昨今、キャラクターを活用したマーケティングが活発になりつつあります。

今回は、SNS漫画のプロモーションを数多く手がける株式会社ディー・エル・イー(DLE Inc.)が、キャラクターマーケティング活用のコツを、人気キャラクター漫画「耐え子の日常」のInstagramの運用事例を交えて紹介します。

キャラクターマーケティングとは何か

キャラクターとは一般的に消費者に特定のイメージを与える目的で作られたもののことを指します。ハローキティやドラえもんなどの、有名なキャラクターを思い浮かべる方も多いでしょう。

そしてキャラクターマーケティングとは、キャラクターを用いた企業活動のすべてを指します。具体的には株式会社ローソンのポンタや、JXTGエネルギー株式会社が展開するENEOSのエネゴリくんなどです。

このキャラクターマーケティングには様々な活用方法があります。

<代表例>
・キャラクターが登場する “ストーリー” を販売するコンテンツビジネス
・グッズなどの ”商品” を販売するライツビジネス
・キャラクターを消費者の ”架け橋” として使うブランドビジネス

相性のいいキャラクターとInstagram(インスタグラム)

キャラクターマーケティングとInstagramは、一般的に相性が良いとされています。

ここでは代表的な2つの理由を取り上げます。

滞在時間が増える傾向にある

1つ目に挙げられるのは、Instagramの各投稿の滞在時間が増える傾向にあることです。

現在のInstagramのアルゴリズムでは「いいね!」の数だけでなく、ユーザーの滞在時間やコメント数など、多くのエンゲージメントを重要視しているとされています。
中でも「投稿に触れたユーザーが何分・何秒くらいその投稿を見たか」という滞在時間の指標が大きいと言われています(2019年12月時点)。

この滞在時間を増やす方法はいくつかありますが、キャラクターの場合は非常に有利な方法がひとつあります。それは、*「漫画」*です。

「漫画」は、投稿あたりの情報量が多く、写真やイラストに比べてじっくり読まれることが特徴にあります。

また、ストーリーが伝えられる分、コメントも多くもらいやすい傾向です。

結果として、エンゲージメント率が高くなりやすく、現状のInstagramのアルゴリズムで優位に広めることが可能です。

そして、キャラクターを使った投稿は、「漫画」との相性が高くなります。
いわゆるコマ割りされた普通の漫画だけではなく、ひとコマ漫画のような「ふきだし」を活用した投稿であれば、少ない手間でエンゲージメントの高い投稿ができます。

手軽に滞在時間の長い良質な投稿ができるキャラクターは、Instagramとの相性が良いといえるでしょう。

属人化を防ぐことができる

2点目は、運営体制です。

SNS運用は、属人性が高い運営になりがちです。
運用している人が変わってしまうとともに内容も変わってしまい、せっかく増やしてきたファンを急に失うこともあります。

しかしキャラクターであれば、担当者が変わっても投稿内容が変わることはなく、運用の引き継ぎのマニュアル化もしやすいため、運用の手間を省きやすくなります。

担当者が変わってもファンを失わず、運用を滞ることなく続けられるのも、キャラクターマーケティングのメリットだと言えるでしょう。

Instagram(インスタグラム)でキャラクターマーケティングをするときのコツ

ではキャラクターを用いてInstagramを運用するときのコツは何か、キャラクター漫画「耐え子の日常」をもとに紹介します。

耐え子の日常は、理不尽な目に遭っても笑顔で耐えるOL・辛抱耐え子の日常を描いたキャラクター漫画です。

Instagramで連載を開始した当初、フォロワーは1,000人程でしたが、その後週に5,000~10,000人のペースでフォロワーを増やし、今や40万人を超えるまでに成長。単行本の発売からテレビアニメの放送までされるようになり、SNSから幅広いメディアで人気を誇るコンテンツになりました。

そんな「耐え子の日常」のInstagramの運用ポイントを紹介します。

統一感を出す

「耐え子の日常」の運用から学ぶべきポイントのひとつ目は、統一感を保つことです。

Twitterなど他のSNSと比較して、Instagramのユーザーは一度ついたファンが離れにくいという特徴があります。よりストレートに言うのであれば、Instagramはフォローを外されにくいSNSだということです。

一方で、難点になるのが最初に好きになってもらうことが難しいこと。
InstagramはTwitterなどと比べて拡散されにくいため、最初に目に留めてもらうこと、興味を持ってもらうことが難しいSNSでもあります。

つまり、Twitterなどに比べInstagramはフォローされにくく、フォロー解除もされにくいSNSと言えるでしょう。そのため、最も考えるべきことは「いかに最初に好きになってもらうか」ということです。

有効な方法として挙げられるのが、アカウントの世界観を統一し何を発信するアカウントなのかを明確にすること。

具体的には

  • 雰囲気に合わない投稿や内容がかぶっている投稿を消し、過去の投稿を見やすいように工夫
  • 投稿の際につける「ハッシュタグ」を毎回同じ文言にする

などの作業が有効と言えます。

どんな内容でも良いので、まずは統一感を出し、興味を持ってもらうこと。
そして「ユーザーが過去の投稿をさかのぼったときに、そのままアカウントのファンになってくれるかどうか」を意識した運用が必要です。

また、このような作業はユーザーだけでなくInstagramのアルゴリズム上でも有利だとされています。
同じテーマを繰り返し投稿することで、「何についてのアカウントなのか」をアルゴリズム上で判断しやすくなるためと考えられます。

投稿の頻度を保つ

2つ目は「投稿頻度を保つこと」です。

Twitterでは「あるツイートが爆発的に拡散され、フォロワーが急に増える」というバズる現象が起きますが、Instagramは拡散に強いSNSではありません。そのため、投稿数に比例してフォロワー数が伸びていくのが通例です。

漫画「耐え子の日常」では、週5のペースで投稿しています。投稿頻度を保ち、常に新しい投稿が表示されるようにしています。

そして、よく質問として上がるのが「他のSNSで使っているコンテンツをそのまま使い回してもよいのか?」ということです。

コンテンツの制作には労力とお金がかかります。他のSNSやキャンペーンで使用したものをInstagramで再利用したいと考えるマーケティング担当者は多いでしょう。

コンテンツの内容にもよるものの、基本的に他のSNSで反応が良かった内容は、Instagramでも反応が良い場合が多いと言えます。

逆に言えば「他のSNSでの数字を参考にInstagramを運用する」という方法もあります。

Instagramのいいね!数や滞在時間は、投稿によって大きくは変動しないことが多いため、Twitterなど投稿あたりの変動が大きいメディアの数字をもとにコンテンツを制作していくことも有効でしょう。

コメントを活用する

3つ目は、Instagramの特徴として他のSNSよりコメントが付きやすいという点が挙げられます。

広く拡散されていないコンテンツでなくても、ユーザーからダイレクトでコメントがつきやすいのがInstagramです。

そのため、そういったコメントを常に参考にし、コンテンツにすぐに反映していくことも運用上では非常に有効な方法です。

まとめ

Twitterからスタートし、今ではInstagramでも人気を博している漫画「耐え子の日常」。

今回のInstagramの運用のコツが参考になれば幸いです。

「耐え子の日常」Instagramページhttps://www.instagram.com/taeko_ol/

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