スケジュール調整や膨大な数値の管理など、日常の業務におけるさまざまな場面で利用されている「Excel(エクセル)」。今や仕事に欠かせないExcelには、単純作業を劇的に楽にしてくれる「マクロ」という機能が備わっています。

今回の記事では「マクロ」の概要から使い方、エラーが出たときの対処法、使用上の注意点まで、幅広くご紹介します。マクロを使いこなせるようになれば、単純作業にかける時間を大幅に短縮できますよ。ぜひチェックしてみてください。

マクロとは

マクロとは、Excel上で行う一連の操作を記録し、自動的に実行することができる技術です。日々のルーチン作業や膨大な手間が発生する入力作業等を記録しておけば、すべてボタン操作一つで実行してくれるため、業務の効率化に非常に役立ちます。

マクロで操作を記録する際は、マイクロソフト社が提供しているVBA(Visual Basic for Applications)という言語が使われます。

マクロはどのような場合に使うか

マクロによる業務の効率化を図りたい場合、以下のようなシーンでの利用がオススメです。使いこなせるようになれば、多くの作業が自動化できるようになりますよ。

ルーチン作業の自動化

たとえば値のコピペや売上の集計といったルーチン作業は、マクロを使って自動化することで、作業時間をぐっと短縮できます。単純な四則演算はもちろん、複雑な表計算やグラフ作成等も一度記録しておけば、あとは実行ボタンを押すだけでOK。コピーする箇所を間違える等のミスや入力漏れも防げて、一石二鳥ですね。必要なデータを抽出したあと、表を元の状態に戻したい場合は、解除用のマクロを作っておくと便利です。こちらもボタン一つで元通りにできます。

メールの送受信

メルマガ送付など、大量の送付先にメールを一括送信したい場合もマクロの利用が便利です。メールの送信先を抽出してリストにまとめ一括で送信する、メール本文の氏名を自動で挿入して送信するなど、手作業で行うと膨大な手間がかかる作業も、ミスなく素早く終えることができます。

シートを分割する・まとめる

たとえば、A社・B社・C社・D社のデータが複雑に入り混じった一つのエクセルシートがあるとします。この4社分のデータを1社ごとのシートに振り分けたい。そんな場面でもマクロが活躍してくれます。1社ずつデータを振り分けた上で、売上順や日付順に並べ替えるのもマクロなら簡単な作業に。逆に、複数のデータを1つにまとめることもできます。

情報を分割する・まとめる

一つのセルに入った情報を分割したりまとめたりする作業も、マクロならスムーズに終えることができます。たとえば、一つのセルに入った住所や名前を複数のセルに分割する、一つのセルに入った住所を地名と番地で分ける、複数のセルに分かれたデータを一つにまとめるなど、お好みの管理方法に変更できます。

入力フォームの作成

マクロを使って顧客情報等の入力フォームを作成し、入力漏れやミスを防ぐ機能を追加することもできます。たとえば、全角と半角を見分けて誤りがあれば自動で修正する、入力漏れがあったら警告を出す、といった機能です。マクロを有効活用することで、不慣れな入力作業であっても効率よく行うことができるでしょう。

WEBから情報を取得する

自動でWEB情報を取得する機能も、マクロの便利な技の一つ。指定したWEBページにアクセスして商品名や価格等の情報を拾ってまとめる等、細かいリサーチや作業の手間が省けます。WEBページに装飾情報を記述するマークアップ言語・XMLのデータを受信することも可能です。