イケア

イケアは2020年春、原宿に新しく誕生する大型複合施設「ウィズ ハラジュク」内に売らない店舗「都市型イケア」をオープンする予定です。イケアといえば郊外のイメージがありますが、原宿に誕生するのは日本初の都市型イケア。近年業績が伸び悩んでいるため、郊外大型店中心の展開から脱却する足掛かりとするようです。

海外ではすでにロンドンやニューヨークなどに都市型イケアが誕生していて、一般的な店舗面積よりも小さいのが特徴。というのも、その場で商品を持ち帰らないため、店舗内に在庫を抱える必要がないからです。「プランニング・スタジオ」をコンセプトに商談や家具の組み立て、デザインサービスなどを提供し、発注や配送予約を行っています。都市型イケアの拡大は、業績回復の一手となるかもしれません。

BOOSTER STUDIO

2019年秋に「新生渋谷PARCO」内にオープンしたクラウドファンディングのリアル店舗「BOOSTER STUDIO by CAMPFIRE」も、モノを売らない店舗です。クラウドファンディングのリアル店舗と聞いても何を提供しているのかイメージしにくいかもしれませんが、「日本初のクラウドファンディングとAIを活用した実証実験特化ショールーム」と定義されていて、CAMPFIRE社とパルコが共同運営するクラウドファンディング「BOOSTER」を通じて生まれたデジタル製品、テクノロジー、アイデアなどを展示する常設型ショールームストアです。

ネットとリアルを融合させた生活者参加型のPoC・テストマーケティングを行っており、AIを活用した店舗解析データ「ABEJA Insight for Retail」を導入して、お客に合わせた展示を提案します。データ上の一番効果的な訴求方法がわかるので、精度が高いマーケティング・販促が可能になります。

「売らない店舗」がリアル店舗の衰退を防ぐ

残念ながら「これからリアル店舗は衰退する」と言われています。そんな逆境の中で店舗が生き残っていくには、リアルとデジタルの融合は必要不可欠。体験に特化した「売らない店舗」を作り、ショールームとして活用して通販サイトの売り上げアップに生かすのは立派な生き残り戦略です。リアル店舗の売り上げに苦戦している企業こそ、売らない店舗の活用を検討してはいかがでしょうか?