BtoB企業が集客売上向上を実現するために、メールマーケティングは有効な手段のひとつです。ただ、メールマーケティングには様々なメリットがあるものの、単にメールを配信するだけでは成果を出すのは難しいでしょう。

そこで本記事では、BtoBビジネスにおけるメールマーケティングの始め方種類効果を出すためのコツなどを紹介します。

目次

  1. メールマーケティングとは
  2. BtoB企業がメールマーケティングに取り組むべき理由
  3. BtoBにおけるメールマーケティングの種類
  4. BtoBのメールマーケティングで準備すること
  5. BtoBメールマーケティングで有効な配信内容
  6. BtoBメールマーケティングの効果を最大化するコツ
  7. メール配信における注意点
  8. メールマーケティングで売上アップを目指そう

メールマーケティングとは

メールマーケティングとは、メールを通じて見込み客とコミュニケーションをとり、自社製品やサービスの購買へと結びつける施策です。自社が保有する見込み客のリストに対してメールを配信することで、目的の達成を図ります。

ただ、収集したリストに対して無作為にメールを配信しても、目的を達成することはできません。メールマーケティングを成功させるためには、配信先を厳選したり、配信先に応じた内容のメールを配信したりなど様々な工夫が必要となります。

BtoB企業がメールマーケティングに取り組むべき理由

BtoB企業が集客手段の1つとしてメールマーケティングに取り組むことには、3つのメリットがあります。

  • 幅広い目的に対応できる
  • 長期間に渡ってフォローしやすい
  • 見込み客へ効率的にアプローチできる

1つずつ解説します。

幅広い目的に対応できる

メールマーケティングは、商品やサービスの購入だけではなく、アポ獲得セミナー集客信頼性・関係性の構築など、幅広い目的に対応できます。また新規顧客の獲得だけではなく、既存顧客に対して単価アップやセット購入などを促すことも可能です。

長期間に渡ってフォローしやすい

メールマーケティングは、見込み客を長期に渡ってフォローしやすい施策です。

BtoBビジネスは、BtoCと比べて購入・契約に至るまでの期間が長いため、定期的なフォローが必須です。メールマーケティングでは、自社サービスの認知度を向上させたり認知から検討へとフェーズを進めたりといったことができるので、リード獲得から育成、購買まで幅広くカバーできます。

WP記事化済み_メールマーケティング徹底解剖-BtoB企業編-pdf-Google-ドライブ.png

また、配信コストや労力が比較的少ないため、長期的に渡るフォローに適した施策と言えるでしょう。

見込み客へ効率的にアプローチできる

メールマーケティングに取り組むことで、見込み客に対して効率的にアプローチできます。

BtoBマーケティングにおいては、すべての見込み客の受注確度が高いわけではないため、各リードの段階に応じたアプローチをしなければなりません。メールマーケティングでは、メールに対する反応から見込み客の段階や受注確度などを大まかに判断できるので、見込み客に合った効率的なアプローチができるようになります。

BtoBにおけるメールマーケティングの種類

BtoBビジネスにおけるメールマーケティングには、次の種類があります。

一斉メルマガ

●ニュース性の高い情報拡散に最適

一斉メルマガとは、すべての配信リストに対して一斉にメールを配信する方法です。主に商品やサービスの認知度向上、ブランディング、最新情報の提供による信頼性・関係性の構築などの効果を得るために用いられます。配信する内容としては、キャンペーン情報やメンテナンス情報、新商品・新サービスの告知などが代表的です。

ステップメール

●相手に寄り添うコミュニケーションでCV獲得に一役

ステップメールは、複数のステップを設けて段階的にメールを配信し、最終的にコンバージョンを目指す方法です。ステップメールの例を挙げると、以下のような流れとなります。

  • 1日目:商品・サービスの利用方法を配信
  • 5日目:実際に商品やサービスを利用した人の体験談を配信
  • 8日目:具体的な購入方法などを配信

配信内容を細かく指定することで、見込み客の段階に応じて最適なコミュニケーションができます。

ターゲティングメール

●見込み客ファーストな情報を届け、関係性構築に役立つ

ターゲティングメールとは、一定の条件に当てはまる顧客に対してメールを配信する方法です。業種や業態、エリアなどにカテゴリー分けして、それぞれに適した内容のメールを配信することで、コンバージョンにつなげます。

例えば、自社が複数の業種に対応したツールを取り扱っている場合、関係がない業種の見込み客に情報を配信すると、購読を解除される恐れがあります。ユーザーにとって必要な情報をピンポイントで届けることで、信頼性・関係性の構築につながります。

トリガーメール

●タイムリーに最適な情報を届け、見込み客の心を掴める

トリガーメールは、見込み客のアクションに応じて適切なタイミングでメールを自動配信する方法です。例えば、商品やサービスの購入ページにアクセスしたタイミングで、購入に関するお得な情報やアフターサポートの情報などを配信します。

