それぞれの転職のきっかけ

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▲菅 恭一 氏

菅氏:
僕が起業しようと思ったのは、前職の会社のままではやりたいことができないと気づいたからなんですよ。このまま社内で頑張ればなんとなく偉くなる道筋は見えていました。一方で、本間さんや奥谷さんなど社外の方とのつながりができる中で、業界の問題も見えてきて、自分の残りの仕事人生をどこに掛けるか悩んだ結果、会社の中の問題ではなく、業界の問題解決に取り組みたいと思ったんです。

奥谷氏:
今となってはなんですけど、同じ組織にずっといるのが合わないのかなというのが転職した理由ですね。いろんな組織にいた方が常に学ばなきゃいけないという気持ちが芽生えるので。あとは、アカデミックなことをやりながら仕事をしたいと思ったので、一橋大学大学院の博士課程に進みました。

本間氏:
前職では花王株式会社に在籍していました。僕はもう大企業じゃなくてもいいかなと思ったんですよ。やりたいことが小さい金額でできるような時代にもなってきました。風通しが良くて、同じ志を持ったチームが優秀なチームだと考えていて、その雰囲気も好きなんですよ。そういう人たちと仕事ができればいいと思って今はいろんなところで仕事をさせてもらっている、いわゆるパラレルキャリアです。

キャリアは予定調和的に進むものではない

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▲本間 充 氏

本間氏:
今日はキャリアと組織の話がテーマなんですけど、皆さんキャリアについていつから考えていました? 私はキャリアって予定調和的に進むものではないと思っています。3人とも40歳過ぎて転職していますしね(笑)。

菅氏:
僕自身は、キャリアをあんまり計算したことはありません。30代の頃は、組織が大好きでしたね。会社をどう良くしていこうかということを考える日々を送っていました。それが自然と、会社での役割、業界での役割、社会での役割と、視点が変化しています。最近は人との繋がりを大切にしたいという想いが強くなりました。自分には、金銭的な支援者もいれば、会社の理念に共感して応援してくれる仲間もいて、いつも刺激をくれる兄貴的なメンターもいます。今はそういう人たちに受けた恩をどのように次の人たちに繋げるかということを自分の役割として考えるようになりました。

奥谷氏:
僕の場合は、30代後半から組織の中でようやく社外を意識しながら仕事をするようになって、上のポジションにいくのも良いが、会社と社会を行き来するほうがあっているように思ってきたんですよ。それから5年の間隔でやりたいこととか、理想の生き方を考えるようになりました。ビジネススクールに通っていろんな人に会えるなとか、こんなキャリアを送ってそれを5年で辞めて……みたいな感じです。会社の外に出ると、いろんな人が居ていろんな生き方があった。だから残りの20年間は、5年ごとの自分を見て生きていこうと思いました。それで44歳でキャリアを変えたんですよ。