皆さんは「NoCode(ノーコード)」「LowCode(ローコード)」をご存知でしょうか?

多くの方に利用されているメッセージアプリ「LINE」では、外部ECサイトや他のアプリ経由、アカウント登録などが必要なく、LINEアプリ上で注文や日時予約を完結させることができます。

このような便利な機能を開発するには専門的なプログラミング知識や経験が必要なことから、導入を見送っている企業様もいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、「NoCode(ノーコード)」や「LowCode(ローコード)」と呼ばれる開発手法を用いることで、ITエンジニアでない方や開発経験のない方でも、アプリ開発や機能追加など、一からプログラミングをすることなく、短時間で開発することができます。

本記事では近年注目が高まっているこれらの新しいアプリ開発手法と、その開発事例について詳しく紹介します。

NoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)は新しい開発手法

NoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)は様々なツールやサービスを組み合わせて利用することで、一部をコーディングする、あるいは全くコーディングすることなくプログラム開発することができる新しい開発手法です。まずはノーコードとローコードそれぞれの概要を紹介します。

NoCode(ノーコード)とは

NoCode(ノーコード)とは、既存のツールやサービスを組み合わせて連携させることにより、プログラムコードを記述することなく開発する手法です。

例として、民泊などの短期的な物件賃貸の予約状況を自動で管理するツールをノーコードによって構築するケースを見てみましょう。複数サービスを連携するタスクを自動化できるZapierを用いることで、設定したキーワードに基づいて受信した予約メールはWebデータベースのAirtableに転送されます。Airtableはメール文を自動で解析し、予約情報をカード型タスク管理システムTrelloに追加。Trelloでは予約に関する情報が記載された予約カードが、時間の経過に合わせて自動的にリストを移動するという仕組みを構築することができます。

また、Airtableに予約情報が記録される度に、自動的に収支情報をGoogleスプレッドシートに転送したり、Googleカレンダーに施設メンテナンスのスケジューリングをしたりすることも可能です。

LowCode(ローコード)とは

LowCode(ローコード)とは、「ローコードプラットフォーム」と呼ばれる、最小限のコーディングでアプリを開発できるツールを用いることで、用途やニーズに合ったアプリを開発する手法です。ローコードプラットフォームは、視覚的な開発環境を備えているため、アプリを動かすためのロジックをクリックやドラッグアンドドロップ操作で組み立てることができます。

ノーコードが既存サービスを組み合わせて目的の機能を実現するのに対し、ローコードはあくまでも自分でプログラムを設計するため、より細かいニーズに合った開発ができます。既存のアプリに追加したい機能がある場合には、ローコードでプログラムの大枠を作り、部分的にコードを追加しカスタマイズすることで、短時間かつ低コストで理想のアプリを開発することができます。

なぜNoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)が注目されているのか?

ノーコード/ローコードというプログラミングコードを1から書く必要のない新たな開発手法が確立したことで、これまでにない早さで開発し、市場へ提供できるようになると考えられています。

今日ではビジネス用カスタムアプリの需要がますます高まっており、従来の開発スピードではニーズを満たすことが難しくなっています。この課題を解決できる手段のひとつとして、提供速度の速いノーコード/ローコードが注目を集めているのです。

NoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)にはどんなメリットがある?

難しいコーディングを必要としないノーコード/ローコードは、これまでのアプリ開発にはない新たな可能性を秘めています。ここではノーコード/ローコードの持つメリットを1つずつ詳しく見ていきましょう。

プログラミング知識が必要ない

ノーコード/ローコードでアプリを作るのであれば、1からコーディングを行うためのプログラミング知識は必要ありません。これまでのプログラミング学習を前提としたアプリ開発から、参入ハードルが大きく下がることでより多くの人がアプリ開発に参加することができるようになります。

例えば、IT部門の人材ではない各事業部で働く人たちが、自分でふだんの業務課題を解決できるシステムを開発すること、新しいシステムやサービスの素晴らしいアイデアを持っている人が、プログラミング経験がなくても、そのアイデアを実現できるようになります。

開発コストを削減できる

ノーコード/ローコードでは、アプリ開発において多くの時間と労力を必要とするコーディング作業の大部分を省略できるため、開発にかかるコストを削減することができます。

先程紹介した民泊の予約管理システムをノーコードで開発したケースでは、同様のシステムをソフトウェア開発企業に外注した場合に35,000ドルかかるという見積もりが出されたものの、自社開発することにより、利用中の全サービス料金を合計した月額わずか199.5ドルとなったそうです。

また、これまでの水準のプログラミング知識を持たない人でも開発に参加できるため、より多くの人がエンジニアとして働けるようになりますし、自社内でITエンジニアを育成するのにかかるコストを減らすこともできるようになるでしょう。これによりアイデアを持った経営者と、少数のエンジニアだけからなるスタートアップを立ち上げることが容易になると考えられます。

開発期間を短縮できる

ノーコード/ローコードの開発では手書きのコーディングにかかる時間がないため、アプリやサービスの発案から開発・リリースまでの期間を大幅に短縮することができます。Capgeminiの分析では、Javaでは10.6時間、C#では15.5時間の開発時間を要する機能を、開発プラットフォームMendixのモデル駆動型開発では2.5時間で作成することができると導き出されています。

