広告を作る時、キャッチコピーだけで全てを伝えようとしていませんか?

キャッチコピーの役割は、発信側が言いたい事を主張することだけではありません。
ターゲットとしているユーザーに立ち止まってもらい、アクションを起こしてもらうフックとなる役目もあります。
つまり、キャッチコピーをきっかけに商品の良さを知ってもらうキッカケをつくることが重要です。
では、ユーザーの心をつかみ、つい次を読んでしまう表現方法とは、どのようなものでしょうか。
今回は5つの心理学効果を元に、誰でも簡単にユーザーの心を掴むキャッチコピーを作成できるテクニックを紹介します。
いつものキャッチコピー作成の際に意識するだけで、グッとキャッチコピーに説得力が増します。

心理学使ったキャッチコピー作成テクニック

人は見えるものに左右される?【シャルパンティエ効果】

「5kgの鉄」と「5kgの綿」を持ったところを想像してみてください。

同じ重さなのに綿のほうが軽そうだと思いませんか?
このように大きさや重さが視覚的なイメージの影響を受け、その大きさに錯覚が起きる現象を*「シャルパンティエ効果」*といいます。

この現象を利用して、商品のメリットやベネフィットを視覚的にイメージしやすく表現することで、グッとユーザーによさが伝わりやすくなります。

例:野菜ジュース
例えば、野菜ジュースの栄養価をアピールしたい際にシャルパンティエ効果を使うことができます。

※下記バナーデザインは、当社株式会社インフォデックスがオリジナルで作成したものです。商品やブランドは架空のものであり、特定の商材とは関係ございません。

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「トマト6個分のリコピンがこれ1本で」

これは、トマトに含まれている栄養素の代表であるリコピンを売りにしたジュースのコピーです。
「リコピン○○mgがこれ1本で」と表現するよりも、トマトの個数に置き換えて考えることで、ユーザーは「トマトを6個食べるのは難しいな。その分のリコピンがとれるのか!」と具体的に想像できます。
トマトを6個食べることのハードルの高さも具体的にイメージでき、その分ジュースの価値や効果が高いのではないかと期待をもたせます。

ターゲットを絞り込んで呼びかける【カクテルパーティ効果】

パーティのような騒々しい場所などでも、自分に関係のある情報には無意識に注意が向く現象のことをカクテルパーティ効果といいます。

この効果は、ターゲットが明確な商材に有効です。
ターゲットの属性やセグメントに合わせ、それぞれに興味・関心のあることをキャッチコピーに盛り込んで絞り込みましょう。

例:転職エージェント
転職エージェントの広告など、同じ時期に同じ悩みを持つユーザーが多い商材であればカクテルパーティー効果が有効です。

※下記バナーデザインは、当社株式会社インフォデックスがオリジナルで作成したものです。商品やブランドは架空のものであり、特定の商材とは関係ございません。

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「『そろそろ、3年』4月までに転職したいあなたへ」

20代にターゲットを絞った転職エージェントのキャッチコピーです。
「転職をお考えのあなた」だけでも絞り込めますが、20代が転職を意識するといわれる「3年」でユーザーを振り向かせつつ、新年度の「4月」で時期的なタイミングを訴求することで、より現実的な転職のイメージを想像させ、自分ゴト化を補強します。

「絶対、見ちゃダメ。」って言われると見たくなる【カリギュラ効果】

人は自分の行動を禁止・妨害されたとき、それを克服するために逆に強い欲求がわきあがる性質があります。
この現象のことをカリギュラ効果といいます。
「ダメ」といわれるとかえってやりたくなってしまうこと、ありますよね。
広告でもよく使われているテクニックです。

カリギュラ効果で気をつけなければいけないのが過剰な煽り文句です。
「閲覧注意」など刺激的な表現を使うときは、ブランドイメージを崩してしまわないように気を付けましょう。
さらに、クリック先の内容がユーザーの期待にこたえられなかった場合は信頼を落としてしまうので注意が必要です。

