8月19日、マーケター向けカンファレンス「第二回マーケッター&ベンダーカンファレンス」が開催されました。

近年注目が集まるマーケティングオートメーション(以下、MA)ツールを主軸に、マーケティングの現場ではどのような課題を抱えているのか、どのような施策を行うべきなのか、についての議論が繰り広げられました。

今回は、2BC株式会社代表取締役の尾花 氏による「マーケティングオートメーションツールが持つ可能性」をテーマにした基調講演の様子をお届けします。
  

登壇者紹介

尾花 淳 氏

尾花氏
2BC株式会社 代表取締役
BtoBマーケティング領域における戦略策定、戦術立案、コミュニケーション設計、MAを中心としたITツールの活用に明るい。BtoBに特化したインサイドセールスのアウトソーシング会社のコンサルティング部門執行役員、インバウンドマーケティング専業エージェンシー起ち上げへの参画を経て、2013年に起業し現職。
  

マーケティングとは?

弊社はBtoBマーケティング支援を行っています。マーケティングってどんな課題があるのか、その課題に対してどんなツールで解決できる可能性があるのかをお話しできればと思います。

マーケティングって、立場によって意味合いが違うと思うんですよね。プロダクトマーケティングや売るためのマーケティングなど色々ありますが、今日はプロモーションという領域に絞ってお話しします。

プロモーションで最終的にやりたいことって「売上を上げていきたい」ということですよね。

皆さんにもぜひ考えていただきたいんですが、売上を因数分解していくとどういう風になるでしょうか。

例えば、どのくらいの案件数があって、どのくらいの比率でとれて、1件1件いくらなのか。案件数ってどこから生まれてくるかというと、見込み顧客があって、そこから何件が案件として上がってくるのかとか。じゃあ見込みってどうやってつくるかというと、自分がターゲットとするマーケットに対してどれだけ接触できて、リードになってもらうか。そして、BtoBでもBtoCでも、一回買って終わりだったらもったいないですよね。購入後、どれだけ継続利用していただけるかも重要です。

このように、組織の売上を上げていくためのボトルネックってどこにあるのかを見付けるために、MAツールを利用するのか、マーケティングを工夫したほうがいいのか、もしくは全く別の方法があるのか。

プロモーションだけ頑張っても製品力が無いと売れないですよね。そのようなことを踏まえた上で、ボトルネックを因数分解して考えてみるといいですね。

例えば……

・成約率が低い
 → 営業担当ごとによるばらつきは?競合は?

マーケティングにずっぽりはまっていると、狭い領域でしか物事を考えられない可能性があるんです。本来は、全体像を見て広く考えていくべきなんです。

・案件数が足りない
 → 案件の創出ルート別に見ると?創出ルートの改善?新規創出ルートの開拓?ナーチャリング施策に手が回らないだけ?

・リーチ数が足りない
 → 数万単位の見込み客がいるはずなのに、広告予算が足りないから1,000人ぐらいにしか届けられない
 → 集客施策にリソースをまわす検討が必要?

つまり、何が問題なのか。取り組むべき解決策は何かをしっかり見極めないといけません。今、何となくMAという言葉が流行っていますが、自分の会社にとって本当にそれが必要なのか。限られたリソースの中で何ができるのかを考えなきゃいけない。

当社はMAツールの導入支援をしているんですが「MA使いたいんですよ」と話を持ちかけられ、「導入して何をされたいんですか」と聞くと「逆にMAツールを入れると何ができるんですか」とよく言われます。とりあえず良さそうだから、予算が余ったから入れるというのではもったいないですね。