Web広告の運用に注力する企業が増える中、インハウス化を検討している担当者も多いでしょう。広告に注力するほどコストがかさみ、代理店に依頼している場合には手数料も高額になってしまいます。

そこでこの記事では、広告運用のインハウス化までのロードマップを解説します。インハウス化を検討する目安や事前に行う準備、課題などもまとめています。これからインハウス化に取り組みたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  1. 広告運用のインハウス化とは
  2. インハウスの3パターン
  3. 広告運用のインハウス化における課題
  4. 広告運用のインハウス化を行うための準備
  5. 広告運用のインハウス化までのロードマップ
  6. 広告運用をインハウス化すべきか判断するポイント
  7. 信頼できる代理店との伴走でインハウス化を成功させよう

広告運用のインハウス化に関する業界動向などをチェック!

マーケティング組織をグロースさせる「インハウス化広告運用」とは

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広告運用を自社で内製化するためのポイントについて解説します

広告運用のインハウス化とは

インハウス化とは内製化とも呼ばれ、業務をアウトソースするのでなく、自社で業務を行うことを指します。広告運用のインハウス化は、広告運用に関わる一連の工程を自社の中で完結させることです。

広告運用を外部へ委託するとなると、広告代理店へ支払う費用が発生しますが、インハウス化すればさまざまな費用を削減でき、費用対効果のアップが期待できます。

運用型広告では、主に以下のような業務が発生します。

  • 広告戦略の立案
  • 広告媒体の設定
  • クリエイティブ作成
  • 予算管理レポーティング
  • 分析
  • 改善

上記の業務を全てインハウス化するケースもあれば、一部を外部へ委託するケースもあります。自社に合うスタイルを選択しましょう。

以下の記事では、広告運用をインハウス化するメリットや留意ポイントを解説しています。併せてご確認ください。

関連記事:Web広告運用はインハウス化の潮流。よくある課題と成功の秘訣を解説

インハウスの3パターン

インハウスの3パターン.png

インハウスには、ヘビー・ミドル・ライトの3パターンがあります。

ヘビーは広告運用に関連する全ての業務をインハウス化する体制のことです。育成コストはかかるものの、自社でコントロールしやすいのがメリットです。

ミドルは自社にて広告運用を行いながら、戦略や施策の立案などは外部パートナーからサポートを得る体制です。プロの知識・経験を活用できるメリットがあります。

ライトは広告運用や施策の立案などを外部パートナーに委託する体制のことです。企業にとっては最も手間がかからないパターンですが、自社にノウハウが蓄積されにくい傾向があります。

このようにそれぞれのメリット・デメリットを把握した上で、自社に合った体制を選択することが大切です。

広告運用のインハウス化における課題

広告運用のインハウス化においては、人材の確保や教育体制の整備が課題になります。インハウス化を成功させるためには、人材育成が欠かせません。以下で、詳しい内容を見ていきましょう。

人材の確保

広告運用に関わる業務をインハウス化するためには、専門知識や技術を持った人材の採用・育成が必要です。近年は、人材不足が深刻化しているケースもあり、人材の確保を大きな課題とする企業も少なくありません。

今いるメンバーだけで運用が難しい場合、新しい人材を雇う必要があります。インハウス化のメリットとしてはコストの削減が挙げられますが、新しい人材を確保して人件費が高騰すれば本末転倒です。自社のリソースなどを踏まえ、インハウス化を検討しましょう。

教育体制の整備

広告運用のインハウス化を行う場合、人材を確保しただけでは成功しません。確保した人材に対し、必要な教育を行った上で、専門知識や技術を身につけてもらう必要があります。

教育体制の整備が必要なのはもちろん、教育コストも大きくかかるケースが多いため、インハウス化を行う際は注意が必要です。短期的に見るのではなく、中長期的な費用対効果を念頭に置いて考えましょう。

ツールの導入

広告運用に関するツールはさまざまあり、導入によって業務の効率化が期待できます。自社の広告運用の目的に合ったツールを選び、適切に運用していきましょう。

ただし、ツールの選定や導入後の運用体制の構築にはある程度の時間が必要です。うまく使いこなせずに、無駄なコストを発生させてしまうケースも少なくありません。こういった点も加味した上で、ツールの導入を検討することが大切です。

広告運用を自動化できるツールについて詳しく知りたい方は、以下の記事もチェックしてみてください。

関連記事:広告運用自動化ツール8選!ツールの特徴や選び方、注意点を解説

広告運用のインハウス化を行うための準備

広告運用のインハウス化を行うためには、さまざまな準備が必要です。以下で、事前に行っておきたい2つの準備を解説します。

広告アカウントの移管を行う

1つ目は、広告アカウントの移管です。広告を出稿しているプラットフォームアカウントなど、基本的な情報を整理しましょう。現在外部に委託している場合には、委託先に問い合わせればすぐに分かるはずです。

委託先の会社が開設したアカウントの場合、委託先に所有権があることが大半です。その場合は所有権を自社に移してもらう必要があるでしょう。新規でアカウントを発行する方法もありますが、そうなると過去のデータや実績が引き継げません。

