「メディア」というと、一般消費者向けに情報を発信するBtoCのメディアを想起します。

ただ、企業が運営するオウンドメディアの場合、必ずしもターゲット(ユーザー対象)となるのが一般消費者向けというわけではありません。

BtoBビジネスを手がける企業がオウンドメディアの運営を行う場合、通常のメディア運営とは少し考え方を変える必要があります。

今回は、BtoBのオウンドメディアの中でも「副次的」な効果に着目して紹介していきます。

参考:
企業も社長も社員もメディア化!今求められる"情報発信力"の本質に迫る|ferret
  

BtoBオウンドメディアの目標設定

BtoBの商材は高額であり、決済の意思決定者が複数いることなどが特徴として挙げられます。これだけ聞くと情報発信を通じて購買を決めてもらうことは難しそうですが、たいていはニッチな領域であり、競合性が低いという特徴も。

BtoBはこうした特徴から、認知獲得のための継続的な情報発信を行うこと、説得力をもった質の高いコンテンツを限られたターゲットにリーチさせることが必要になってきます。

一般消費者に向けたBtoCのメディアである場合、PVやUUといった数字に目にいくことが多いですが、BtoBメディアの目的はPVやUUといったことだけではなく、資料請求や問い合わせへのコンバージョンやブランディングなどが目的として設定されます。

参考:
UUとページビューとセッションとの違いを理解しよう|ferret
PV(ページビュー)|ferret マーケティング用語辞典
UU(ユニークユーザー)|ferret マーケティング用語辞典
  

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http://astavision.com/contents/

例えば、アスタミューゼ株式会社は「astavision」というオウンドメディアを運営しています。このメディアでは、「成長している市場」や「未来を創る企業」に焦点を当て、技術やトレンドが紹介されています。

運営会社であるアスタミューゼは、新規事業開発や技術活用コンサルティング、人材採用支援などを通じて、未来を創る企業や個人を支援している企業。オウンドメディアを通じて専門性の高い領域の情報を発信することで、認知機会を創出し、会社のブランディングにつなげています。
  

オウンドメディアが外部とのコミュニケーションを円滑にする

BtoBのオウンドメディアはブランディングやコンバージョンといった目的以外にも注目すべき、副次的な効果もあります。上手く活用することで、既存のチームの動きを助けることが可能です。

例えば、シリコンバレーを拠点に世界60ヵ国1,800社以上に投資するベンチャーキャピタル「500 Startups Japan」は、"Updates" という形でスタートアップ向けの情報を発信しています。

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https://500startups.jp/updates/

スタートアップ向けの情報を継続して発信することで、スタートアップに問い合わせた際に「いつも見てます」と反応してもらい、VCがスムーズにコミュニケーションを始められる可能性も高まります。

そのほかにも、例えば筆者が運営を支援していたコマースサイトのオウンドメディアでは、取材を通じてメーカーと関係を構築した後で、バイヤーチームにつなげることでコマースサイトで扱う商材を増やしていました。

バイヤーからコンタクトしてもなかなか会えなかった企業も、一度関係ができてからだと話がスムーズに進むこともあります。ビジネスはBtoBではありませんが、こうした活用の仕方もチェックしておきたいところです。
  

まとめ - オウンドメディアが社内のチームをエンパワー -

そのほかにも、社内の営業チームと連動することでオウンドメディアが効果を発揮するケースも想定されます。

メディアを通じて問い合わせのあった企業に営業に行くのはもちろん、商材のわかりやすい説明や導入事例をメディア上で紹介することで、営業の資料作成の負担を下げるといった活用の方法も。

営業が訪問先でヒアリングしてきたことを参考に、コンテンツを作成することでより営業をしやすくするなどのサイクルを回すことができれば、メディアの運営を通じて、一人ひとりの営業の負担を減らしていくことも可能になります。

メルカリが運営するオウンドメディア「mercan」についてインタビューした際にも、社内と連携する大切さについて触れられていました。

参考:
メディアの目的に最適な組織とコンテンツを設計。メルカリ「mercan」は何が優れているのか|ferret

メディアは継続することで価値が向上していきます。BtoBの目線でオウンドメディアを育てていくことで、チームを支援することもできるはずです。

メディアを運営することの価値を拡張してとらえ、運営の目的を設定することで、オウンドメディアを継続可能なものにしましょう。