iPhoneの「Siri」やAndroidの「Google Assistant」など音声検索の利用が増加しています。企業のWeb担当者は、SEO対策だけではなく、音声検索の最適化である音声検索対策(VSO)にも取り組まなければいけません。しかし、Search ConsoleやGoogleアナリティクスを使っても、音声検索の分析ができる機能はまだ搭載されていません。このため、どのようにキーワードを予測すればいいのかお困りの方もいるでしょう。

そこで、今回は音声検索の対策として、ユーザーが利用するキーワードの予測方法をテーマにしました。考え方がわかれば難しいことではありません。音声検索のキーワードを想定して選ばれるコンテンツを作成しましょう。

音声検索の場合もユーザーの意図を考える

音声検索とテキスト検索の違いは、検索時に声を出すのかテキストを入力するのかの違いであり、ユーザーの検索意図は変わりません。つまり、音声検索においても、キーワードを考える上ではユーザーが何を目的として検索を行うのかを明確にする必要があります。

もし、ユーザーの検索意図がよくわからないという状況なら、テキスト検索によるものであっても、これまでの検索クエリがヒントになるでしょう。また、過去の問い合わせなどもヒントのひとつです。自社に蓄積された様々なデータから、ユーザーが自社の何を求めて検索を行い、自社のホームページにたどり着くのかを読み解くことができます。

音声検索をするシチュエーションを想像する

検索意図を想定できたら、次に考えるべきことは、ユーザーがどのようなときに音声検索を行うかです。シチュエーションに関しては、テキスト検索と音声検索は異なることが多いでしょう。まず、音声検索の利点を考えてみます。音声検索はテキスト入力をせず、使うのは言葉です。つまり、ハンズフリーの状態が可能ということになります。この点が、テキスト検索とのシチュエーションに大きな違いが生じるポイントです。

以下にシチュエーションを3つ想定してみました。例を参考に自社の店舗、サービス、商品などを音声で検索する状況を考えてみてください。

例1:ドライブのとき

ドライブをしているときに、目的地周辺のレストランを調べるということはよくあるでしょう。レストランに限らず、コンビニやガソリンスタンドなども音声検索により気軽に調べられる可能性があります。出かけているときに、店舗や施設を調べるシチュエーションは多くの人が最初に思いつくことでしょう。

例2:料理をしているとき

料理をしているときなど、手が濡れていたり、衛生上スマートフォンを触りたくなかったりするときに音声検索が利用されます。レシピを知りたいという目的もあるでしょう。アサリの砂抜きの方法かもしれません。料理の他にも掃除など水仕事をしているときの検索もあり得ます。

例3:テキスト入力が困難なとき

日本は高齢化社会です。シニア層のスマートフォンユーザーが音声検索を行っているシーンは日常でもみかけます。外出時に老眼鏡を持っていないことや、入力に時間がかかってしまうので音声で検索するということが理由です。前述した2つの例が、手が塞がっているから音声を使うという理由でしたが、この例はまったく異なります。しかし、シニア層の音声検索は、様々なシチュエーションで行われると思ってよいでしょう。

固有名詞を絞り込む

ユーザーがどのようなシチュエーションで音声検索を行うのかイメージしたところで、使用するキーワードをイメージしてみましょう。必ず使う固有名詞を明確にすることが大切です。次に挙げる「地域名」や「サービスジャンル 」、「商品名」などを組み合わせて使うシーンをイメージしましょう。

地域名

ドライブに行ったときに、レストランを調べるとしたら、「軽井沢」や「熱海」など場所が一つのキーワードになります。地域(エリア)名は、検索において重要な役割を果たします。「地域名」に何かのキーワードを加えて検索するケースが多いのです。また、このようなローカル検索において選ばれやすくなるように、Googleマイビジネスに登録して、ローカルパックに店舗や施設が表示されるように準備しておきましょう。

サービスジャンル

店舗や施設を探すなら、コンビニ、スーパー、ガソリンスタンド、レストランなどのサービスジャンルもキーワードとして外せないキーワードです。これはテキスト検索と同じように考えましょう。また、具体的であることもポイントですので、レストランという広すぎる言い方ではなく、イタリアンレストランなど実際に検索に使いそうな表現が大切です。

商品名および商品カテゴリー

商品名を検索キーワードにする場合もあるでしょう。また、ユーザーの中には自社の商品名やブランド名などを使って探す人もいます。オレンジジュースやヨーグルトという言い方などブランド名を使わず、各社に当てはまる言い方をする人もいるでしょう。様々な言い方を想定してキーワードを想定しておかなければいけません。