ギグワーカーの側と発注側のメリット

ギグワーカーが増加している背景には、新型コロナウイルスの流行による雇用環境の悪化や在宅ワークの普及などが挙げられます。ギグワークのメリットを、働く側と発注側の側面から見てみましょう。

ギグワーカー側のメリット

ギグワークをする側から考えると、働き方として次のようなメリットが考えられます。

1つ目は、隙間時間や好きな時間を使って働けること。そして、会社やオフィスに縛られず、自宅など好きなところで仕事ができることなどが考えられます。

例えば、普段は企業に勤めているけれど、スキルを生かして休日や仕事が終わった後にもう一稼ぎ、という副業ができるのも、ギグワーカーならでは。子育てや出産で仕事から離れてしまった主婦や産休中の女性が、スキル維持や収入確保のために働くことも可能です。

またやり方によっては、ギグワークを通じて、新たなビジネススキルを習得することもできるでしょう。

発注側のメリット

では、ギグワーカーたちに仕事を発注する立場から考えると、どのようなメリットがあるのでしょうか。

まず第一に考えられるのが、「フレキシブルな労働力」としての魅力です。企業が人を雇用する際には、社会保険や教育・研修、オフィスの整備など賃金以外にもさまざまなコストがかかります。

ギグワーカーであれば、報酬が多少高かったとしても、賃金以外のコストをカットすることができるので、結果的にトータルコストは抑えられます。さらに、案件を単発で発注できるのも大きなメリットと言えるでしょう。

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画像出典:[ギグパートナー募集(]https://about.yahoo.co.jp/hr/gigpartner/)

ヤフーでは、2020年7月に戦略アドバイザーや事業プランアドバイザー、新規メディアサービス企画などのポジションでギグパートナーの募集を始めています。

新しい働き方として、無制限リモートワークを掲げると同時に、第1段として100名のギグパートナーを募集開始。副業先としての受け入れを始めたヤフーのような事例は、今後も増えていくことが予想されます。

参考:ギグパートナー募集
参考:ヤフー、“無制限リモートワーク”で新しい働き方へ

ギグワーカーの仕事例

では実際に、ギグワーカーにはどんな仕事があるのでしょうか。

「Uber Eats」配達員

2016年から日本でもサービスの提供が始まった「Uber Eats」。

配達パートナーの仕事は、ギグワーカーの仕事の代表例として取り上げられることが多いです。仕事内容は、サービスエリア内でスマホの専用アプリを起動し、配達リクエストを受け取りお店〜配達先へと商品を届けること。報酬は、1回の配達完了ごとに支払われます。

同様の事例として、海外ではUberなどの配車サービスも普及しています。こちらは、個人タクシーのように空き時間を使って、自家用車で利用者をピックアップ・目的地に送り届けるギグワークです。

Webデザイナー

クラウドワークス、ランサーズなど、クラウドソーシングサイトで仕事を発注・請け負えるデジタルプラットフォームを使って働く仕事もギグワークです。

例えば、ウェブサイトの制作やロゴの作成、中には新商品のキャッチコピー制作などもその一つ。最近では、動画コンテンツの普及により、動画制作や編集などの仕事も増えていています。仕事探しから制作、納品までの一連の流れをインターネット上で完結できるのもギグワークの特徴です。

コンサルタント

先ほどご紹介したヤフーのように、事業プランや事業戦略の立案など企業の経営において重要な役割を持つ仕事もギグワークとして募集され始めています。

ヤフーでは、“日本を元気にするためのインターネットサービスの企画立案”を行うギグワーカーを戦略アドバイザーとして募集。ご契約期間は2ヶ月、報酬は月5万円という条件を提示しています。

このように、単純作業だけでなく、企業のコアとなる部分にもギグワーカーたちの仕事は広がっています。

参考:戦略アドバイザー ※ギグパートナー」