これから新たなビジネスや商品・サービスを企画していく上で、しっかりと認識しておきたいのがアフターコロナ/withコロナの生活スタイルです。生活様式の変化に伴い、生まれてきたり改めて見つめ直されたりしている新たなビジネスは何か、を紐解くと、これからマーケターが何を重視して施策を打っていくべきかのヒントがたくさん見つかります。改めて、今後のビジネスの方向性を探る意味でも、アフターコロナに注目の新ビジネスをチェックしてみましょう。

アフターコロナに生まれた新しいビジネス形態たち

リモート医療

「在宅介護者の診療などに活かせるのでは?」とこれまでも注目はされていたリモートで診療や医療相談、服薬相談などができるリモート医療。コロナ感染のリスクを減らすための方法として認知され、医療従事者不足の解決策としても期待されています。

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画像出典:LEBER(リーバー) | いつでもどこでも医師と相談ができるアプリ

例えば、365日24時間、いつでも医師に医療相談できるスマートフォンアプリとしてリリースされた「LEBER(リーバー)」は、App Storeにて6月6〜7日の2日間、iPhone無料アプリ・ランキングのトップに躍り出ています。

また、生活習慣病やてんかん、糖尿病・透析予防指導など特定の診療において、オンライン診療は保険適用になっており、今年の新型コロナウイルス流行後、厚労省は対象疾患範囲を拡大。さらに、リモート診療の導入も今まで以上にスピーディにできるよう、制度改正されています。

5G時代を目前に控え、診察の予約や支払い、処方、服薬指導までリモートで完結できるリモート医療は、これからもますます普及していくことが予想されます。

参考:
PR TIMES「医療相談アプリ「LEBER」が App Storeのメディカル部門ランキングでトップに」

オンライン診療が20年度診療報酬改定で要件緩和─新型コロナ感染拡大で高まるニーズ

オンラインフィットネス

外出自粛や在宅ワークなどにより、巣ごもり消費に注目が集まると同時に、今ニーズが高まっているのがオンラインフィットネスサービスです。

緊急事態宣言が解除され、フィットネスジムやヨガスタジオなども営業がスタートしていますが、「感染リスクが高いのでは?」と敬遠する消費者も一定数いることが予想されます。また、在宅ワークの合間のちょっとしたリフレッシュに、活用したいというニーズもあるのではないでしょうか?

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画像出典:第一生命経済研究所「“コロナ禍”としての運動不足」

現に、第一生命経済研究所が男女 1,000 人を対象に行ったインターネット調査「新型コロナウイルスによる生活と意識の変化に関する調査」では、新型コロナウイルス流行拡大により、ジムやスポーツクラブでの運動の機会は減っている一方、自宅で運動する機会が増えている傾向にあります。

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画像出典:KOHRIMAN公式サイト

こうした変化を受けて、スポーツジムやヨガサロンでは、法人・個人問わず、多くの事業者がオンラインフィットネスサービスをスタート。今や戦国時代とも言える様相を呈しています。

参考:
運動不足で「自宅フィットネス」に高まる期待

オンラインヨガ・フィットネス「SOELU」公式サイト

オンライン商談会

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画像出典:コロナの影響で中止になった展示会などの機会損失をサポート。バイヤーとサプライヤーを繋げる新しいマッチングの場、「オンライン商談会」をフックとした コミュニティサービスを開始! | | 株式会社ビヨンド | BEYOND

アフターコロナは、たくさんの人が集まるイベントを通じてのプロモーション活動や、販路開拓は今までよりも難しくなることが予想されます。そんな中で登場しているのが、オンライン商談会です。

株式会社BEYONDでは、農業生産者とバイヤーらをマッチングするオンライン商談サービスをスタート。ときには産地にバイヤーが足を運ぶこともあったこれまでの食の流通現場でも、オンライン化の波が始まっています。

オンライン学習サービス 

教育現場でも、オンライン学習のニーズがますます高まっています。
東京都など一部の自治体では、独自のオンライン学習システムの普及に向けてコロナ以前から動き出していましたが、コロナの拡大によりその動きは加速。国は、2020年度中に全国の小中学校で学習用端末「1人1台」となる環境を整えるべく、調査研究費として1億円を2020年度補正予算に計上しています。

東京都では、国の取り組みよりも一足早く、都立学校にオンライン学習を導入する「TOKYOスマート・スクール・プロジェクト」を前倒しで実施。日本マイクロソフト株式会社のシステムを活用した、オンライン学習システム構築に向けて動き出しています。

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画像出典:文部科学省「新型コロナウイルス感染症対策のための学校の臨時休業に関連した公立学校における学習指導等の取組状況について(令和2年4月16日時点)」

しかしながら、現時点でオンライン学習の取り組みは、学校現場ではなかなか普及していないのが現状です。文部科学省が臨時休校期間中の学習指導の取り組み状況について行った調査では、同時双方向型のオンライン指導ができていたのは全体のわずか5%。デジタル教材の活用もわずか29%にとどまっています。

こうした現状は、逆に言えばオンライン学習関連ビジネスの“伸び代”と言えるかもしれません。
今後各家庭の環境整備などが進めば、オンライン学習など教育関連のオンラインサービスは、より一層普及していくことでしょう。

参考:
読売新聞オンライン「【独自】オンライン学習、国が開発へ…作問から成績評価までの活用目指す」

東京都「都立学校における学習支援サービスを活用したオンライン学習の取組について」