老若男女問わず日常的に携帯するスマートフォン。スマートフォンの機能を拡張するアプリはゲーム以外の用途でも多く利用されるようになり、企業にとって顧客と直接つながる重要な接点になりました。売り上げアップの施策としてもアプリは大いに効果を発揮しており、マーケティング施策の手段に欠かせない存在になりつつあります。

販促目的のアプリは会員証やポイントカード、クーポン発行などの用途で活用されることが多いものの、来店促進目的以外にもおもしろい活用方法でユーザーの人気を集めているアプリも増えてきました。ニーズを捉え、マーケティング活動にうまく生かしているアプリの事例をご紹介します。

WEAR

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ファッションコーディネートアプリWEARについて - WEAR

アイテムの着こなしが探せるファッションコーディネートアプリ「WEAR」は、リリースからわずか5か月で200万ダウンロードを突破した人気アプリです。コーディネート数は900万枚以上あり、気になるコーディネートを保存してまとめることも可能です。

このWEARは、ファッションECモールZOZOTOWNを運営する株式会社ZOZOが提供しており、ユーザーは気になったコーディネートから、そのままZOZOTOWNでモデルが着用しているアイテムを購入できます。
これだけ驚異的な人気を出せたのは、インフルエンサーの求心力と生活者の高いニーズがあったからでしょう。「WEAR」にはインフルエンサーやインスタグラマーなど多くの著名人が自身のコーディネートを投稿していて、好きなモデルをフォローしてファッションを真似たり、気に入ったファッションアイテムをその場で購入したりできるので、ファッション好きのユーザーからファッションに詳しくないユーザーまで活用できます。

ファッションは「買ったものの上手な着こなし方がわからない」「何を買っていいかわからない」など迷うポイントが多く、有名人ユーザーのコーディネートをまとめてチェックできる「WEAR」はこうした悩みを解決する存在です。タンスに眠っていた洋服のおしゃれな着こなし方を探したり、好みに合うコーディネートを探して洋服を新調したりとさまざまな活用ができます。

急上昇ワードも紹介されていて、ファッション雑誌に頼らずとも最新のトレンドも把握できる点も強みです。ユーザーに欲しい情報を届けることで集客し、ワンストップで購入まで誘導できる仕組みによってコンバージョンを高めている優秀なマーケティングアプリだと言えるでしょう。

Nike Run Club

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Nike Run Clubアプリ. Nike.com (JP)

SNSにランニング記録をアップする「ランスタグラマー」も誕生し、ランニングがひとつのトレンドとなった今、ナイキのランニングアプリ「Nike Run Club」が注目を集めています。「Nike Run Club」はランニング初心者向けのアプリで、ランニングを継続しやすくなる仕掛けがたくさん入っています。

さまざまなランニングメニューがあり、時間や距離が計測できるので成長を実感しやすくランニングのモチベーションを維持できます。1キロあたりのペースがわかり、ランニングの質も向上。アップルウォッチと連携すれば心拍数の測定も可能です。走るとトロフィーが与えられ、達成感を得られるのもポイント。

ブランディングを行うには、ユーザーの生活のなかで心地いい体験を与える必要があります。ランニングを習慣にし、その都度ナイキのアプリを活用することで、自然とブランドへの親近感が高まっていきファン化へとつなげられるでしょう。ユーザーファーストのアプリで満足度が高い体験を提供すればブランドへの好感度が高まっていき、ロイヤル顧客を生み出せます。