インターネットの普及により、検索はいまや情報収集のスタンダードとも言える方法です。これまではテキストによる検索が一般的でしたが、最近はIoT家電やスマートフォンのAIアシスタントによって、音声検索が身近なものになりつつあります。このような背景の中で、SEO対策に力を入れていた企業は、音声検索の対策であるVSO対策(Voice Search Optimization)に注目しているのです。

そこで今回は、VSO対策の重要な施策であるローカルSEOについて解説します。これからVSO対策に取り組もうとしているWeb担当者は、この記事をご覧いただければ具体的な対策を把握できます。

VSO(音声検索対策)でなぜローカルSEOが重要なのか

音声検索がどのようなシーンで利用されるか考えてみましょう。テキスト検索と異なり、ハンズフリーで実行できる音声検索は、何か別のことをしながら検索ができるのです。ドライブの途中で近くのコンビニを探すことや、旅行中にランチを食べられるお店を探すこともあるでしょう。このように音声検索が行われた場合に、自分のお店を知ってもらえるのがベストです。検索という強い動機を伴う行為の結果、お店の情報が伝われば、集客につながる期待ができます。そのために、ローカルSEOが重要となるのです。

音声検索を知っていても、前述したような利用シーンを想定して、ローカルSEOの重要性を認識している人は少ないかもしれません。店舗や施設など、音声検索により探される可能性がある場合は、多くの競合が取り組みはじめる前にローカルSEOを進めるべきでしょう。

ローカルSEO対策

ローカルSEO対策とは、「地域名+キーワード」など、地域の影響を受けやすいキーワードによる検索に対して、検索結果の上位にページが表示されるように取り組む施策のことです。例えば、「新宿 焼肉」という検索を行えば、ローカル検索の結果として、新宿にある焼肉店のGoogleマップと店舗情報が表示されます。これらの検索結果はローカルパックと呼ばれることもあります。また、横浜で「焼肉」と検索すれば、Googleのアルゴリズムにより、現在地である横浜の焼肉店のGoogleマップと店舗情報が表示されるのです。しかし、ローカル検索の結果は3つしか表示されません。「さらに表示」を押さなければ、それ以上多くの店舗や施設は表示されないため、最初に検索結果に表示される3つに含まれることが大変重要だと言えます。そのために、ローカルSEO対策を行わなければいけないのです。

参考:ローカルSEOの対策法5種!Googleマップ上位表示で競合に差をつける|中古ドメイン販売の「アクセス中古ドメイン」

さて、ここからローカルSEOを実施するには、具体的にどのような対策が必要なのか紹介します。

Googleマイビジネスへの登録が必要

ローカルSEOを行う上で最初のステップになるのが、Googleマイビジネスへの登録です。ローカル検索の結果に店舗や施設の情報を表示させるには、Googleマイビジネスに登録していることが前提条件になります。Googleマイビジネスの登録は無料ですので、ローカルSEOを狙いたい店舗があるなら、まずは登録しておきましょう。

Googleマイビジネスに登録できる店舗は、営業時間に顧客の直接対応ができることが条件とされています。例えば、インテリアショップや不動産屋、飲食店、リサイクルショップなどです。簡単に言うと、実店舗が存在する必要があり、ネット通販ショップは対象になりません。モデルハウスや別荘などの賃貸や販売の対象となる物件も対象外です。登録には、ビジネスオーナーへの確認がありますので、それに対応できる必要があります。Googleから送られてきたビジネスオーナーのハガキを受け取れるように住所を記載しなければいけません。

参考:Googleマイビジネスとは?メリットや登録・オーナー確認方法まとめ|Enazeal Engineer BLOG

Googleマイビジネスに最新の詳細情報を入れる

Googleマイビジネスには、常に最新の情報を登録するようにしましょう。登録できる情報は、店舗名、業種、住所、電話番号、営業日時やWebサイトURLなどです。ローカルパックとして、検索ユーザーに伝わるものですので、必ず設定しましょう。

特に店舗の休業日や営業時間に関する情報は重要です。せっかくローカルSEOの成果によって顧客が店舗に足を運んでも、古い情報の営業時間に訪れてしまい店舗が閉まっていたら機会損失になってしまいます。それどころか、悪い口コミを書かれてしまうかもしれません。営業時間や定休日に関しては、Googleのクローリングによって書き換えられてしまうこともありえるので、特に注意が必要です。

試しにローカルパックとして表示される情報を確認してみましょう。スマートフォンで近くのエリアの焼肉店を検索すると、店舗名、レビュー、住所、営業開始時間が表示されます。ユーザーが店舗に入れるように正しく登録しましょう。

参考:【ローカルSEO】とは?始める際に必要な準備と成果を出す方法をご紹介|シナジーマーケティング株式会社

ユーザーとコミュニケーションをとる

Googleは、検索エンジンとしてユーザーが必要とする情報を提供しようとしています。そのため、客観性のある評価が高いことを重視するでしょう。Googleマイビジネスを見ると、ユーザーからの評価がわかります。口コミの数や内容は大切であり、Googleマイビジネスに蓄積したいものです。しかし、ユーザーに店舗や施設を評価してもらうことは、ご存知のように簡単ではありません。口コミを得るためにはユーザーとのコミュニケーションが大切になります。

Googleは「知名度」も上位表示の評価に含めているため、多くの人が店舗を知っているとわかる履歴を残るようにしたいところです。口コミがほしいのはもちろんですが、ユーザーとのコミュニケーションによる信頼の構築は、ロイヤルカスタマー化においても重要でしょう。Web上でも、実店舗での接客も、十分なコミュニケーションが大切ということに変わりありません。

写真掲載

写真の投稿も定期的に行うべきです。多くの写真を追加することで、ユーザーとの接点が増えエンゲージメントが高まるでしょう。多くのユーザーに見られる機会が増えるのはローカルSEOにとって大切です。店舗のことを一目でたくさん伝えられるのは、テキストよりも画像ですので、画像を有効に利用しユーザーからの関心を集めましょう。

写真の中でも、店舗の外観には配慮するべきです。ユーザーがはじめて店舗に訪れる際、店舗の外観写真を参考に実店舗を探すでしょう。ローカルSEOというよりユーザーへの配慮ですが、店舗の外観写真は常に最新にしておくことは、ユーザーにとってわかりやすいものです。

NAP情報の統一

NAPとは、「Name」「 Address」「Phone」の頭文字を取ったものです。店舗や施設の名称・住所・電話番号を指し、これらには統一性が求められます。それは、Googleが保持しているNAP情報とユーザーの位置情報が、ローカル検索の結果表示に関係しているからです。つまり、NAP情報が統一されず、バラバラな状態であると、Googleが自社の店舗をユーザーに表示してくれない恐れがあります。NAP情報が統一されていないと、ユーザーにとっても紛らわしい状態です。Googleマイビジネスに登録している情報と、オフィシャルサイトに掲載している情報などを必ずチェックしておきましょう。自社が管理していないページでもNAP情報は統一されるべきですので、修正してもらえるように試みるべきです。

参考:ローカルSEOを強化!「NAP」を統一する際の3つのポイント|ウェブラボのスタッフブログ