今、このタイミングでなければ実現していなかった

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ferret:今回のアナグラムのグループジョインは、フィードフォースが上場していたからこそ実現したことだと思います。フィードフォースが上場企業のあり方を示したといえるのではないでしょうか。

塚田氏:上場で得た資金に関しては、使途はMAではなく今後の事業拡大としてのものです。とはいえ上場してるからこそ、銀行も融資してくれたっていうのはありますね。

ただ自分もラッキーというか恵まれてるなと思ったのが、アナグラムみたいないい会社とご縁があって一緒になりましたけど、上場会社に持ち込まれるMA案件って、いろんな事情で合意できないものが多いんです。本当にいい案件って出回らないと思うんですよね

阿部氏:MA業界あるあるですね。

ferret:お2人の話を伺って、さまざまなタイミングが合ったからこそ、今回のグループジョインが実現したのだと感じました。

阿部氏:最初にお会いした5、6年前だったら全く想像してなかったですし、3年前にこの話があってもお互いフェーズが違いましたね。「いやいや無理でしょ」ってお互いになってたと思います。

ferret:お2人が知り合いということはもちろん、フィードフォースは上場してますから情報を開示されてますし、アナグラムも考えや業務に関する発信を積極的に行っているからこそ、信頼に値する会社かどうか、客観的な視点からも分かったのではないでしょうか。

塚田氏:そうですね。あとは両社にうちの社外取締役の岡田が在籍していて、両社を知っていたっていうのも大きいですね。

阿部氏:彼が入ってる会社なら信頼ができるっていうのも僕はあります。本人が喜ぶかは分からないですけど、僕の中で彼は僕の「マスターヨーダ」なんですよ(笑)

仮に、起業家がジェダイだとすればダークサイドに堕ちる人ってやっぱいるじゃないですか。紙一重なんですよ本当に。僕もダークサイドに堕ちそうになったことが何回もあって。

そのときに彼が引っ張ってくれたんです。普段僕に意見するってほとんどないですし「いいと思うよ」しか基本はいわない。でもあるとき岡田さんが「阿部さんがこれやるなら俺辞めるよ」っていってくれたことがあって。滅多に怒らない人が怒ってる、みたいな。ということは本当にやばいんだって思いました。「光の道はこっちだ」って指し示してくれて、僕の中で「ありがとう」しかないんです

テクノロジー×サービス=新しい代理店の価値

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ferret:両社が一緒になることによって多くのシナジーが生まれると思います。今後、広告業界に対してどのような価値を発揮していくのでしょうか?

阿部氏:僕は、いわゆる広告代理店って第一世代、第二世代、第三世代ってあるかなと思ってます。第一世代は電通とか博報堂、第二世代はサイバーエージェント、オプト。第三世代として僕らが違う形を見せられないかなって。

新しいやり方、1つのあり方、それこそテクノロジーとサービスを合わせて、今までにない広告代理店の価値っていうのが出せるんじゃないかなと。そこはいけるんじゃないかなと正直思っているので、とりにいきたいなと個人的には思ってます。

ferret:新しい広告代理店の価値というのはクライアントと働き手、どちらにとってでしょうか?

阿部氏:もちろん両方です。今までの広告代理店のイメージって過酷なんですよね。別にそれが悪いとは僕は思わないんですけど、時代がそれを受け入れないフェーズに入ってきているので、時代にあったマネジメントやサービスがあって、その上に新しい広告代理店があるのかなと思っています。

アナグラムは属人性を伸ばすマネジメントなんですけど、昔よく「属人性を排除せよ」っていわれたんですよね。広告代理店は営業、運用、レポーティングって分業する会社が多いと思います。分業は二十世紀の発明の一つだっていわれてるので、それは全然いいと思うんですよね。でも時代に全然あってないんですよ。

それまでのマネジメントに対するアンチテーゼを唱えているのがうちの組織だと思います。その中で多少売上は上げることはできてきたので、組織が大きくなってもチャレンジをしたい。そして働いてるメンバーが誇りを持てる会社ではありたいなと思ってます。