ホームページの紹介文や商品の企画書、他社へのメールや毎日の日報など、どのような業務をしている方にとっても「文章」は身近な存在です。なかでもWebマーケティング担当者は、ホームページブログ、SNSの投稿など、文章を扱う機会は多いでしょう。

文章を書く時は、「誰に向けて」「どのようなコンセプトで」など、書く前に抑えるべき要素がいくつもあります。「トーン&マナー(トンマナ)」もその1つで、どのような文体を使うのか、企業として使用しないキーワードを使っていないか、構成や表記はどうするのかなどに注意が必要です。

今回は、「文体のトーン&マナー(トンマナ)」に注目して文章の印象をコントロールするポイントを紹介します。

文体を使い分ける技術「トーン&マナー(トンマナ)」とは

「トーン&マナー(以下、トンマナ)」とは、求められる文体を正しく把握し、使い分けることです。

トンマナによってユーザーが受け取る印象は大きく変わります。例えば、堅い文体のコンテンツは「誠実」「厳格」「堅実」といった印象を、柔らかく親しみのある文体のコンテンツは「親近感」「気さく」「明るい」などの印象を与えます。

本来トンマナとは、ホームページの色合いや書式、ページ構成をどのようにバランスよく統一するかを定めるデザインの分野で利用されている言葉でした。

文章でも同様に、ページと文章の雰囲気を統一すると違和感がありません。また、ユーザーにとってなじみやすいトンマナコンテンツを作成すると、より読みやすく情報を整理して伝えられます。

トンマナの決定方法

トンマナを決定する際は、「誰に・なにを・どのように表現したいのか」を念頭に置きましょう。

「誰に」伝えるか

まず「誰に」では、どのようなターゲットを想定しているか検討します。

その際は、そもそも自社がターゲットとしている層はどこなのかを見直すとともに、作成するコンテンツは「誰に」見てもらいたいのかを言語化しましょう。定めたターゲットが高校生向けなのか、社会人向けなのか、高齢者向けなのかなど、層によって要求されるトンマナは異なります。

若年層向けのコンテンツであれば、あえて友だち口調で話しかける方が興味を持ってもらいやすいパターンもあります。特定の技術者向けコンテンツであれば、専門用語が多い方がよいこともあるでしょう。また、ターゲットが小学生であれば、漢字を普段より少なくして、読みやすくする工夫もできます。

「なにを」伝えるか

「なにを」では、コンテンツの内容を定めます。

どのようなテーマを持ったコンテンツを作成するのかにより、設定するトンマナが変わります

例えば、主婦に向けて簡単レシピ紹介をするブログ調のコンテンツと、ビジネスマンに向けてビジネスの参考になるようなデータを紹介するニュースコンテンツであれば、文末の表現や文字数など、まったく異なるトンマナが必要になります。

「どのように」伝えるか

「どのように」では、ユーザーにどのような印象を与えたいのかを検討します

堅実、誠実、自由、親近感など「印象」を表すキーワードはいくつもあります。どのキーワードを主軸に置くかによって、その後設定するトンマナも変わってくるでしょう。

ケース別のトンマナ実践例

実際ケースごとによく用いられているトンマナを紹介します。

ここで紹介するケースはあくまで一例です。参考にしつつ、前述したように「誰に・なにを・どのように表現したいのか」を踏まえて詳細なトンマナを設定してください。

1.企業概要

企業を紹介する企業概要のページは、会社の顔とも呼べる存在です。
想定されるユーザーは、就職を検討している学生や社会人、ビジネス上の付き合いがあるクライアントなどです。

このようなページでは、堅実で誠実なイメージを伝える必要があるケースが多いでしょう。

例えば、「お問い合わせはこちらからどうぞ」という文章を検討してみましょう。
この場合に望ましい記述は「お問い合わせはこちらから申し受けます。」「お問い合わせは以下よりお願いいたします。」など相手に誠意が伝わる丁寧な文体です。

