オンライン学習を使った社会貢献

全国一斉休校の開始時期は、まだ春休みまでの授業日程が残っていたため、本来学校で教えるはずだった内容を家庭学習の課題にした学校も少なくありません。保護者は育児に加えて学習指導にも対応しなければならず、家庭への負担は大きいです。こうした状況を踏まえ、一部の教育関連企業がオンライン学習サービスの無料提供を開始しています。

ECC

英会話スクールとして知られるECCは、AI搭載の英会話アプリなど、自宅学習を支援するコンテンツを多数無料公開しています。

スマホアプリ「おもてなCityへようこそ!」は双方向対話型のAI 搭載英会話アプリで、通常300円のプレミアムプランが1ヶ月分無料で利用できます(無料での使用開始は2020年5月17日まで)。対象は小学生から大人まで幅広く、学生以外も学習可能です。

ほかにもアプリ「知ってる単語でこんなに話せる ECC 英会話」の10シリーズを無料公開し、英文発音チェック、クイズ形式などのコンテンツを提供したり、ECCジュニアでは英語以外にも算数や国語などのプリント教材も無料公開をしています(対象は幼児から小学生まで)。

子どもだけでなく、保護者など大人も利用できるサービスの無償提供は、お家で一緒に過ごす時間が増えた家族にとって、親子の新しい過ごし方の提案にもなっているのではないでしょうか。また、有料サービスの部分提供は、通常の「トライアル」としての役割も果たしているため、サービスを知ってもらうきっかけとなり今後に繋がる施策であると言えます。

参考:ECCではご自宅での学習を支援するためのコンテンツ(AI 搭載 英会話アプリなど)を無料公開します

かんき出版

3月9日から31日まで、学習参考書45タイトルを無料公開しているかんき出版。対象の学習参考書は小学生から高校生向けと幅広く、4月の進級前の復習として適した内容のものも多く揃っています。人気タイトルを中心に公開しており、シリーズ累計70万部を突破した「1冊でしっかりわかる」シリーズから英検・TOEIC®対策本なども。子どもの学習だけでなく、大人の学び直しにも活用できる参考書は、家族みんなで取り組める本だと言えます。

「1回読んで終わり」ではなく比較的長い期間使用する学習参考書は、選ぶのも時間がかかりがちです。今回のような無料公開支援を良い機会として捉え、実際に使ってみることで、消費者にとってはより自分に合った学習参考書に出会えるチャンスと言えるでしょう。企業にとっても、「使いやすいな」「わかりやすい」と感じてもらうことで、無料公開後の継続利用にも繋がる可能性があります。

参考:かんき出版の人気学習参考書を期間限定で無料公開!シリーズ累計70万部突破の「1冊でしっかりわかる」シリーズも!

子ども向けコンテンツの社会貢献

実用的な飲食・教育サービスはもちろんですが、春休みシーズンということもあり、外出ができないときの娯楽も必要。そこで、マンガやアニメなど、自宅で楽しめる子ども向けコンテンツが多く無料公開されました。

集英社

集英社は、マンガアプリ「ジャンプ+」と総合電子書店「ゼブラック」内限定で、「週刊少年ジャンプ」「ジャンプSQ.」を一部無料公開しました。人気マンガ「ONE PIECE」(1~61巻)、「ハイキュー!」(1~28巻)などが4月20日まで読めます。少年マンガ誌に限らず、少女マンガ誌「りぼん」「別冊マーガレット」なども「マーガレットBOOKストア!」で公開されています。

さらに、YouTube公式チャンネル「ジャンプチャンネル」では、4月19日まで「ONE PIECE」や「ドラゴンボールZ」など週刊少年ジャンプのアニメ30タイトルの200話以上を公開し、マンガだけでなくアニメコンテンツも無料で提供しました。

親子で楽しめるマンガやアニメも多く、コミュニケーションのきっかけづくりにも貢献していると言えます。企業としても、自社コンテンツに触れてもらうことで、続編コンテンツの購入や新規顧客増加に寄与するでしょう。

参考:週刊少年ジャンプ、デジタル版を無料公開 外出困難な読者向けに
<<週刊少年ジャンプ>YouTubeでアニメ無料公開 「ONE PIECE」「ドラゴンボールZ」「鬼滅の刃」「幽☆遊☆白書」…人気作続々
『ワンピース』漫画1~61巻が期間限定で無料配信中。どこで読める?【4/20まで延長】