例:増毛サービス
ユーザーが切実かつ喫緊の悩みを抱えやすいコンプレックス商材では、カリギュラ効果が有効であると考えられます。

※下記バナーデザインは、当社株式会社インフォデックスがオリジナルで作成したものです。商品やブランドは架空のものであり、特定の商材とは関係ございません。

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「髪に悩みがない人は、絶対に見ないでください」

「髪に悩んでいる人は絶対に見てください」よりも、「見ないでください」と禁止されることで、つい気になってしまう仕掛けになっているコピーです。

このバナーの場合は、クリエイティブ内に「本気の増毛体験」という文字を盛り込んでユーザーにクリック後の内容を想像させています。
悩みを解決したがっている顕在層にターゲットを絞り込み、ミスマッチ・無駄クリックを防いでいます。

「みんな」が使っている安心【社会的証明の原理】

大勢の判断を正しいと思い、自分の判断よりも他人の判断を頼りに行動してしまう心理のことを社会的証明の原理といいます。
行列ができている店をみると、つい気になって並んでしまう、たくさんの人が購入している商品をみると欲しくなってしまうという経験をしたことがある人は多いのではないでしょうか。

キャッチコピーにおいて、社会的証明の原理を使用するには、販売数や売上、レビュー点やランキングを掲載するとより良い効果が期待できます。
そのような実績がない場合は、例えば「話題の」「大好評」「売り切れ続出」といったコピーを付け加えるだけでも社会的証明の原理の効果が見込めます。

例:美容クリーム
みんながおすすめしているものを自分も購入したい、と思うような商材にこの手法は有効です。ランキングや比較系のコンテンツが多い商材はこれに当てはまるでしょう。

※下記バナーデザインは、当社株式会社インフォデックスがオリジナルで作成したものです。商品やブランドは架空のものであり、特定の商材とは関係ございません。

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「30~40代 美容クリーム部門1位受賞」

例えば化粧品では、ユーザーの多くが品質や効果を気にして口コミサイトやランキングサイトを閲覧しています。
こういったユーザーがよく閲覧している口コミサイトや雑誌のランキングなどの受賞歴があれば、クリエイティブ内に記載すると効果的です。
さらに、このバナーのように30~40代など年齢を絞ることで、より具体的に「誰に」支持されているのかが分かるため、ターゲットに伝わりやすくなります。

つづきは、次回?未完了の状態でユーザーの心を掴む【ツァイガルニック効果】

目標が達成されない未完了課題の記憶は、完了課題の記憶にくらべて強く残りやすい傾向にあります。
この心理現象のことをツァイガルニック効果といいます。
未完成のものは、完成させたい、という欲求が生まれます。
連載マンガや連続ドラマのストーリーが気になる展開で終わってしまうと、すぐに続きが見たくなってしまう経験をされた方も多いのではないでしょうか。

中途半端な状況を完成させたいと思う気持ちは、日常生活にも役立ちます。
会社や学校の休憩後や休み明けになかなかやる気が起こらないという人は、あえて休む前に仕事や課題はやりきらず少し残しておく、または少しでも手を付けておくことで、次が着手しやすくなります。

Web広告においても、全てをキャッチコピーで完結させないことでLPやホームページに誘導することが可能になります。

例:Web広告代理店
ここでは、Web広告の代理店が集客を狙って出稿した広告を例にあげて紹介します。

※下記バナーデザインは、当社株式会社インフォデックスがオリジナルで作成したものです。商品やブランドは架空のものであり、特定の商材とは関係ございません。

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「CV倍増のWeb広告を作る5つのコツとは?」

資料のダウンロードをライトコンバージョンに設定している企業も多いと思います。
こちらのバナーでは、「とは?」と先が気になるコピーでツァイガルニック効果を作りだし、ユーザーを誘導します。
さらに「とは?」だけでは終わらせずに、その先になにがあるか(=ノウハウ資料の無料ダウンロード)を提示することで、未完成の状態をどのように完成させるかが想像できるとツァイガルニック効果をうまくひき出すことができます。

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