リスティング広告とは〜効果を上げるために知っておくべき7つの事実
リスティング広告とは、YahooやGoogleで検索されたキーワードに合わせて、自社の広告を表示する手法です。
例えば「自動車保険 見積もり 」と検索した結果画面に、広告を表示できます。
この場合、まさに自動車保険の見積もりが欲しい人にピンポイントに接触できるので、自動車保険を提供している企業にとっては非常に魅力的な手法と言えます。
このような例をもとに、一般的に「リスティング広告は効果が良い」と言われていますが、本当なのでしょうか?
自社でも今すぐ始めて良いものなのでしょうか?
当然ながら、世の中そんな甘い話ばかりではありません。
実は「8割の企業がリスティング広告で失敗する」というタイトルの本が出ているくらい、失敗している人も多い広告手法です。
本記事では、リスティング広告を始めるかどうか悩んでいる人向けに、予め知っておいていただきたい事実と対処法についてご紹介いたします。
この記事を読んだ後に「自社であれば成功しそうだ!」と思えた人だけ、リスティング広告の実施を検討してください。
筆者はリスティング広告のノウハウ提供サイト「LISKUL」の編集長をしており、執筆したリスティング広告初心者向けの無料ガイドブックは2,500回以上ダウンロードされ9割以上の方に「満足」という評価を頂いています。
リスティング広告を提供する業者側の立場ではありますが、出来る限り客観的にお伝えしますので、少しでも参考になれば幸いです。
【事実1】「自動車保険 見積もり」は1クリック:1,448円
冒頭に具体例として紹介した「自動車保険 見積もり」の検索結果画面にGoogleで上位表示した場合、1回クリックされるごとに1,448円のコストがかかります。
リスティング広告は「クリック課金」という方式で、表示されるだけであれば、費用は発生しない代わりに、クリックされるたびに費用が発生する仕組みとなっています。
その費用はオークション形式で決まっており、大雑把に言えば1クリックあたりの費用(クリック単価)を多く出せる企業がより上位に表示されます。
したがって、人気のあるキーワードであればあるほど、入札競争が加熱し、上位表示に必要なクリック単価が高騰していきます。
その結果、冒頭の「自動車保険 見積もり」のようなキーワードは人気のため、上位表示するためには1クリックで1,448円必要になります。
その他にも競争が過熱している業界では以下のようなクリック単価になっています。
中古車査定:2,198円
消費者金融:4,214円
過払い金返還請求:5,925円
薬剤師 求人:9,443円
※いずれも2015年3月末時点。Googleキーワードプランナーを使って当社調べ
仮に、「自動車保険 見積もり」の検索結果から、クリック単価1,448円で100人連れてくると14万4,800円のコストがかかる計算になります。
連れてきた100人のうち10人が申し込んでくれるようなホームページであれば、1見積あたり14,800円の広告費。
連れてきた100人のうち1人しか申し込んでくれないホームページであれば、1見積あたり148,000円の広告費。
したがって、連れてきた人をより多く申し込みに誘導できる商品力やホームページを持っているかどうかがカギになってきます。
もちろん、クリック単価が低いキーワードを狙うという方法もあります。
しかし、クリック単価は相場で決まりますので、クリック単価が低いということは人気がなく、一般的に申し込みにつながりにくいキーワードであることが多いため、本質的には商品力やホームページの力が重要になってきます。
【事実2】「ごま豆腐」の検索結果における競合はAmazon・楽天・Yahoo!
