日々の仕事の中では、マーケティング戦略を考える時間を取れない...という方もいらっしゃるかもしれません。

前回の記事ではマーケティング思考の仕組みについて解説しました。今回はマーケティング思考を鍛えるためのトレーニング方法「マーケティングトレース」を説明します。

「マーケターの筋トレ」マーケティングトレースとは

マーケティングトレースとは、「マーケターの筋トレ」をコンセプトに、マーケティング思考力を鍛えるためのトレーニングとして考案した造語です。

優良企業のマーケティング戦略を要約、言語化、図解することで、成果に繋がるマーケティング戦略・戦術の引き出しを増やすことを狙いとしています。

トレースした最後には、自分がこの企業のマーケティング担当だったらどうするか?を考えていきます。
※MBAのケーススタディをマーケティングに特化して、より日常的かつ実践的な形に落としております。

マーケティングトレースの手順

具体的に、どのようにマーケティングトレースを実践するのかを説明していきます。

まず最初に、トレースするテーマ企業を決定します。
初めての方は、カンブリア宮殿、東洋経済、ダイヤモンド・オンラインなどで特集されている企業がわかりやすいかもしれません。

著者は、下記3つをテーマ企業の選定基準としています。

①儲かっている
マーケティング戦略がユニークである
③自分が感動するサービスを提供している

テーマ企業を選定した後は、下記2つのプロセスでトレースをしていきます。

①成功企業や商品の構造を読み解く→マーケティングの成功パターンを言語化する
②自分がその会社のCMOだったら?を考える→アクションプランを言語化する

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マーケティングトレースの6ステップ

では具体的にどのような流れでトレースを進めていくのでしょうか?

具体的なトレース方法は下記6つのステップに細分化することができます。

このステップに基づいてトレースをすることで、前回にご紹介した、マーケッターが鍛えるべき2つの思考を鍛えることができるはずです。

一気通貫思考:戦略・戦術・実行を一気通貫で考え成果につなげる力
三方良し思考:市場・組織・顧客の三方良しの状態を実現する力

マーケティングトレースの方法①

「概要を把握する」
概要をつかむために、会社概要、サービス概要を書き出す。

マーケティングトレースの方法②

「マクロ・ミクロ環境に分類する」
テーマ企業のマーケティング戦略を想像するために、基本的なフレームワーク分析を行い、書き出したサービスなどをマクロ環境・ミクロ環境に分類、分析する。

活用フレームワーク:PEST分析、3C分析、SWOT分析、5Force分析など

マーケティングトレースの方法③

「より詳細に分析する」
市場環境をマクロ・ミクロに分析して戦略の仮説をつくった後は、対象企業の具体的なマーケティング施策、コミュニケーション戦略の分析を行っていく。

活用フレームワーク:マーケティングファネル、4P、4Cなど

マーケティングトレースの方法④

「他部署の戦略との連動性を分析する」
マーケティングは、経営者や営業、デザインなど組織全体を巻き込んで実行していくプロセスです。組織資源や、現状の採用戦略とマーケティング戦略の連動性を分析します。

活用フレームワーク:BSCやVRIO分析など

マーケティングトレースの方法⑤

「言語化し、成功要因を整理する」
トレースからの学びをまとめて言語化することで、その企業のマーケティング領域における成功要因を整理していきます。

マーケティングトレースの方法⑥

「仮説をつくる力を磨く」
最後に自分がテーマ企業のマーケティング担当(CMO)であったらどんな戦略を組み立てるかを記載して、仮説をつくる力を磨く。

上記のプロセスで分析をしていきます。図で整理すると下記のようなイメージとなります。

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実際にトレースした企業の情報はnoteでマガジンをつくり発信していますので、参考にしてみてください。

※全てのマーケティングトレースが上記の6ステップに基づいているわけではありません。この基本の型を参考にして頂き、皆さんそれぞれにオリジナルなトレースプロセスをつくっていって頂ければと思います。

成功企業や感動するビジネスのマーケティング戦略をトレースして、マーケッターの基礎となる観察力・洞察力・発想力を磨いていきましょう。

参考:
マーケティングトレース|note

まとめ:日頃から思考力を磨こう

マーケティング思考は一朝一夕では身につけることはできません。特に組織全体で進めるべきマーケティングで、組織に働きかけるためには、マーケティング思考力を日頃から磨き続けることが大切であり、そのためのトレーニング手法がマーケティングトレースです。

ぜひ今回紹介した流れで実践して思考力を磨いてみましょう。