*「ランディングページを作れば必ず儲かる」「ブログを更新することが大切だ」など、巷にはさまざまな「成功法則」*が存在します。しかし、このようなことをやってみて、実際に売上が上がることもあれば、思ったようにいかないこともあるでしょう。

実のところ、わたしたちを取り巻く環境(特にテクノロジーを通じてマーケティングを行うインターネット環境)は、数年前と比較しても劇的に変化しています。2〜3年前のベストプラクティスが通じることもあれば、そうでないこともあるのです。

今回は、2018年に取り入れてみたい、売上を作るWeb担当者が知っておくべき、4つのマーケティング施策に学ぶ売上アップのポイントをご紹介します。直近の事例をケーススタディとして合わせてチェックしてみてください。

4つのマーケティング施策に学ぶ売上アップのポイント

1. 大切なひとへのギフトを提案する

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giftee

スマートフォンの所有率が非常に高くなり、いつでもどこでもインターネットやSNSにアクセスできる環境が当たり前になってきました。その中で、昨今注目を浴びている分野が、SNSを使ってプレゼントを贈ることができる*「ソーシャルギフト」*という市場です。

ソーシャルギフトとは、FacebookやLINEといったSNSを通して、家族や友人にプレゼントを贈ることができるサービスです。

ギフトは、コンビニやカフェで利用できるような手軽なものから、旅行やブランド品などの高価なものまでさまざまに用意されています。数百円から選べるだけでなく、住所を知らなくとも気軽にギフトを贈ることができるのが、人気の理由だと言えるでしょう。

このような手軽さから、「カジュアルギフト」と呼ぶひともいます。

gifteeギフトコを筆頭に、ソーシャルギフトサービスは拡大しています。

こうした「贈り物」を媒介として儀礼的な消費を消費者に促すマーケティング活動を*「ギフトマーケティング」*と呼びますが、自分のために買うのではなく、さまざまな相手と社会的な関係を円滑にするためにギフトの購入を促すのは、選択肢の一つとして非常に効果的です。

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Amazon

Amazonでは、バレンタインやクリスマスのシーズンにギフトを提案するメールをカスタマーに送信したり、配送やギフトサービスを紹介するページを設置したりしています。

子どもに見つからないように自宅以外の場所で受け取ったり、お急ぎ便を指定して直前でも間に合うことをアピールすることで、カスタマーの購買活動を後押ししています。

矢野経済研究所によれば、 2015年の国内ギフト市場規模は前年比102.2%で、9兆9535億円のプラス成長だったと言います。
(現状ページが存在しないためリンクを削除しました)

「ギフト」を贈るというコミュニケーション手段は、よりカジュアルで、親密な関係性を築くことができます。ぜひマーケティングアプローチとしてギフトマーケティングを実践してみてはいかがでしょうか。

2. ライブコマースを取り入れる

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Laffy

ライブコマースは最近話題になっている新しいコマースの形です。タレントやインフルエンサーがライブ動画を配信し、ユーザーはリアルタイムに質問やコメントをしながら商品を購入するといったもので、中国ではなんと2時間に3億円を売り上げるような実績も登場しているそうです。

ライブコマースを行うことができるプラットフォームへの参入は、メルカリチャンネルやLaffy、Live Shop!など、次から次へと増えています。(※2023年6月現在、いずれもサービス終了しています)

こうしたプラットフォームの中にはインフルエンサーや芸能人が販売者の中心となることも多いですが、BASE LIVEのようにもともと万人に開かれたコマースサイトを運営できるようなサービスを展開しているところは、一般の方でも気軽に販売を行うことが可能です。

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BASE LIVE

通常のコマースサイトでは、自分のペースでゆっくりと買い物を行うことができますが、一方でライブコマースではその瞬間にしか味わえないワクワク感を感じながら買い物を行うことができます。

従来のネットショップと組み合わせてライブコマースを取り入れれば、さらなる販路の拡大とプロモーションを同時に行うことができ、まさに一石二鳥の施策だと言えます。

3. テスティモニアルやリファラルをもらう

海外でランディングページを作る際、必須とも言えるパーツがあります。それが*テスティモニアル(testimonial)*と呼ばれるものです。

テスティモニアルは直訳すれば「証明」「証言」という意味ですが、マーケティングでは専門家や有識者の推薦文を意味します。書籍の帯にもテスティモニアルは頻繁に活用されており、有名人からの*「お墨付き」*をもらうことで、その内容が信頼に値するものであることを暗示させる役割があります。

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海外では動画を使ったテスティモニアルも活用されています

また、*リファラル(referral)*を集めるのも有効です。リファラルとは「口コミ」に相当する言葉ですが、マーケティングでは個人的な関係でおすすめをし合うことを言います。広義では、カスタマーによる商品の評価も、リファラルに相当すると考えていいでしょう。

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Amazonから送られる評価メール

Amazonや楽天で買い物をすると、その商品や取引業者の評価をするように促すメールが届きます。大抵の場合、ユーザーに大きなインセンティブはありませんが、評価してくれることがほとんどです。

こうした*「生の声」*が溜まっていくことで、カスタマーはその商品が買うに値するのかを判断する材料が揃うことになるので、多くの人からレビューを募るのは有効な方法だと言えるでしょう。

4. ポップアップストアを作る

ポップアップストアを活用したマーケティングが流行しています。昨年11月にGoogleGoogle Home Miniの発売を記念して表参道に出したGoogle Home Miniのポップアップストアを覚えてる方もいるのではないでしょうか。

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Google Home Mini ポップアップストアの様子 / 2017年11月撮影

ポップアップストアとは、数日から数週間限りで出店する期間限定の店舗のことです。「ポップアップ」(Pop-Up)という言葉は、パソコン画面でもウィンドウが突如現れるといった具合に、*「いきなり現れる」*といった意味があります。

インターネット上のマーケティング活動と並行して行われることが多く、販売チャネルが増加し、商品のプロモーションが加速するというメリットがあります。

2017年にはAmazonがポップアップストアを使ったマーケティングを頻繁に取り入れており、銀座でアルコールドリンクをメニューなしで提供する*「Amazonバー」*、11月にはクリスマス・年末年始のホリデーシーズンに向けて、サイバーマンデーのプロモーションとして渋谷にポップアップストアを設置していました。

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Amazon Bar

ポップアップストアは、売り上げアップはもちろんのこと、集客上のメリットもあり、実際に商品に触れてもらうことでSNSでの拡散も期待できます。短期の出店なので、費用も算定しやすく、撤退も簡単に行えます。

シーズンや目的を絞ってポップアップストアを出店するのは、非常に合理的なマーケティング戦略だと言えるでしょう。