あなたが福井県で名産の「ごま豆腐」を作っていて通販を始めたとします。
その場合、最初に広告を表示したいと思うキーワードは「ごま豆腐」や「ごま豆腐 通販」と考えるのが普通です。
実際に「ごま豆腐」のGoogle検索結果画面が以下です。
ごま豆腐の専門店に混じって、Amazon・楽天・Yahoo!という大手ショッピングモールが名を連ねています。
ネット上の戦いは「全国大会」当然、リスティング広告においても、ごま豆腐の名店はもちろん、Amazonや楽天というネットを主戦場とする大企業とも同じ土俵で勝負する必要があります。
消費者はあなたのお店のごま豆腐と名店のごま豆腐とAmazon・楽天・Yahoo!を比較して、一番よいと思うごま豆腐を購入するでしょう。
全国大会に勝てる商品・ホームページになっているかが重要になります。
【事実3】リスティング広告に月間数千万を投じるネット先進企業は「数百万キーワード」を登録し運用管理している
Amazon・楽天・Yahoo!のような大手企業が手を出さないようなニッチなキーワードで勝負すれば勝てるのではないか、と思うかもしれません。しかし、ネットを主戦場とする大手企業は抜かりなく大量のキーワードを網羅しています。
私の知っている範囲では某ショッピングモールで数百万キーワードを登録し、運用管理しているという話を聞いたことがあります。独自開発した専用の管理ツールを使い、専任担当が数名体制でリスティング広告を管理しています。
ネットを主戦場とする大手企業はリスティング広告を徹底的に活用しています。
【事実4】通販企業の多くで、初回購入では「赤字覚悟」が当然になっている
健康食品や通販コスメでは「980円のお試しセット」を送料無料で提供しています。
その時点でどうみても赤字ですが、その赤字のお試しセットの申し込み獲得のために、1件獲得あたり数万円のリスティング広告費用をかけていることも珍しくありません。
なぜそんなことができるか、というと、お試しセットを利用した後の「本購入」や「リピート購入」への移行率や購入頻度や単価など、売上利益をすべて計測し計算して、初回購入で赤字でも、トータルで利益が出る仕組みを作り上げているからです。
1回きりの購入で利益を出そうとしている企業は太刀打ちできない状況になっています。
【事実5】曜日・時間帯・エリア・デバイス・接触履歴に応じて出し分け設定にも対応。常に進化している。
リスティング広告は単純に検索結果に広告を表示するだけではありません。
曜日や時間を指定して広告を出すことはもちろん、地域を限定したり、過去に自社のホームページに来たことがある人が検索したときのみ広告を出す、なんてこともできるようになっています。
また、そのような機能は常に進化しており1年前とは大きく変化しています。
ネット先進企業やリスティング広告の専門業者は日時やエリアの細かい設定はもちろん最新機能をキャッチアップして使いこなしています。
そのような企業や業者と同じ土俵で戦わなければいけない、ということは押さえておくべき事実です。
【事実6】専門業者の運用手数料は20%。小額の場合は3~10万の固定費を求められることも
リスティング広告を専門としている業者も数多くあります。そのような業者にリスティング広告を任せることもできます。
ただし、その場合、一般的にクリック単価に手数料を20%上乗せした金額を請求されます。
また広告費が小額な場合には、クリック単価の手数料も小さくなるため、月額固定費を請求されるケースも多くあります。
また小額だと固定費を請求しても運用のコストを考えると効率が悪いため、月額広告費が100万円未満はお断りという業者も複数あります。
【事実7】現在も数万社が実施中。「雑誌広告+ラジオ広告」以上の広告費がリスティング広告に投下されている。
ここまで読み進めて「そう簡単ではなさそうだ」と思われたのではないでしょうか。
しかし、それでもリスティング広告はあらゆる広告手法の中で、最も費用対効果の良い広告と言われており、国内でも数万社が実施中と言われています。
「知識もない、お金もない、人手も足りてない」中小・ベンチャー企業だったとしても、限りある広告費を投じる先としてリスティング広告が有力候補であることは変わりません。
事実、Webを活用してビジネスをしている企業の大半はリスティング広告を今も継続的に実施しています。その理由は「確実に効果が出て、儲かるから」です。
電通が推定した2014年の日本の広告費によれば、インターネット広告費1兆519億円のうち、リスティング広告を中心とした運用型広告費は5106億円となっています。
ちなみに、テレビが1兆8347億円、新聞広告費が6057億円、雑誌広告費が2500億円、ラジオ広告費が1272億円ですので、「雑誌広告+ラジオ広告」以上の広告費がリスティング広告に投下されている計算になります。
引用元:(電通 2014年日本の広告費)
「知識もない、お金もない、人手も足りてない」中小・ベンチャー企業がリスティング広告で効果を出すには?
