自分の「コアバリュー」を軸とした複業に取り組む意義

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飯髙:
複業を始めるきっかけとしてわかりやすいですよね。

僕は、昔から変わってない場所の複業をやりたいと思うことがあるんですよね。スーパーとか製造業とかです。まだまだ、効率化できることがいっぱいあるかもしれないなと思うことがあります。コンビニとかも効率化されているとはいえ、毎回「Tポイントカードありますか」とか、レシートの受け渡しあるじゃん。これは、すごく無駄じゃないかなと思って。

電子マネー化の流れでデータの効率的な管理とかできるんじゃないかと思ったり。もっと時間を有効に使えるようになるのではと考えるんですよ。

でも、やっぱり一番はずっとサッカーやってるから、スポーツはめちゃめちゃやりたい。

西村 氏:
飯髙さんのように、コアバリューがあれば、それを活かして遠いところをやったほうがいいんですよ。

それは「砂漠で水を売る発想」で、Webマーケティングの業界で当たり前にやられていることがNPOでは当たり前ではないとか。コンビニで当たり前でない、スーパーで当たり前ではないということに気づけることって、とても価値があるんです。

そういう意味では、複業をする上で「コアバリューを作る」ところから始めるのが良いかもしれません。「○○と言えば○○」に当てはまるようになる。

「複業のことなら西村創一朗」のようなタグが付くコアバリューを作るところから始めるのが良いですね。

飯髙:
確かにそうですね。コアバリューを持った複業によって複数の価値が結び付くことで大きな強みになりますよね。一方で、人材の流動性が非常に高くなるなど、企業側にとってデメリットになることはないでしょうか?

西村 氏:
企業側のデメリットは、あまり無いと思うんですよね。

今のこのSNS超オープン時代において、ナレッジというものの相対的な価値がどんどん希薄化しているわけです。

例えばこの間、株式会社才流(サイル)という会社がSaaSマーケティング7.0という情報を、たったの300円でnote(ノート)を使って販売し始めました。

持っているナレッジは積極的に開示して流通させたほうが、その会社のブランド価値を生み、結果的に大きなゲインが得られるというのがマーケットの流通理解になりつつあるんですよね。

それと同じで、複業人材がリクルートの優秀な営業マンだったとします。複業で他社の営業コンサルやってくれるって言ったら、専門的な知見が得られそうでお願いしたいと感じますよね。

そこで営業マンが複業で結果を残せば、リクルートというブランドに良い評価が返ってくるわけですよね。「リクルートの人にコンサル入ってもらってるけど、とても良いよ」といった評価が貰えるかもしれない。

なので、ナレッジが流出するというよりは、「世に流通する」、「流出」ではなく「流通」することで、その流通元のブランド力を高めると考えれば、マイナスどころか圧倒的にプラスだ思います。

飯髙:
お話を聞いて、まさにそうだなと感じました。ブランディングになるから、持っている情報は多く開示したほうが良いですね。そもそもなぜSlideShareって生まれたんだろうみたいに考えると、意外と昔からオープンに発信している人が居るんだよね。

Twiter見てても、自社で得たナレッジを公開するって人がとても増えたし、そこには多くの共感が生まれている。結果として事業成長だけでなく採用にもプラスですしね。

西村 氏:
エンジニアのハッカーマインドは、まさにそういうことですよね。基本的には自分の持っているナレッジとかはガンガン外に発信する。オープンソースのコミッターとして貢献していくことで、結果的に得られるものが大きい。

アダム・グラントの書籍『GIVE & TAKE』で語られる「GIVE&GIVE」の世界。GIVEから始まる考え方が他の業界にも他の職種にも、どんどん浸透しつつあるかなという感じですかね。