チーム目標はどう立てるべきか?

チームの目標は前述したとおりKGIを元に考えます。

会社の目標が何であるか、その会社の目標を達成させるためには各チームがどのような目標を持つ必要があるのか。今回はCSの目標設定を例にご説明します。

会社の目標:クライアント企業数5,000社を達成し、来期から新サービスを展開する
目標達成となる指標:クライアント企業数(稼働数)を5,000社にする
現状:4,000社
目標期間:1年間

この場合、1年間で1,000社の企業にサービスを導入頂く必要があります。すると以下のような各チームの役割分担になるでしょう。

●役割分担
開発部門:市場ニーズに沿った機能開発(要素:開発機能、開発スケジュール)
営業部門:1,000社導入を目標とした提案(要素:訪問数、成約数)
CS部門:既存の4,000社と新規の1,000社を稼働させるフォロー(要素:満足度)
※ここでは管理部門は割愛します。

設定する上でのポイント

今回のKGIは「クライアント企業数(稼働数)5,000社」なので、サービスを解約されてしまったり停止されてしまうと稼働数にはカウントされません。

そうするとCSKPIはおのずと「サービスを解約、停止されないようにするにはどうしたら良いか」というところに焦点をあてて考えられます。焦点をあてるポイントが決まったら、どうあるべきかの理想を洗い出してみましょう。

●解約、停止されないサービスに必要な要素は?
・繋がりやすいサポートセンター(受電率)
・お問い合わせしたら必ず解決する安心感(課題解決率)
・丁寧な接客応対をしてもらえる(応対品質)

ざっくりこの3点とします。
次は、ここで出たポイントに対して現状はどうなのかをチェックします。

●現状(例)
・受電率:80%
・課題解決率:70%
・応対品質:85点

現状を洗い出したら、次はKGIから逆算して「どうあるべきか」の目標を定量化します。
定量化出来ない目標である場合には、誰が見ても認識齟齬が発生しない具体性のある定性内容としてください。

●こうあるべき(例)
・受電率 現状:応答率80% → 目標:応答率95%
・課題解決率 現状:解決率70% → 目標:解決率85%
・応対品質 現状:85点 → 目標:90点

実現性且つ効果的な目標が出せたら、次はその目標を達成させる上での行動計画が必要です。行動計画は、チームメンバーを絡めて5W1Hで立てましょう。

設定する上での注意点

最初は順風満帆だった目標・計画も、課題や問題の発生によりスムーズにいかなくなることも必ず出てきます。

それが大きな課題や問題である場合には、KGI自体を見直す必要もあるでしょう。その時には、当初立てたKGIKPIにこだわらず状況に応じて柔軟に見直すことも非常に重要です。

課題や問題に阻まれた場合には、それを超えるためにあらゆる手段を考察し、それでも乗り越えられない場合には別のアプローチとしてKGIを見直すことをお薦めします。

また、このチーム目標がまとまっていないと次のメンバー目標もまとまりの無いものになってしまいます。チーム目標は「SMART」を元に考察することが非常に重要です。

参考:
目標設定は「SMART」に | GLOBIS 知見録 - 読む