2.5D動画と呼ばれる動画をご存知でしょうか。デザイン自体は「アイソメトリックデザイン」とも呼ばれており、この技法を使って企業やサービスのブランディングを進める企業が増えてきました。

今回はこの2.5D動画、およびアイソメトリックデザインの効果を事例を交えて解説します。

2.5D動画とアイソメトリックデザインとは

2.5D動画とは、2Dアニメーションを3Dアニメーションのように見せている動画です。

まずは実際に2.5D動画の例を見てみましょう。

この2.5D動画はアイソメトリックデザインと呼ばれる、対象物を斜め上の視点から描くデザイン手法を用いて制作されています。

3Dであれば3Dモデリングツールや高度な技術が必要であるのに対し、2.5Dは様々な角度からのイラストパーツによって構築されています。そのため、2Dにはない立体感を持たせつつも、費用を抑えて制作できます。

そもそもアニメーションのメリットは、目に見えないものを可視化でき、多くの情報を整理して伝えられる点です。また、実写であればたくさんのシチュエーションを撮影しようとすると費用面や工数が膨大になってしまう懸念がありますが、アニメーションであればその問題も解決できます。

このようなアニメーションが持つ利点に加え、2.5D動画はより一層世界観を醸成しやすい動画です。2.5D動画では、街全体や地球全体、宇宙といった広い視点を立体的に描くことで、動画でPRしたいサービスや商品が浸透している世界をより具体的に作り出せるため、視聴者はその世界にいる印象を抱き、サービスや商品をより自分の身近に感じます。

難しいイメージを払拭する2.5D動画

上記の動画をもとに、より詳しく解説します。

この動画は弊社プルークスにて制作した、日本航空株式会社のCSR活動PR動画です。日本航空株式会社が以前から取り組んでいるCSR活動の一環であるバイオジェット燃料の開発プロジェクトを分かりやすく伝える目的で制作されました。

CSR活動」「バイオジェット燃料」と聞くと、普段の生活の中ではあまり関わることのない難しいものというイメージを持つ方も多いのではないでしょうか。
この動画では、このCSR活動が視聴者の生活にも関わるものであると感じさせるため、2.5D動画でバイオジェット燃料と普段の生活が結びついた世界観を醸成しました。また、細かいアニメーションとポップな動きにより視聴者を最後まで飽きさせないと同時に、幅広い年代の視聴者の理解を促進しています。

多様なサービス展開に一貫性を持たせる

こちらは、JR東日本が制作した、グループとしての経営ビジョン「変革2027」のコンセプト紹介動画です。少し先の未来の世界観を伝えている点は、先程の日本航空株式会社の動画と共通しています。

この動画では、JR東日本がメイン事業として行なっている輸送サービスだけでなく、Suicaをはじめとするサービスや生活サービスといった幅広いサービスが行き届いた未来を表現しています。
ひとつの動画の中に様々な要素を入れすぎると、動画の統一性がなくなってしまうだけでなく、視聴者の途中離脱につながることもありますが、2.5Dでトンマナを統一し、全てが繋がった世界観ごと創ることにより、その問題を解決しているのが大きな特徴です。