会社では、新しいメンバーの参加、新たな機能のリリース、社内での部活動や勉強会の開催など、様々な活動が行われています。細かな活動の1つひとつが積み重なり、組織のカルチャーを形作っています。

会社の大きな動きはプレスリリースなどで社外に発信しても、細かな変化や活動は、なかなか社外に発信されません。しかし、会社の小さな”進捗”や日々の様子を発信していけば、どんな会社なのか、どんなことをしているのかを、会社に関わる人達に伝えられるはずです。

今回は、こまめな会社の情報発信に関して、PR Table、メドレー、メルカリなどの企業が取り組む日々の情報発信を参考に、その始め方を解説します。

こまめに、継続して、会社の動きを可視化する

「おもしろい情報を、ちゃんと発信しなければ」と、情報発信のハードルを高く設定してしまうと、つい更新を後回しにしがちになります。

更新の頻度が下がれば、ステークホルダーとの接点を持つことは少なくなり、会社のことを想起してもらう機会が減ってしまいます。会社に関心を持ってくれた採用候補者や将来の取引先候補が、会社について調べようとした際に得られる情報が少なくなります。

*こまめに、継続して、発信することで、会社の動きを可視化する必要があるのです。*発信を続けることで、次のようなメリットが考えられます。

  • ステークホルダーとコミュニケーションする機会になる
  • 社内にも全社の様子を伝えやすくなる
  • 社内から情報が集まりやすくなる

例えば、遠隔診療システム「CLINICS」や、オンライン医療辞典「MEDLEY」を提供するメドレーは、コーポレートサイトにて「週刊メドレー」というブログを毎週金曜日に更新しています。ブログには、その週のプレスリリースやメディア掲載、メンバーのイベント登壇の様子など、メドレーの一週間分のアップデートをまとめて掲載されています。

企業のストーリーを発信するプラットフォームPR Tableは、月次で会社の受注額やコンテンツの掲載本数などの実績を紹介する「先月のわが社」と、PR Table内でのちょっとした変化を週次で紹介する「先週のわが社」を運用しています。

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引用:mercan(メルカン)
6月21日に掲載された「メルカリな日々」。6月19日の上場に際して、関係各社から花束が届いた様子を掲載している。

フリマアプリ「メルカリ」を運営するメルカリは、コンテンツプラットフォーム『メルカン』にて、「メルカリな日々」というコンテンツを運用しています。平日は毎日更新される「メルカリな日々」では、オフィスや社内部活動、開催するイベントなどのメルカリにまつわる動きが紹介されています。

このように複数の企業で、会社の日々の動きや進捗を可視化する発信が増えてきています。では、継続して発信するためには、何が必要となるのでしょうか。

社内を観察し、コンテンツ化できるネタを集める

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引用:先週のわが社|株式会社PR Table

「大事なのはわかった、じゃあ情報発信をやろう」と考えても、記事のネタ集めや、コンテンツづくりのために割くリソースを確保するのは簡単ではありません。継続的な発信を行うために、ワークフローの構築が必要不可欠です。

1.すでに社内にあるネタを探す

まず、継続的に発信するためには、社内からネタを集める必要があります。広報や人事業務に関わっていれば、社内の大きな動きは集まりやすいです。しかし、週に1回や、日に1回という頻度で発信する場合は、より細かな情報も集める必要があります。

日々の業務を遂行する傍ら「社内にコンテンツ化できるものはないか」という視点を持つことが大切です。何気なく行っている活動が、実はその会社のカルチャーを表しているケースもあるでしょう。

「情報を集めていく」能動的な姿勢や視点を持つことで、記事化するネタを見つけやすくなります。

2.ネタが集まる体制をつくる

最初は積極的に情報を集めにいく必要がありますが、継続的に発信を行っていれば、徐々に社内から情報が集まってきやすくなる体制が整います。

例えば、メドレーで広報を務める阿部氏はブログにて、「週刊メドレー」を始めたことで、社内の情報が集まりやすくなったと、その効果を語っています。

参考:
週イチの広報レポート「週刊メドレー」を1年間書き続けた結果 | 広報チームの「土曜日に読むメドレー」

3.ネタをつくる

記事ネタがなく、どうしても更新しにくい時は、「更新するために新たなネタを仕込む」という視点を持つことが大切です。

メドレー広報の阿部氏はブログにて、毎週社内の出来事をまとめることで、広報の業務の振り返りになり、ネタがない週は色んなメディアに出て行かなければという危機意識を持てるようになったと語っています。

週報や日報というアウトプットの機会がペースメーカーとなり、社外への発信ができていないことに対しての危機意識を持つこともできます。