ヤフーは自社のビッグデータを元にユーザーの行動や属性を分析し、信用度をスコア化する「「Yahoo!スコア」を、7月1日から企業向けに提供すると発表しました。

Yahoo!スコアとは

「Yahoo!スコア」とは、Yahoo!JAPAN IDにひもづいている「ビッグデータ」を元に算出したスコアのことです。

具体的には、以下の4つのカテゴリーの情報に基づき、スコアが決められます。

  • 本人確認:Yahoo!IDにひもづく住所・氏名・電話番号など
  • 信用行動:ヤフオク!での取引実績・評価、宿泊・飲食店等の予約キャンセル率など
  • 消費行動:Yahoo!ショッピングでの買い物やカード利用金額のデータなど
  • Yahoo! JAPANサービス利用:Yahoo!のサービス利用頻度実績など

企業は、上記のスコアを組み合わせて、Yahoo!ユーザーへの広告配信や特別プラン・価格情報の配信など、ユーザーに利益を与えるサービスを提供できます。

ヤフーとパートナー企業の「Yahoo!スコア」実証実験の例

2018年10月以降、ヤフーでは複数のパートナー企業と同サービスを使った以下の実験を行っています。

例1:シェアサイクル

シェアサイクルの「HELLO CYCLING」を提供するOpenStreetとの取り組みでは、「Yahoo!スコア」を利用して、対象エリアで利用マナーが良いと推定されるユーザーを抽出。
マナーが良いユーザーのみの特別料金プランを提供しました。ヤフーはOpenStreetと2018年3月に資本提携をしています。

例2:フリーランスの仕事マッチング

フリーランスと発注者をつなぐクラウドソーシングサービスの「ランサーズ」と「クラウドワークス」でも、活用実験が行われました。
ランサーズでは、優良と推定されるフリーランスと仕事発注者を「Yahoo!スコア」で抽出して、仕事をマッチング。
クラウドワークスでは、仕事を積極的に受注してくれそうな優良ユーザー(フリーランス)を「Yahoo!スコア」で抽出。抽出された優良ユーザーへ優先的に仕事をオファーしました。

例3:レストラン予約サービス

ネットでレストランを予約できるサービス「TableCheck」では、過去の利用状況や「Yahoo!スコア」から予約を忘れそうなユーザーを抽出。リマインド連絡を増やすことで、直前キャンセルを防止する取り組みをしました。

「Yahoo!スコア」を提供するユーザーは?

Yahoo!IDでの「Yahoo!スコア」をオンにしていて、企業サイトでYahoo!IDを連携、同意画面において「同意」したユーザーのみが対象です。
現在、デフォルト設定ではオンになっていますが、提供を希望しないユーザーはログイン後オフにすると、Yahoo!スコアが削除されます。

ネットでの振る舞いが、買い物・サービス・仕事・生活を握る!?

企業は「優良ユーザー」を求めています。
ビッグデータの活用がすすめば、優良ユーザーと他のユーザーを区別して、サービスの差別化が顕著になるかもしれません。

実際に、国単位でビッグデータの活用が行なわれている中国では、ユーザーの行動でサービスの格差が進んでます。
ネットでの振る舞いとリアルでの行動がリンクし、仕事を獲得したり、期間限定価格で買い物したり、レストランの予約情報をもとに特別なディナーを予約できたりする時代は、すぐそこにきているのかもしれません。