また、プラットフォームによっては譲渡自体が行えない場合もあります。広告代理店を経由しなければ出稿できないメディアも存在するので、注意が必要です。

広告媒体費用の支払い方法を確認する

2つ目は、広告媒体費用の支払い方法の確認です。プラットフォームやメディアに支払う広告費用は、基本的にアカウントの所有者が負担します。そのため、外部委託していた場合には、アカウントの移管とあわせて支払い方法も確認しましょう。

支払い方法はクレジットカード払いが一般的です。なおカードの利用上限額よりも広告運用費の方が高額になるケースが多々ありますので注意しましょう。

広告運用のインハウス化までのロードマップ

広告運用のインハウス化を行うためには、多くのステップを踏む必要があります。ここでは、インハウス化までのロードマップを見ていきましょう。

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1. インハウス化の目的と目標を明確にする

まずは、広告運用をインハウス化する目的と目標を明確にします。一度チームメンバーで現状の広告運用に関する問題点や懸念点を共有し合うと、インハウス化する目的や目標が定まりやすいでしょう。

それらの目的・目標をもとに、インハウスの体制をヘビー・ミドル・ライトの3つから決定します。それぞれにメリット・デメリットがあるため、自社の目的に合うものを選ぶことが重要です。

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▼インハウス化の3つの種類についてさらに詳しく見る

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2. 必要な人材とツールを検討する

目的と目標を明確にし方針が決定したら、必要な人材をもとにリソースの確保、ツールの導入を検討しましょう。

例えば、分析や改善まで自社で行う場合には、解析ツールなどが必要になります。どこまでインハウス化するかによって必要なツールや確保する人材が変わってくるため、運用方針によって必要なものを見分けることが大切です。

3. 教育体制を整備する

必要な人材とツールが決まったら、次は教育体制を整備しましょう。人材を必要数集めるだけではインハウス化は行えず、採用・登用した人材に必要な知識や技術を身につけてもらう必要があります。その際の教育コストについても計算しておいてください。

教育コストが大きな負担になるケースもあるため、インハウス化のメリットとあわせて考える必要があります。

4. 運用体制を構築する

必要な人材やツールが揃った後は、運用体制を構築します。どのような流れで広告を作成・運用していくのかを把握しつつ、体制を整えてください。

広告戦略の立案や広告媒体の設定、広告クリエイティブの作成、予算管理などの業務を担当できる人材を確保しましょう。それぞれの業務には専門知識やスキルが必要なため、最適な人材を選ぶ必要があります。

5. 運用を開始する

運用体制が構築できたら、実際に運用を開始しましょう。

なお、インハウスで広告運用を行うためには目的と目標を明確にした上で、必要な知識とスキルを持った人材が揃っている運営体制が必要です。

ここまでの準備がしっかりと完了しているかどうか、改めて確認しましょう。

6. 運用開始後の効果測定を行う

広告は運用を開始したら終わりではなく、定期的な効果測定が必要です。最初から大きな効果が得られるわけではないため、長期的な目線で取り組みましょう。

効果を測定しながら徐々に効果的な運用を目指すことが大切です。

7. 適宜改善を図り、PDCAを回す

運用開始後は結果を分析しながら適宜改善を図り、PDCAを回します。PDCAを回すことで、より効果の出る広告運用が行えるようになるでしょう。

また、自社で分析・改善まで行う場合には、分析ツールの導入がおすすめです。複数のツールを上手く使い、連携させながら効果的な広告運用を目指しましょう。

広告運用におけるPDCAの回し方についてもっと詳しく知りたい方は、以下の記事もおすすめです。

関連記事:リスティング広告の運用とは?PDCAを回して成果を上げよう!

広告運用をインハウス化すべきか判断するポイント

広告運用のインハウス化は、行えば必ず成果が出るというものではありません。そのため、現在の広告運用状況に応じて、インハウス化を行うかどうか判断することが大切です。

以下で、判断のための2つのポイントを解説します。

広告費・手数料の目安

外部委託先に支払っている広告費や手数料などを確認しましょう。一般的には広告出稿金額の20~30%程度が手数料になるため、広告費用が高額な企業はインハウス化が視野に入ります。

目安としては、広告費が100~200万円を超えたらインハウス化を検討しましょう。広告費の目安は企業の規模などによっても異なるため、人材のリソースなども加味しながら考えることが大切です。

人的リソースが確保できるか

人的リソースが確保できなければインハウス化は難しいため、各工程を任せられる人材がいるかどうかも判断ポイントになります。

人材がいない場合には、人材を確保して教育するコストを踏まえ、どちらの方が費用対効果が高くなるのか考えましょう。

信頼できる代理店との伴走でインハウス化を成功させよう

広告運用のインハウス化には多くの課題があり、全ての業務を最初から内製化するのは難しいものです。そのため、初期段階では信頼できる広告代理店と伴走しながらインハウス化を行うのがおすすめです。

また、インハウス化にはメリットだけでなく、人材確保が必要なことや教育コストが発生することなどのデメリットもあります。メリット・デメリットの双方をしっかり把握した上で、インハウス化を検討しましょう。

▼代理店の理想的な付き合い方がわかる資料はこちら

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