とはいえ、IT企業やベンチャー企業など、従来の企業の雰囲気に当てはまらない自由な社風を持つ企業も増えています。

このような企業の場合、自由さや新しさをアピールするためにあえて文体を少し砕けた表現にすることもあるでしょう。社風に合わせた文体を使いつつ、真摯に伝えたい部分では堅い表現を使うなど、メリハリをつけるよう心がけてみましょう。

2.ブログ

ブログは、企業概要のページなどに比べ、比較的雰囲気が軽い特徴があります。

普段きっちりした印象を与えている企業でも、ブログで柔らかな文体を使用することで企業をより身近な存在として感じてもらうことができるでしょう。

もちろんターゲットにより使い分けが必要ですが、より親近感を得られるような文体にしてみましょう。

3.SNS

近年では多くのSNSが登場し、ユーザーとコミュニケーションが取れる機会が増えてます。
企業が一方的に情報を伝える企業概要のページなどでは丁寧で堅い表現が好まれますが、ユーザーと双方向でコミュニケーションを取る場合は丁寧語だけのトンマナでは通用しないこともあります。SNSならではの特性を活かして、オンとオフを切り替えた使い分けが求められます。

例えば、シャープ、タニタ、キングジムといった大手のメーカーのTwitterアカウントでは、運用者である「中の人」の性格を反映した気さくなコミュニケーションで話題を呼んでいます。

また、SNSは種類ごとに特徴が違います。SNSの特性に合わせてトンマナも変わってくるでしょう。

代表的なSNSで主流のトンマナについて解説します。

Facebook

ビジネスのコミュニケーションツールとしてもよく利用されるFacebookは、やや硬めのトンマナが主流です。

とはいえ、プライベートでのコミュニケーションにも利用されているSNSですので、記事で取り扱うテーマによってトンマナを変える方法もおすすめです。

例えば、求人広告や、重要な出来事の報告などはかっちりした文体、オフショットなどの軽いテーマの記事は柔らかい文体で使い分けるという方法です。

Instagram

Instagramは、10代から20代ユーザーがよく利用していることが特徴です。そのため、堅過ぎる文体はあまり相性がよくありません。もちろん扱うテーマによって変化はしますが、基本的に柔らかい文体で統一をおすすめします。

ただし、相手に失礼な印象を与えないように、常に丁寧な姿勢でいることを忘れないようにしましょう。

Twitter

企業のスタンスによってトンマナが1番変化するSNSがTwitterです。商品の宣伝など、企業がユーザーに一方的に発信をすることが多いアカウントであれば、丁寧語を中心とした文体を使うことがおすすめです。

ただしTwitterそのものが軽めの文体によるコミュニケーションが多いSNSですので、あまり硬くなりすぎないように注意してください。

一方、ユーザーとの双方向のコミュニケーションをするアカウントであれば、さらに砕けた文体でも問題ありません。むしろ、企業ではなく一個人が話している印象を与える方が、ユーザーの共感を呼びやすくなる場合もあります。

しかし、砕けたコミュニケーションは運用者のスキルがより試されます。ユーザーとのすれ違いを起こさないように、発信する内容には十分注意してください。あらかじめ、想定されるトラブルへの対処法については、可能な範囲でマニュアルを作成しておきましょう。

LINE@

LINE@は、まるで友達と1対1で会話をしているような感覚でユーザ1人ひとりに届くSNSです。そのため、特定の個人に語りかけるような手法がよく使われています。その際、一括で同じ情報を送るのではなく、パーソナライズ化した情報を発信することができれば、エンゲージメントの構築にも役立ちます。

もちろん、従来どおりに丁寧語を中心とした宣伝口調の文体で構成しても問題ありません。

まとめ:読み手を想定してトンマナを設定しよう

文章を掲載する場所により、適切なトンマナは異なります。

最初にトンマナを設定する時は、「誰に・なにを・どのように」伝えたいかを念頭に置いて、適切な文体を考えていきましょう。

どのようなトンマナにするか迷った場合は、丁寧語を中心とした文章がおすすめです。丁寧語であればどのような年齢層であっても、抵抗なく受け入れられることが多いでしょう。難しい言葉や堅苦しい表現をあまり使いすぎず、丁寧な文体で統一し、クセが少なく多くの人が受け入れやすい表現を選ぶようにしてください。