスにとって、「ポートフォリオ」を持つことが非常に大切です。

自身が制作した作品をまとめ、公開することで、クリエイターにとっての名刺代わりになります。そこで活用できるのがホームページです。PCやスマートフォンから誰でも閲覧できるため、自身の作品をより多くの人に認知してもらうことができます。

とはいえ、本業に注力したいためポートフォリオサイトを制作する余裕がないという方もいるのではないでしょうか。外注するにも予算が掛かるため、依頼できない方もいるはずです。

Web制作にリソースを割けない方でも簡単にポートフォリオを作る方法があります。それが、クリエイター向けに提供されているSNS「Behance(ビハンス)」です。

「Behance」は、デザインや写真、動画などの作品ファイルをアップロードするだけで簡単に作品を公開でき、ポートフォリオを作れます。

今回は「Behance」の基本的な機能と使い方を解説します。
  

Behance(ビハンス)とは

behance-1.jpg
https://www.behance.net

Behanceは、先述のとおり、クリエイター向けに設計されたアドビシステムズのSNSです。カメラマンからデザイナー、イラストレーター、Web開発者、プロダクトデザイナーなど幅広いクリエイティブ業界のユーザーが利用しています。また、単に作品の公開ができるだけではなく、世界中の求人情報を公開しているため、海外で仕事をしたいクリエイターにも適したサービスと言えるでしょう。

Adobe IDを所有していれば、利用しているAdobe関連アプリケーションと連携して作品を手軽に公開できるのが特徴です。

そのほかにも、FacebookとGoogleアカウント連携にも対応しているため、Adobe関連アプリケーションを利用していなくとも無料で利用できます。
  

基本機能

Behanceの基本的な機能は、以下のとおりです。

・クリエイターの作品を閲覧
・クリエイティブ領域ごとの作品ギャラリーの閲覧
・ライブ動画コンテンツの視聴
・自身の作品の公開
・求人への応募(クリエイター向き)
・クリエイターの求人募集(企業向き)

SNSなので、ユーザーが互いに作品を投稿し閲覧してコミュニケーションを行うのが基本的な機能です。それに加え、求人機能を活用することで業務につなげることができるでしょう。
  

Behanceの利用方法

behance-1.jpg

次に、Behanceの利用方法を紹介します。

トップページ右上にある「Sign in」をクリックしてみましょう。すると、Adobe IDやFacebook、Googleアカウントでのログインが行えます。

新しくアカウントを開設する場合は、トップページ中央上部にある「Sign Up With Email」からメールアドレスを登録してください。

behance-2.jpg

すでにAdobe IDを所有している場合は、自身のアカウント情報を入力してログインします。

behance-3.jpg

ログインが完了すると、クリエイティブの領域ごとに作品ギャラリー一覧が表示されます。グラフィックデザインや写真など、関心のあるギャラリーを選択しフォローすることで、後述する「アクティビティ」に様々なクリエイターの作品が表示されます。
  

Behanceの基本的な使い方

アクティビティで他のクリエイターの作品を閲覧する

behance-4.jpg

「アクティビティ」には、自身がフォローしているクリエイターや作品ギャラリーの作品が一覧で表示されます。最新の作品や注目度の高い作品が表示されるため、情報収集を兼ねて利用するのも良いでしょう。
  

特定のジャンルやツール別の作品を探す

behance-5.jpg

「見付ける」という項目から、写真やグラフィックデザインのような特定のジャンル、または「Photoshop CC」「Illustrator CC」「Lightroom CC」のようなツール別の作品を探すことができます。

behance-6.jpg

気に入った作品があれば、「プロジェクトを評価」(いいね機能)や制作したクリエイターをフォローすることができます。
  

作品の制作手順などをライブ動画で閲覧する

behance-7.jpg

「ライブ」とは、その名のとおり、ライブ中継の動画を閲覧できる機能です。イラストや動画など、作品の制作手順やツールのチュートリアル等をリアルタイムに閲覧することができます。スキルアップに活用できるでしょう。
  

求人の応募と募集を行う

behance-9.jpg

「求人」というメニューから、世界中の企業の求人情報を閲覧し応募することができます。フルタイム(正社員や契約社員)からフリーランスの応募まで豊富にあるため、自身の希望に合わせて選択するのも手段でしょう。

behance-10.jpg

また、クリエイターを募集したい企業は求人情報を投稿することが可能です。月額399ドルから求人情報を投稿することができます。特に、海外のクリエイターを募集したい企業の採用担当者などは活用できるのではないでしょうか。
  

プロジェクト(作品)を投稿する

最後に、自身の作品を投稿する方法をご紹介します。

behance-8.jpg

「プロファイル」から自身の情報や作品一覧を確認できます。投稿していない段階では全て空欄になっているため、まずはプロジェクト(作品)を投稿してみましょう。

behance-11.jpg

プロファイルのページからもプロジェクトを投稿できますが、上部メニューにある「プロジェクトを作成」からも投稿することが可能です。

「プロジェクトを作成」を選択すると投稿する作品のフォーマットを選ぶページに遷移し、写真や動画、イラストやプロダクトイメージ、テキストをアップロードすることができます。また、Adobe関連アプリケーションで保存したファイルもアップロードできるのが特徴です。

この記事では、「Lightroom Photos」を選択し、Lightroom CCから写真を読み込む方法を選択しました。

behance-12.jpg

「Lightroom Photos」をクリックすると、Lightroom CCに保存している写真が一覧表示されます。アルバム別に表示されているので、投稿したい作品を簡単に選ぶことができ、「選択アイテムを読み込み」をクリックすることで、Behanceの編集画面に作品が表示されます。

behance-13.jpg

読み込んだ作品の左上に表示されているペンのマークをクリックすることで、トリミングやテキスト入力など簡単な編集作業ができます。写真の場合、表示させたいサイズに合わせてトリミングしてみましょう。

behance-14.jpg

続いて、作品のカバー写真を作成します。写真の場合は公開したい作品そのものを掲載するだけでは問題ありません。動画であれば、サムネイル画像を設定します。

behance-15.jpg

そして、作品の基本情報を入力していきます。作品を多くの人に閲覧して貰い、作品のライセンス保護という観点から重要な情報と言えるでしょう。

・クリエイティブの領域(写真やデザインなど)
・制作に利用したツール
・共同制作者(単独の場合不要)
・コピーライト・ライセンス

behance-19.jpg

一通りの情報を入力したら、「Publish」をクリックすることで作品を公開できます。

behance-20.jpg

公開した作品は、FacebookやTwitter、Pinterest、インスタグラムでシェアすることができます。作品URLが生成されるのでメールやメッセンジャーアプリで関係者に送付する際に利用してみてください。

behance-21.jpg

公開された作品は誰でも閲覧することができ、評価を受けることができます。作品を単に公開するだけではなく、どれくらい自身の作品が評価されているのかを判断する基準作りとしてのメリットもあります。
  

まとめ

Behanceは、様々なクリエイターが利用できるSNSです。単なる作品公開のポートフォリオとしてだけではなく、新たな仕事を請け負うキッカケにもなるのが特徴です。また、世界中のクリエイターが投稿した作品を閲覧することで、トレンドを収集できるだけではなく、制作へのインスピレーションにもなります。

クリエイターに特化しているSNSであるため、TwitterやFacebookのような認知度こそありませんが、クオリティの高い作品が集まっているので利用するメリットは多いにあるでしょう。