分散型動画メディアのマネタイズ戦略

ここまで、運用の前提となる部分を確認してきました。
それを踏まえたうえで、どのようにマネタイズ戦略を練っていくべきか。CChannelの事例を見ながら考えます。

タイアップ広告

動画に商品を紹介する形で広告案件を取るタイアップ広告の形式は、マネタイズの主要な手段の1つといえます。

広告掲載に関するページでは、分散型メディアの幅広いリーチという特性や、エンゲージメント数の高さ、それを実現する動画制作力などを特徴として挙げ、その影響力や信頼性を伝えています。

動画広告は、ハウツー動画との相性も良く、商品の魅力を深く伝えることができます。
ユーザーもコンテンツの面白さを重視しているため、広告であっても自然とアピールが出来ることも、広告主側への訴求ポイントといえるでしょう。

参考:
[広告掲載 | C Channel株式会社] (https://corp.cchan.tv/ad/)

ECサイトへの送客

ECサイトとの連携も、マネタイズの1つの方法です。

動画メディアとECサイトの連携によって、以下のようなメリットがあります。

  • 情報量が多く、商品の魅力をより分かりやすく簡潔に伝えることが出来る
  • 使用感や、使い方含めてリアルに伝えられる
  • 拡散性の高さ

一方で、まだ一般化していない購入方法であるため、動画の視聴から購入までにはハードルがあるのも確かです。

そこで、C Channelでは、「クリッパー」と呼ばれるC Channel内の人気配信者の商品紹介によって、共感から生まれる購買行動を促進する取り組みをしています。

他にもスムーズなUIUX設計など、購入のハードルを下げるための工夫は様々考えられるため、試行錯誤が必要になるでしょう。

参考:
[女性向け動画メディア「C CHANNEL」が動画ECに本格参入--第1弾はサマンサタバサ - CNET Japan] (https://japan.cnet.com/article/35104275/)

リアルイベントへ展開

メディアから、リアルイベントへ展開することも手段として考えられます。
C Channelは昨年4月、「Super! C CHANNEL 2017」を開催。

ユーザーにとっては、メイク、ヘアアレンジ、レシピ、グルメ、ネイル、DIYなどのトレンドを実際に体験出来るイベントでした。普段のコンテンツをオフラインへ移植することで、よりメディアへの帰属意識を高める効果が期待できます。

企業にとっても、ブースを通してテストマーケティングを行うことが出来るなど、オフラインならではのメリットを得られるため、インセンティブになります。

継続的な関係構築のためには、オンラインとオフラインを相互に行き来することによって、日常的な接触を図りながら深いユーザー体験を生み出していくことも重要になってくるのではないでしょうか。

参考:
[スーパーシーチャンネル | Super! C CHANNEL 2017] (https://super.cchan.tv/)

まとめ

分散型メディアの大きな特徴は、様々なプラットフォーム上でコンテンツを展開するという点です。

各プラットフォームによって特性が大きく異なることを理解した上で、自社のターゲット層がどこに存在しているのかを見極めて施策を打つことが大切になります。こうした前提を押さえたうえで、マネタイズの手段を検討してみてください。

従来のWebメディアとは異なる方法で、どのように収益を上げるか。タイアップコンテンツや動画コマース、リアルイベントとの連動など、手段は多岐に渡ります。自社のリソースやターゲット層を踏まえた戦略が必要となるといえるでしょう。

C Channelは、分散型動画メディアの持つ拡散性を利用して、ECサイトへの送客やリアルイベントの展開によるファンの醸成など、複合的にコンテンツを展開しています。それによって影響力を高める相互作用を生み出し、収益につなげているのです。

分散型動画メディアのマネタイズにおける、多角的な戦略の必要性を学べる例といえるのではないでしょうか。