マーケティングにおいて自社がどのようなアプローチをするかも重要ですが、他社がどのようなアプローチをとっているのかを知ることも重要なこと。世界中の企業にWeb解析を提供している「SimilarWeb(シミラーウェブ)」は、競合のウェブサイトの状況を丸裸にしてしまうマーケティングツール。以前、ferretでもその凄さを紹介しました。

SimilarWeb社は2009年3月に、イスラエルのテルアビブに設立されたIT企業。
現在はSimilarWebの本社をイギリスのロンドンに移して活動しています。これまでに投資家や企業から2500万ドル(約30億円)ほどの資金調達を実施。PayPal、eBay、アディダスといった大手企業がクライアントになっているなど、急成長しています。

日本ではギャプライズ社をオフィシャルパートナーとして、7ヶ月ほど前から本格的に展開を開始。今回、SimilarWeb社のHead of PartnershipのDaniel Conn氏とVP SalesのEtai Rosen氏が来日しているのに合わせて、ferret編集長の飯高がインタビューを実施しました。

インタビューにはギャプライズ社の土井啓二氏も同席。パートナーとして日本への進出をサポートしている側の視点も交えて話を伺いました。今回は、日本ではあまり露出していないSimilarWebの声、イスラエルから見た日本のマーケットについての視点をお届けします。

競合と市場から学ぶためのツール

飯高:SimilarWebというツールについて教えてください。

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 Etai氏: インターネットが生まれて、ウェブサイトのデータを見ながら意思決定することが増えてきました。マーケットで何が起きているのかを見るというのは、金融の業界ではずっと行われてきたこと。それをウェブマーケティングでも可能にするツールを提供しています。

 マーケットで何が起きているのかを知っていて施策を考えるのと、知らないで施策を考えるのでは大きく結果が違ってきます。人々の判断をサポートするためのツールがSimilarWebです。

海外から見た日本マーケットの印象

飯高:日本のマーケットをどのように見ていますか?

 Etai氏: リリースからわずかな期間で激しくユーザーが増えていて、とても驚いています。非常にポテンシャルはある国だと考えているので、日本のマーケットには投資していきたいですね。

飯高:「これは日本の特徴だな」と感じたことはありますか?

  Etai氏: まだ日本に来始めたばかりなので特徴を十分に掴むところまではできていませんが、これから知っていきたいと考えています。

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  土井氏:日本は商習慣を始めとして色々な面がガラパゴス化しているので、日本に展開するにあたって多少戸惑うことはあるかもしれませんね。

  Etai氏: たしかに。世界的に見て、「Yahoo!」を利用しているユーザーがこんなに多い国は珍しいので、とても驚きました。企業がクレジットカード支払いをあまり利用しないことも日本の独特な部分ですね。

  土井氏:日本は銀行間送金が多いですからね。日本の企業とSimilarWebの間に入って調整をする役目をギャプライズが担っています。これは同じようにイスラエルから「clicktale」というツールを日本に持ってきたときも同じ様な役割を担いました。

飯高:日本に来る前から、日本について知っていたことはありますか?

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  Etai氏: とても多くの数の海外の会社が日本にサービスを展開しようとして、失敗してきたということは知っていました。私たちはその失敗の原因は言語における高い障壁にあると感じています。日本はまだ英語に慣れているユーザーがそれほど多くはなく、サービスを日本語に対応させる必要があると感じていました。

  土井氏:ギャプライズとの取引が始まる前からSimilarWebは日本語化されていたので、かなり早い段階から日本語に注力されていましたね。

飯高:イスラエルの企業の特色はありますか?

  Etai氏: イスラエルの特徴に、隣接している国々との取引が難しいことがあります。そのため、国際的に色々な国と仕事をしないといけません。こうした状況から、企業の特徴も出ているかもしれないですね。

  土井氏:私から見ると、イスラエルの会社は速度が早いと感じています。たとえば、北米の会社と取引しようと思ったとき、ロゴの使用規約が厳しかったりと、なかなか柔軟に対応してもらうことは難しかったりします。イスラエルの会社はポジティブな反応を示してくれて、どんな偉い人でもすぐ会ってもらうことができます。