Macには、初期の状態だとWordやExcelなどのMicrosoftが提供するOffice製品が入っていません。

Appleが提供するソフトウェアとして、WordやExcelと同様の機能をもつPagesやNumbersなどがもともと入っていますが、日本ではOffice製品を使ったファイルの作成・共有が主流です。
「できればMacでもOffice製品を使いたい」という方は多いのではないでしょうか。

そこで今回は、Mac上でOffice製品を使う方法や、その中でもExcelに焦点を当て、便利なショートカットキーや主なトラブルシューティングについて解説します。

Macで使えるMicrosoft製品の値段と違い

Mac上でMicrosoftのOffice製品を使う方法は、大きく分けて4つあります。

1. Office Online(無料)
2. Office 365 Solo(有料)
3. Office Home & Business 2019(有料)
4. Office Home & Student 2019 for Mac(有料)

それぞれの違いや値段について詳しく見ていきましょう。
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Office Online(無料)

「Office Online」は、クラウド型のOffice製品です。パソコンにソフトをインストールする必要がなく、すべてネット上で作業を完結できます。

そのため、職場や外出先からでもアクセスでき、友人や社員間でのファイルの共有もスムーズです。また、操作方法は他のOffice製品と変わらないうえ、無料で利用できるので非常にコストパフォーマンスに優れています。

しかし一部機能が制限されているため、すべての機能をフルで使いたいという方には向きません。
簡単なファイルの作成や編集など、必要最低限の操作で十分という方にオススメです。
また、オンライン状態で動作することから、回線の状況などによって動作が若干重いと感じることがあるので注意です。

主な対象:コストを抑えたい方、必要最低限の操作で十分な方
含まれるソフト:Word・Excel・PowerPoint・One Drive など
価格:無料

Office Online

Office 365 Solo(有料)

「Office 365 Solo」は、サブスクリプション型のOffice製品です。

Office関連のほとんどのソフトをフル機能で利用でき、常に最新バーションにアップデートされるのでとても便利です。One Driveには1TB分のオンラインストレージが用意されるほか、チャットや電話でのサポートもあるので安心して利用できます。

しかしサブスクリプション型のため、利用料が毎月発生します。
1年分を一括購入すれば支払い額が2ヵ月分ほど安くなるので、長く利用する方は年間プランがオススメです。
1ヵ月間は無料で試用版を利用できるので、まずはそちらを試してみるのも良いでしょう。

主な対象:Excel以外にさまざまなソフトを使いたい方、最新バーションを使いたい方
含まれるソフト:Word・Excel・PowerPoint・One Drive など
価格:有料(1,274円/月、12,744円/年)

Office 365 Solo

Office Home & Business 2019(有料)

「Office Home & Business 2019」は、パッケージ型のOffice製品です。

利用した分だけ請求が発生するサブスクリプション型と違い、永続ライセンスのため一度購入すればそれ以上の支払いはありません。
そのため長く使えば使うほどお得になります。

しかし3年以上使わない場合、「Office 365 Solo」の方がコストが割安になります。また最新バージョンへのアップグレードができないので、その点も考慮したうえで購入しましょう。

主な対象:3年以上Office製品を使う方、最新バーションにこだわらない方
含まれるソフト:Word・Excel・PowerPoint・Outlook
価格:有料(37,584円)

Office Home & Business 2019

Office Home & Student 2019 for Mac(有料)

「Office Home & Student 2019 for Mac」は、パッケージ型のOffice製品です。

主なメリット・デメリットは「Office Home & Business 2019」と同様ですが、*大きな違いはMacのユーザーインターフェースやRetinaディスプレイなど、Macの機能をしっかり活用できるように再設計されている点にあります。*また価格が12,000円ほど安くなっており、購入しやすいのが特徴です。

しかし含まれるソフトがWord・Excel・PowerPointの3種類しかないため、さまざまなソフトを利用したいという方には不向きです。また2年以上使わない場合、「Office 365 Solo」の方が割安になるので、慎重に検討しましょう。

主な対象:2年以上Office製品を使う方、最低限のソフトで十分な方
含まれるソフト:Word・Excel・PowerPoint
価格:有料(25,704円)

Office Home & Student 2019 for Mac

Windows版とは異なる?Excelのショートカットキー

Office製品が使えるようになったら、便利なのがExcelのショートカットキーです。決まったコマンドにより作業を効率化できるので便利ですが、MacとWindowsでは一部仕様が違う場合があります。そこで、MacとWindowsではコマンドが異なるExcelショートカットキーをいくつかご紹介します。

