Webメディアやブログの成長のためには様々な“数値”を参照し、日々改善を行うことが不可欠。

数値には様々あり、例えば、PV数(ページビュー数)、UU数(ユニークユーザー数)、直帰率、また広告のクリック単価……など、数多くの数値データを出すことができます。しかし、あまり数字に固執し過ぎると“数値の改善”自体が目的となってしまい、コンテンツを充実させ読者へ有益な情報を与えるという本来の目的が希薄化してしまうこともあります。

そこで今回は、「メディア運営の評価指標となるポイント」を紹介していきます。

ちなみに私は映画Webメディア「シネマズby松竹」の編集長。編集長ではありますが、フリーの業務委託として編集長職を行っております。外の人間が一会社からメディアの運営を任せられるという切り口で、皆さんの参考になれれば幸いです。ぜひ一読ください。
  

メディア運営における評価指標となるポイント

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1. 「PV」「UU」「滞在時間」等で重要視すべきもの

「シネマズby松竹」では、まずPV数(ページビュー数)を重要視しています。

映画会社が運営するWebメディアとして「どれだけ読まれたか」の指標であるPV数は重要な指標です。

そのPV数を出した上で、「実際その数字は何人の人によって作られたものなのか」の指標であるUU数(ユニークユーザー数)も合わせてチェックをします。総合的な数字と実際の人数の面での数字というわけです。

ただ、PV数を重視するということは、昨今のWebメディアでの一部論調に対して逆光しているようにも思われかねません。というのも、PV数は重要視すべきではないという論調が非常に増えてきているからです。

なので、誤解なきようより具体的な説明を追加させて頂きます。

映画メディアとして、映画の興行需要も考えて毎月目標のPV目標を設定し、それを達成させるべく運営を行っています。

当媒体では旧作も扱いますが、メインコンテンツは他社映画含めた新作映画の紹介や解説記事です。
※当媒体は映画会社のWebメディアですが、全ての映画を扱うためオウンドメディアとは違う、総合的な映画Webメディアという位置付けです

映画館は365日運営していますが、映画館の興行(動員)には波があります。言わずもがなゴールデンウィーク、お盆(夏休み)、年末年始などのシーズンに大作が公開され、ヒット作も生まれやすいです。

ですので、毎月右肩上がりでの数値目標は立てていません。昨年で言うならば、7月・8月の目標値と10月の目標値では10月の方を低く設定をしていました。

ただし、必ず前年同月比ではPV増となるように運営をしています。これはPVを追うためにアクセス数の伸びるバズ記事を狙うということではなく、毎日の記事の積み重ね・ストックの増加によって検索やSNSシェアからの流入を増やし、定量的にPV増となるようにしているためです。

映画メディアや映画ブログは数え切れないほど多くあり、“たくさん書けば検索上位に出る”というほど甘いジャンルではありません。検索からの流入を上げるためには、過去記事のリライト(DVD発売に合わせたフォーマットに再編集をする等)を行ったり、古い情報を修正したり、完璧でないながらも前年同月比でのPV数増を達成できるようPV数と向き合って運営をしています。

また、例外的に前年同月比でPV増の目標を立てないこともあります。それは社会現象と呼べるほどのヒット作が登場し、当媒体で解説記事を扱った場合などです。2016年9月は『君の名は。』の大ブームがあり映画興行が大いに盛り上がりましたが、通常9月は夏休み明けなので映画興行は落ち着く時期。そのため2017年9月は昨年比よりも低い目標設定を行いました。

この例外的目標設定を行う場合は、前年の社会現象を要因としてPV数が伸びた記事のアクセス数を除き、数値算出を行い、その数値を元に昨年比増の目標設定を行います。

ただ目くじらを立てて、「PV数を毎月伸ばすぞ!」の運営ではなく、常に比較対象を冷静に設定し、メディアとしての成長曲線と社会における映画の注目度を踏まえた、柔軟なPV数重視の姿勢を取っているというわけです。

  

2. 滞在時間は一概に評価しない

滞在時間については一概に評価をせず、一概に改善を目指すことはしていません。理由はシンプルで、当媒体ではニュース記事とオリジナルコラム(解説記事など)と大きくわけて2種類のコンテンツがあるからです。

ニュース記事は、映画配給会社・宣伝会社から送られてくる映画の公開情報やキャスト情報など、他の映画サイトも全く同じニュースを配信します。この映画ニュースに関して、ユーザー側に立ってみると「◯◯の映画で△△が主演する」という情報のみをチェックして、すぐに記事を閉じることも多くあります。もちろん、そのニュース記事には監督やキャストのコメントなども合わせて掲載されますが、ユーザーがほしいのは公開時期やキャスト情報などシンプルなもの。それを踏まえると情報を得て一瞬でサイトを閉じられるという状況が発生し、それによりサイト滞在時間が低下します。

特に当媒体のニュース記事では、記事の冒頭でリード文を書いた後、「このニュースのポイント」という要約欄を設けています。冒頭数行で記事全体の内容を理解できるように構成をしており、これは意図的に滞在時間を下げることにもなっています。

一方で、公式ライター陣が執筆するオリジナルコラムは、他にはない深い解説や興味深い映画コラムなどです。これら記事は最後まで読んで頂くべき内容ですので、滞在時間は重要視します。

このオリジナルコラムにおいて滞在時間の低い記事は、最後まで今日深くお読み頂けなかったということになります。そのような記事(ライター)は反省点・改善点を考え、トライアンドエラーを繰り返し行っていくようにしています。

ニュースは滞在時間を無視し、オリジナルコラムは滞在時間を重視。

記事によってどの数値が大切か、または無視するかを柔軟に考えるという柔軟な目標設定を持つようにしています。
  

3. SNS上の評判はチェックするが最重要視しない

数値の面と多少異なるかもしれませんが、SNSの評判をどの程度重視すべきかについて最後に説明します。

当媒体ではSNSを「最重要視しない」ようにしています。ここについても説明不足では”時代に逆行している”と言われかねないので、理由を説明します。

前提として、SNSでは「いいね」や「シェア(リツイート)」等のアクションを行わない人が数多くいるということです。

もちろん、SNSで人気の投稿は10,000を超える「いいね」や「シェア(リツイート)」を獲得しますが、その数値を絶対視せず、「さて、この裏でアクションを起こさない大半の人は何を思い、何を感じているのだろうか」を想像することが大切と考えます。

特に映画においては、単に「映画好き」と言ってもその中で幅広いジャンルがあります。SNS上のつながりで映画好きが多くいないコミュニティにいる場合、SNSの使い方は投稿せずにチェックをするだけとなる場合もあります。

欅坂46の曲名のままですが、「サイレント・マジョリティ(静かなる大衆)」がSNS上にはたくさんおりますので、その意味でSNSの数値は最重要視できないのです。
※ただしアナリティクスで見える数値はありますので、見える部分は当然参考にはしています

また、SNSにおいて荒らし目的ではない真っ当なお叱りやご指摘を頂くことがあります。そうしたコメントはしっかり拝見し、改善に活かすことが大切です。SNSの評価指標やコメントをどう活かすかについても、柔軟に判断しているということになります。