リスティング広告をはじめ、Web広告の世界では「広告運用」という言葉がよく使われます。紙媒体の広告の場合は、紙面を制作して配布・ポスティングなどして終わりです。

一方、Web広告の場合には、出稿して終わりではありません。出稿後にも細かく成果確認・メンテナンスをして成果を最大化していく取り組みが必須であり、これがまさに「広告運用」です。

この記事では、リスティング広告初心者の方に向けて、そもそも「広告運用」とはどういうことなのかと成果を出すための運用方法のポイントを解説します。

出稿して終わりじゃない、リスティング広告の運用とは

自社で広告文やキーワードを決め、予算を決め、晴れてリスティング広告の掲載開始に至ったとします。「よし、これで後は集客を待つだけだ!」と思いたいところですが、リスティング広告では出稿して終わりではない現実があります。

それは一体なぜなのでしょうか。まずは、紙媒体の広告との違いから理解していきましょう。

紙媒体の広告との違いを理解しよう

チラシなど紙媒体の広告は、紙面を作成して、配布・ポスティングなどして終わりです。チラシを渡したお客さんからの反応がイマイチだったからと言って、一度刷り上がったチラシについて後から広告文を修正することは、まずありません。

しかし、リスティング広告では「掲載中の広告に対してユーザーの反応が悪ければ、掲載しながら広告文の微修正をする」ことが可能です。

「出稿後に微修正も可能である」というよりは、リスティング広告では、このようなメンテナンスをしないと、広告費に対しての成果が悪くなる可能性があるのです。これらの状況を分析しながら広告を最適化していくことが広告運用になります。

「PDCA」という考え方を知ろう

マーケティングの世界では、「PDCA(ピーディーシーエー)」という考え方が用いられます。これは、以下の言葉の頭文字を組み合わせた略語です。

  • P=Plan:計画
  • D=Do:実行
  • C=Check:効果検証
  • A=Action:改善行動

マーケターの間ではよく「PDCAサイクルを回す」などという表現が用いられ、常に「計画ー実行ー効果検証ー改善行動」を繰り返していくことで、効果を最大化する、といった意味合いで使われています。これは、リスティング広告にも当てはめて考えることができます。

  • 広告出稿によってどんな目標を目指すかを計画する
  • 実際に広告出稿を実行する
  • 広告出稿後の効果検証をする
  • 効果検証の結果を見て、改善行動に繋げる

上記の4ステップを繰り返していくことで、広告出稿効果を最大化し、より優れたコストパフォーマンスで自社ビジネスの目標達成に繋がるのです。

リスティング広告にPDCAが必須なワケ

リスティング広告の運用のカギは「PDCA」のうちの「A=Action:改善行動」だと言えます。出稿した後、そのまま放置してメンテナンス・改善行動をしないと、広告費の無駄遣いになってしまうこともありえます。

具体的には、最初に掲載・設定した広告文やキーワードに対してユーザーの反応が悪く、あまりクリックやCVに繋がらない、つまり、広告の品質が低い状態が続いたとします。すると、「CPC(クリック単価)」や「CPA(顧客獲得単価)」が割高になってしまい、出稿予算に対しての成果が悪くなってしまいます。

一度掲載・設定した広告文やキーワードで満足することなく、出稿後もユーザーの反応を見ながらクリックされやすい広告文やキーワードに微修正していく広告運用が必須なのです。例えばGoogle広告では「一般的に広告の品質が高いほど、クリック単価は低くなる」と公式に述べています。

広告の品質が高い状態とは、広告文や誘導先のホームページがユーザー利便性を満たしている状態を言います。リスティング広告を出稿した後に「自社の広告品質はどうか?ユーザー利便性はどうか?」ということを常に検証・改善していくことが必要なのです。