では、一般的に「知識もない、お金もない、人手も足りてない」という現実のある中小・ベンチャー企業は、どのようにリスティング広告に取り組めば効果が出せるのでしょうか。
ここでは大事なポイントを3つほど挙げたいと思います。
1)独自の強みを明確にして、勝てるキーワードを中心に実施する。
具体的には、福井県のごま豆腐屋さんの場合、「イチゴ味のごま豆腐」を強みにする、というようなことです。
実際に「ごま豆腐 イチゴ味」には現時点では競合が誰もいないため、安価に独占的に広告枠から誘導することができます。
また「ごま豆腐 通販」という検索結果においてもイチゴ味を訴求すれば強い独自性があるため、普通のごま豆腐では満足できないわがままな消費者を惹きつけることができるかもしれません。
「イチゴ味のごま豆腐」というのは極端な例ですが、自社の独自の強みを明確にして勝てるキーワードで勝負することができれば、(実際にその強みが消費者に受け入れられるものであれば)リスティング広告で効果を出すことは簡単になります。
2)「その場限り」で勝負せず、「長いお付き合い」を念頭にした全体設計
1回の広告で利益を出そうとせず、初回購入で商品・サービスの魅力を伝え、複数回の購入を念頭において全体設計をすることは欠かせません。「お試しセット」のように最初に購入するハードルを下げるなどの作戦も必要になって来るでしょう。
過去の売上実績や顧客の購買履歴からどの程度リピートしてもらえるのかを踏まえ、全体像を先に設計してからリスティング広告にましょう。
3)仮説を持って取り組み、数値で検証しながら改善しつづける。
リスティング広告は「いくら使って、何回クリックされて、何回購入されたか」全て数字で把握することができます。
事前に仮説を持ち、数字を元に検証をしながら、改善し続けることで効果を上げていくことができます。
この点が新聞やチラシのように「出したら終わり」の広告との大きな違いです。
他にもポイントはありますが、まずはこの3つのポイントを押さえるとリスティング広告の成功はグッと近づきます。
なお、リスティング広告初心者向けの無料ガイドブックでは、「知識もない、お金もない、人手も足りてない」中小・ベンチャー企業でもリスティング広告で効果を出す方法について60ページに渡り丁寧に解説しています。
無料でダウンロードできますので、興味のある方は参考にしてみてください。
また、リスティング広告の情報サイトLISKULではリスティング広告を中心にWebマーケティングで成果をあげるためのノウハウを公開しておりますので併せてご覧ください。
- リスティング広告
- リスティング広告とは、検索エンジンの検索結果ページに、ユーザーが検索したキーワードに関連した広告を、有料で表示するサービスのことです。ユーザーの検索結果に連動した形で広告が表示されるため「キーワード連動型広告」「検索連動型広告」とも呼ばれます。
- Googleとは、世界最大の検索エンジンであるGoogleを展開する米国の企業です。1998年に創業され急激に成長しました。その検索エンジンであるGoogleは、現在日本でも展開していて、日本のYahoo!Japanにも検索結果のデータを提供するなど、検索市場において圧倒的な地位を築いています。
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- 広告とは販売のための告知活動を指します。ただし、広告を掲載するための媒体、メッセージがあること、広告を出している広告主が明示されているなどの3要素を含む場合を指すことが多いようです。
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- 商品1つ、あるサービス1回あたり、それらの最低単位での商品やサービスの値段のことを単価といいます。「このカフェではコーヒー一杯の単価を350円に設定しています」などと使います。現在、一般的には消費税を含めた税込み単価を表示しているお店も少なくありません。
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- 印刷物のカタログやパンフレットは、通常複数のページから成り立っています。インターネットのホームページもまったく同じで、テーマや内容ごとにそれぞれの画面が作られています。この画面のことを、インターネットでも「ページ」と呼んでいます。ホームページは、多くの場合、複数ページから成り立っています。
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