Instagramから派生した動画特化アプリ「IGTV」は、2018年6月にリリースされてから2年が経過しました。しばらく鳴かず飛ばずの期間が続きましたが、2020年4月頃からIGTVへの注目度が高まっています。新型コロナウイルスの影響による巣ごもり生活が始まり、動画の需要が高まっていたことも相まって、動画アプリとしてメジャーになったのです。

参考:いま再評価されはじめた、インスタグラムの「 IGTV 」

さらにIGTVは、広告メニューの実装も予定されています。広告が実装されれば今まで未参入だった企業も一気に参入してくるでしょう。

参考:インスタグラム 、 IGTV 広告のテストを開始:インフルエンサーの開発参加も視野に

さまざまなクリエイターが長時間の動画(最長60分)を投稿できるため、「インスタ版YouTube」とも言えるIGTV。

今回は再注目を浴びているIGTVへの動画投稿のポイントを解説します。さらに企業のIGTV活用事例も紹介するので、これから動画を使ったプロモーションを考えている方は参考にしてみてください。

IGTV投稿のポイント

IGTVはYouTubeのような横長動画とは違い、どちらかといえばTikTokに近い性質を持っています。まずはIGTV投稿のポイントを押さえておきましょう。

縦長動画を投稿する

IGTVに横長動画を投稿できないわけではないのですが、スマホを横向きにしての視聴ができないため、画面が小さく見づらくなってしまいます。

視聴者のユーザビリティを考えると、スマホの画面に合わせた縦長動画を投稿するのがいいでしょう。

アスペクト比でいえば1080×1920、9:16です。しかし機種によっては拡大されてしまい、端の方にある文字やロゴが見切れてしまう場合もあります。

新たな活用法が拡大!?

IGTVでは最長60分までの動画を投稿できます。通常のInstagram投稿では1分までです。

今まで1分以上の投稿ができなかったため、新たな活用法が拡大しそうです。

初めて投稿する際は、30分以内のあまり長すぎない動画で、最初の数秒にインパクトを持ってくる工夫をするといいでしょう。また、タイトルや詳細説明、カバー写真も設定できるため、視聴者の興味をそそるような設定をしましょう。

カテゴリー分けをする

IGTVでは「シリーズ」と呼ばれる機能がありますが、これはいわゆるカテゴリー分けです。

動画の投稿数が多くなると、IGTVのホーム画面から目的の動画を探すのは大変です。それぞれの動画をシリーズごとに割り振ればユーザビリティも上がります。

シリーズは動画の投稿時はもちろん、投稿後でも「編集」から設定し直せます。

企業のIGTV活用事例

IGTVを積極的に活用し、動画を使ったアプローチをしている企業が増えてきました。ここでは企業のIGTV活用事例を紹介します。

クラシル

画像引用:kurashiru (クラシル)(@kurashiru) • Instagram写真と動画

動画ですので、やはり料理系アカウントは強いです。クラシルでは通常のInstagram投稿でもお料理動画をアップしていますが、さらにIGTVでは人気のある料理やレシピを厳選して投稿しています。

実はInstagramの動画投稿は目的のシーンまで早送りや早戻し、一時停止ができません。IGTVではこの問題を解決できるため、料理中に一時停止したり、前の手順まで戻ったりとユーザーのニーズを満たせます。

JAL

画像引用:Japan Airlines(@japanairlines_jal) • Instagram写真と動画

IGTVを活用している航空会社が少ない中、JALは2020年4月より「#今できること」というハッシュタグを使った動画投稿をしています。

新型コロナウイルスの影響でキャンセルが相次いだ旅行業界ですが、JALはそんな旅行業界をはじめ、一般の消費者に向けて自分たちが今できることを発信しているのです。

動画の中には手洗い・うがいを推奨する内容やマスク着用、消毒などを徹底している様子などが出てくるほか「前向きに」といった応援メッセージも伝えられています。

Dior

画像引用:Dior Official(@dior) • Instagram写真と動画
DiorではIGTVを宣伝ではなくブランドイメージの形成に役立てています。最大で1分しか投稿できないInstagramに代わり、2分〜5分の尺を使って、字幕や音声も入れたイメージ動画を投稿。

中には30分を超える動画がありますが、こちらはInstagramのライブ配信をIGTVにシェアしたもの。今まで24時間しか残せませんでしたが、IGTVに投稿することで無期限に残せるようになりました。

ピーチ・ジョン

画像引用:PEACH JOHN / ピーチ・ジョン(@peachjohn_official) • Instagram写真と動画
インナー・ルームウェアブランドのPEACH JOHNでは、Instagramのライブ配信の動画を中心にIGTVに投稿しています。

Instagramのライブ配信も最大60分配信できますが、PEACH JOHNの動画はどれも10分以内という短さで、スキマ時間に見られるような工夫がされています。長くなる場合にはあえて5分〜10分ごとに分割するという工夫も。

Instagramのライブ配信では商品紹介の他、ルームウェアを着たスタッフの座談会などアイデアにも溢れており、アパレルブランドは参考にできそうです。

PUMA

画像引用:PUMA(@puma)はInstagramを利用しています

PUMAではヨガやワークアウト動画を投稿するという、スポーツブランドらしいIGTVの活用をしています。

2020年5月に投稿された4つの動画では人気モデルやレーシングドライバーをInstagramのライブ配信に招き、トークやヨガをしている様子をアップロードしました。

インフルエンサーに動画出演を依頼するというより、インフルエンサーとのコラボレーションをする方が、インフルエンサー側のフォロワーにリーチできます。ライブ動画をIGTVに投稿すれば動画コンテンツとしても残せます。

今後の期待が高まるIGTV

今までマイナーな存在だったIGTVが時代の大きな転換期に来て、メジャーな存在となりました。動画需要が高まる中で、大手のYouTube、新しい風を巻き起こしたTikTokに続き、IGTVがどんな立ち位置になるのか、これから注目していきたいところです。

今ならIGTV上の競合はそれほど多くありません。Instagramのアカウントと連携し、IGTVからもInstagramの投稿が見られるという点も魅力的です。

IGTVが気になっている人はまずは動画を1本投稿してみて、フォロワーの反応を見てみるのもいいでしょう。

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