※動作環境の違いにより、デスクトップ上とネット上ではショートカットキーが異なる場合があります。

セル内の改行

【Mac】command(またはcontrol) + option + Enter
【Win】Alt + Enter

テキストの中央揃え

【Mac】command + E
【Win】Alt + H、A、C

シート内の先頭・末尾・左端・右端に移動

【Mac】command + ↑ / ↓ / ← / →
【Win】Ctrl + ↑ / ↓ / ← / →

別シートに移動

【Mac】option + ← / →
【Win】Ctrl + PageDown / PageUp

現在の日付を入力

【Mac】control + ;
【Win】Ctrl + ;

現在の時刻を入力

【Mac】command + ;
【Win】Ctrl + :

リボンの表示・非表示

【Mac】command + option + R
【Win】Ctrl + F1

オートSUM数式を挿入

【Mac】command + shift + T
【Win】Alt + Shift + =

その他のショートカットキーについてさらに詳しく知りたい方は、下のリンクを参考にしてみてください。

トラブルシューティング:動作が重いとき

MacでExcelを利用していると、動作が重く感じることがあります。これにはさまざまな原因が考えられるので、まずは以下の方法を試してみましょう。

ハードディスクの残り容量を確認する

左上のリンゴマークから「このMacについて」を選び、「ストレージ」を選択すればハードディスクの残りの容量を確認できます。残りの容量が少ない場合は、不要なファイルやアプリを削除するなどして対応しましょう。

追加したアドインを無効化する

Excelに便利な機能を追加してくれるツール、「アドイン」。アドインはより作業を効率化してくれますが、その一方で動作が重くなる原因にもなります。過去にアドインを追加したことがあるなら、不要なアドインを無効化してExcelを再起動してみましょう。

重複フォントを削除する

フォントの重複により、入力が遅れるケースもあります。Mac標準搭載のアプリ「Font Book」を起動し、メニューの「編集」から「使用可能な重複項目を検索」をクリックしましょう。重複するフォントが見つかったら削除し、Excelを再起動します。

キャッシュファイル・環境設定ファイルを削除する

はじめは問題なくExcelが動作していたのに途中から重くなった場合は、Excelに関するファイルが原因の可能性があります。

「Finder」を起動してショートカットキー「Shif + command + G」を押し、「~/Library/」を入力して移動します。そして「Caches」の中にあるフォルダ「Microsoft」と、「Preferences」の中にあるファイル「com.microsoft.Excel.plist」「com.microsoft.office.plist」を削除しましょう。その後再起動し、動作が改善しているか確認します。

トラブルシューティング:マクロが動かないとき

定型的な作業を自動化してくれるマクロ。Excel内でマクロが動かない場合は、WindowsとMacとの操作方法の違いが原因かもしれません。以下の方法を試してみましょう。

変数の宣言をする

ループ処理をするときなど、WindowsではDimで変数の宣言をしなくても使えることがあります。しかしMacでははじめに変数の宣言が必要となるため、まずは宣言がされているかどうか確認しましょう。

ファイルパスの指定方法を確認する

Windowsは階層を区切るのに「\」を使いますが、Macでは「:」を使います。ファイルパスが「ユーザー名\Desktop\ファイル名」のようになっていたら、すべて「:」に置換しましょう。

トラブルシューティング:文字化けしているとき

Excelで文字化けが起きた場合、以下の方法で改善できる可能性があります。

セーフモードで起動する

セーフモードでMacを起動すると、フォントキャッシュが削除されて文字化けが解消されることがあります。セーフモードにするには、*Macを再起動してすぐに「shift」キーを押し、ログインウィンドウが表示されるまでずっと押し続けます。*セーフモードを終了する場合は、そのまま再起動をするだけで大丈夫です。

CSVファイルで文字化けした場合

CSVファイルを開いたときに文字化けする場合は、CSVファイルを右クリックして「このアプリケーションで開く > テキストエディット」をクリックし、開いたファイルを複製します。

そして複製したファイルを保存するときに、名前を「(任意のファイル名).csv」に変更し、「標準テキストのエンコーディング」から「日本語(Shift JIS)」を選択します。ファイルを無事保存したら、文字化けが解消されているか確認しましょう。

まとめ

Office製品の方が操作に慣れている、またはファイルのやり取りをスムーズにしたいなどの理由で、MacでもWordやExcelなどを利用したいという需要は多くあります。

しかし、Office製品はもともとWindows向けに開発されたものであるため、どうしてもMacでは勝手が違うことがあります。

そんなときは、本記事でご紹介したショートカットキーやトラブルシューティングなどを参考に、Office製品を使いこなしてくださいね。

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