塚田氏は「お金を使う才能を持った人」

ferret:選択肢をどのように検討したのでしょうか。

阿部氏:選択肢だと、単独IPOは昔から選択肢の1つとしては見てましたし、投資家の中に融資してくれる方はいると思うんですよね。そういうのも全然ありだなと思っていました。

何年か前ですけど、著名な投資家さんにお会いする機会があって、その方に「資金を調達したいです」って話をしたことがあるんです。決算書を持って話してたんですけど、そしたらその方から「今はきついけど自分で頑張ってください。絶対うまくいくから」っていわれたんですよね。それがずっと頭に残ってるんです。

あと、僕は株が趣味なんです。20歳くらいからずっとやってるので、どういう株がどうなるっていうの何となく流れで分かるんですけど、アナグラムが単独で上場してもきつそうだなと感じていて。

じゃあ、どういう企業がいいのか僕なりに分析してました。資本主義と勝負していくっていうと、今だとSaaSのモデルだったり、テクノロジーを持っている会社、生み出せる会社じゃないでしょうか。

そうなれたら理想的だなと思って、うちも昔アプリを作ってたんです。半年くらい命かけて、数千万くらい費やしたんですけど、どうもうまくいかなくて。業界からは完璧だっていわれて絶賛されたんですけどね(笑)プロダクトは向いてないなってちょっと心が折れちゃいました。それで本業の広告代理事業に集中した方がいいって思っちゃったんです。

あと、クライアントを通して商売を見過ぎたっていうのも1つありますね。物販をやるにしても在庫やロジスティクス、利率とかをめっちゃ考えちゃうんです。僕の脳みそが他の事業に対して向かなくなっちゃったんです。

ferret:知りすぎちゃったんですね。

阿部氏:それを乗り越えるためにいろんな努力はしたんです。向き不向きに近いのかなって思ったとき、それがめちゃくちゃ得意な人に出会ったんです

ferret:それが塚田さんですね。

阿部氏:はい。素晴らしい方だなと思いました。

ferret:阿部さんから見た塚田さんの印象はいかがでしょうか?

阿部氏:noteでも書いたんですけど、僕にない強みでいったら「お金を使う才能を持った人」かな。作りたいものがどんどん出てくる人ですし、今回も一緒になったらこんなことやりたい、こんなもの作りたいよねって話をしている中で、結構作りたいっていうのも一緒になってて。

僕的には「きた!」というか。今までこういう話をしても分かってくれない人が多かったんです。近くの人に「こういうの作りたいんだよね」っていっても、うーんって。いってることは分からなくはないけど……、くらいの感じだったんですけど、塚田さんに僕こういうの作りたいと思ってるんですよね、いつかやらなきゃいけないと思ってるんです、っていうと、実はもう手掛けていたり、発想にはあって。まさかそんなことがあるなんて思ってもみなかったですね。

リンクアナグラムのフィードフォースグループジョインに関するメモ

理論上、完璧なパートナーはアナグラム

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ferret:塚田さんはアナグラムをどのように思われていましたか?

塚田氏:僕も前からアナグラムはいい会社だって思ってました。岡田さんからこの話を聞いたときに、本当にいい話だなって、「ぜひ前向きに検討させてください」って返事をしました。

ferret:アナグラムのグループジョインの決め手は何だったのでしょうか?

塚田氏:一番は阿部さんもいわれてましたけど、カルチャーが近いことは大前提でした。カルチャーが違う会社が一緒になる、グループになるって不幸なことだと思うんですよね、お互いにとって。いってしまえば、売上や利益だけを追いかける会社もあるわけじゃないですか。そういう会社とそうじゃない会社が一緒になると、すごく不幸になると思う。

やっぱりカルチャーが近くて、大事にしているものや目指している未来が似ているとか。そこは両社、本当に合いますよね、と。

その上で双方が持っているサービスのラインアップなどを見たときに、これはほぼほぼ被ってないんですよサービスも補完関係にあるし、アナグラムが今後やろうとしてることを聞いたときに、ここも僕らが今後やろうとしてることとは被ってない近いんですけど被ってないんです。

今後も両社で補完しながら、クライアントに対して広くサービスを提供できるっていうのはすごくいいなと思いました。あえて決め手といえばこのあたりですね。

ferret:カルチャーに考え方、向かう方向性、役割やサービスの補完関係。グループジョインの会社として完璧ではないでしょうか!

塚田氏:理論上は(笑)