多様化・細分化したニーズに応え、乱立する新規参入企業の中で生き残るためには、よりスピーディーな開発が要求されます。新たなビジネスアイデアの速度に対応することで、ビジネスとシームレスに一体化したシステム開発を可能にするノーコード/ローコードという手法が今後大きな意味を持つことになるのは言うまでもないでしょう。

【事例2選】NoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)ツールの開発事例

ここでNoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)ツールを用いて、ビジネス用のシステムを開発した事例を2件紹介します。

接客自動化と進捗管理

メッセージアプリLINE上にさまざまな機能を追加することができるノーコードプラットフォームanybot(エニーボット)」を利用することで、LINEチャットを用いた接客を自動化して、担当者の進捗管理を行うことができます。

企業のLINE公式アカウントが、ユーザー1人1人とチャットでやりとりをして時間を問わずに顧客対応したり、予約管理をしたりできる「LINEチャット(旧LINE@1:1トーク)」はLINEが公式にサポートしている機能ですが、anybot(エニーボット)を使えばさらに便利なシステムとして運用できるようになります。

例えば、自動車のディーラーの場合、LINEチャット上で動作するチャットボットを作成することで、顧客からの事前相談を自動化して効率的に対応できます。もちろん複雑な質問には、担当者が自由入力するテキストチャットで対応することや、スタンプや画像を送信することも可能です。

また、チャット対応した営業担当者やサポート担当者は顧客と自動で紐づけされ、各種業務の進捗管理も行うことができます。ほかにも現在対応している顧客について、ほかの担当者にコメントで質問する機能なども備えているため、チャット共有システムやメール共有システムを併用しないとできないような業務の効率化をLINEだけで実施することができます。

顧客データを自動で保存するCRMと自動セグメント

anybot(エニーボット)CRMシステムを構築すれば、イベント参加者などの顧客データを自動で保存・管理し、ニーズや属性に応じて自動でセグメンテーションすることができます。

例えば、大学のオープンキャンパスを開催する際にanybot(エニーボット)で構築したLINE上のシステムを使うことで各種業務をまとめて効率化できます。オープンキャンパスの事前予約は、LINEのチャットから1タップで簡単に申し込んでもらうことができ、メッセージの開封率などから志望度を測るなどの参加者管理や、参加者に向けたリマインドや案内メッセージの送信もひとつのシステムで行うことが可能です。

オープンキャンパス当日は、パンフレットなどのQRコードを学生に読み込んでもらうことで、チェックイン処理をスムーズに行い、同時に参加状況もデータ化することができます。

イベント後はLINE上でアンケートを実施し、収集した各学部の志望数や希望の進路といった情報を基に参加者を自動でセグメンテーション。自動で導き出される分析結果を用いることで、費用と手間を省きながらも大学の最適なブランディングが可能になります。

NoCodeツール「anybot」でできること

ノーコードツール「anybot(エニーボット)」を使えば上記の事例のほかにも、機能豊富なECカートと決済サービスや、既存の各種サービスをつなぐAPI連携といった、ビジネスで役立つ多種多様な機能をコーディングの作業をせずにLINEやFacebookMessenger、Webサイトなどの上に追加することができます。

すでに多くのユーザーに愛用されているメッセージアプリ上で動作する機能であれば、機能を利用するためにユーザーに新たにアプリをインストールしてもらう必要も、アカウントを作成してもらう必要もありません。つまり面倒なステップや、セキュリティ上のリスクへの懸念からユーザーが離脱してしまうのを防げるメリットがあるということです。

また、anybot(エニーボット)のグラフィカルなインターフェイスを用いれば、クリック操作で簡単に各種機能を実装することができます。機能を追加した後も機能とその他サービスとの連携や、データの分析、担当者管理といった機能それぞれの操作もすべてanybot(エニーボット)の管理画面からまとめて行えるためスマートな運用が可能です。

anybot(エニーボット)で作成できるLINE機能は、コーディングなしで作成できるものでありながら、他のチャットボットとの差別化に役立つリッチなデザインを実現することができます。例えば、チャットボットには「リッチメニュー」と呼ばれるタイル状の画像で構成される大きなメニューを表示することも可能です。ユーザーが直感的に操作できるようなメニューをデザインすれば、予約やサイトへの誘導などをスムーズに促すことができるでしょう。

LINEチャットでは、「イメージマップメッセージ」という複数のタップ可能エリアを設定した画像をメッセージとして送信することもできます。イメージマップにはWebサイトのように視覚的に情報を届けたり、地図の画像上でエリアをタップしてもらう形式でアンケートを実施したりと、さまざまな使い道があります。anybot(エニーボット)を使えば、ユーザーセグメンテーションに応じてメニューやイメージマップの内容やデザインを変化させることもできます。

さらに、anybot(エニーボット)はリリースされたスマートフォン向けのアプリからも各種機能が操作できるようになり、スマートフォンだけでWeb予約の追加や確認をすることも可能となりました。その他にもPC版anybot(エニーボット)では、あらかじめ作成しておいたセグメントごとに異なる内容のクーポンを一斉送信することができるなど、より利便性が高まっています。

速いスピードでアプリを開発・提供できる

新たに登場したNoCode/LowCode(ノーコード/ローコード)ツールを用いることで、これまでにない速度でビジネスに求められるアプリを開発・提供することができます。また、高度なプログラミングの知識を持たない人が開発に参加できるようになることもあり、プログラムコードを書くためにかけていた時間を、課題を解決するための新しいアイデアを考える時間に使えるようになるでしょう。