BtoBのメールマーケティングで準備すること

メールマーケティングを成功させるためには入念な準備が必要です。次の準備を行い、最小限のコストで最大の効果が出るメールマーケティングを目指しましょう。

収集した顧客の情報をリストに整理する

まずは、これまで収集した見込み客の情報を整理して、効果が期待できる配信リストを作成しましょう。事前に情報を整理しておくことで、見込み客の状態に合ったメールを配信できるようになります。

顧客情報を整理する際は、以下のようなカテゴリに分けてリスト化しましょう。

  • すぐに商品やサービスを購入したい見込み客
  • 比較・検討の段階にある見込み客
  • 自社サービスを認知していない見込み客

それぞれの見込み客に適した内容を配信することで、開封率クリック率、CV率の向上が期待できます。

メール配信ツールの導入

メール配信ツールは、見込み客の分類それぞれに適した内容のメールを適切なタイミングで配信できるツールです。一定条件を満たした際の自動配信や大量の一斉送信などができるため、購入意欲の向上や信頼性・関係性の構築など、幅広い目的に使用できます。
WP記事化済み_メールマーケティング徹底解剖-BtoB企業編-pdf-Google-ドライブ (1).png

また、メールマーケティング効果測定見込み客の管理などもできるため、業務の効率化も可能です。

メール配信ツールには、インターネット上でサービスを利用する「SaaS型(クラウド型)」と、自社サーバーを利用する「オンプレミス型」があります。

目標(KPI)の設定

メールマーケティングを始める前には、目標(KPI)の設定も行いましょう。KPIは、最終目標を達成するために管理すべき中間目標のことです。BtoBにおけるメールマーケティングKPIには以下のような指標があり、それぞれの平均値以上を保つことで大きな効果が期待できます。

KPI 意味 平均値
到達率 配信したメールが見込み客のメールボックスに届いた割合 約90%
開封率 配信したメールが実際に開封された割合 約15%〜25%
クリック率 メールの本文内に記載したURLがクリック・タップされた割合 約1~3%
CV率 配信したメールから「問い合わせ」「購買」などのアクションが発生した割合 約1~2%

BtoBメールマーケティングで有効な配信内容

BtoBメールマーケティングで高い効果を得るためには、信頼性・関係性の構築や商品・サービスの購買意欲の向上などが期待できる内容を配信する必要があります。
WP記事化済み_メールマーケティング徹底解剖-BtoB企業編-pdf-Google-ドライブ (2).png

具体的には、次のような内容を配信しましょう。

業界の最新情報

メールマーケティングを通じてブランディングや信頼性・関係性の構築につなげたい場合は、以下のようにその業界で働く人が知っておくべき最新情報を配信するのがよいでしょう。

  • 業界再編の情報
  • M&Aの情報
  • 新商品・新サービスの登場
  • 法整備による業界への影響

展示会やセミナーのレポート

BtoBのメールマーケティングでは、展示会やセミナーのレポートを配信するのも有効です。

見込み客の中には、展示会やセミナーに参加したい気持ちがあるものの、時間や労力を理由に参加できない人も少なくありません。そのため、展示会・セミナーの内容や参加者の感想がわかるレポートなどを配信することで、情報収集に役立つメールであるとの認識を促せます

また、限られた人しか参加できない展示会やセミナーなどのレポートを配信すれば、競合他社との差別化を図れるでしょう。

商品・サービスの紹介や活用方法

購買意欲が高めな見込み客にアプローチする際は、商品・サービスの紹介や活用方法を紹介するのも有効です。公式サイトにはない情報や開発者だからこそ知っている裏話、活用方法などを紹介することで、購買につなげられる可能性が高まります。

ただ、自社サービスを過剰に売り込みすぎてしまうと、メルマガなどを解除されてしまう恐れがあるため注意しましょう。

BtoBメールマーケティングの効果を最大化するコツ

BtoBメールマーケティングを行ったものの、予想以上に成果が出なくて費用対効果が悪い状態が続くケースがあります。この場合、配信のタイミングや内容、効率などを見直すことが大切です。BtoBメールマーケティングの効果を最大化するコツについて詳しく見ていきましょう。

適切なタイミングで配信する

BtoBのメールマーケティングでは、適切なタイミングで配信しましょう。見込み客に見てもらいやすいタイミングでメールを送ることで、開封率の向上が期待できます。

メールを配信するのに適した時間帯としては、以下があります。

  • 通勤時間帯である7~9時
  • 昼休みに入る12~14時
  • 退勤時間帯である17~19時

またBtoBにおいては、週末・祝日よりも平日のほうがメールを読んでもらいやすい傾向にあるため、曜日にも注意しましょう。

顧客の関心を深める内容を配信する

BtoBのメールマーケティングでは、見込み客の関心を深める内容を配信することも重要です。例えば、以下のような内容を送ることで、信頼度や購買意欲の向上が期待できます。

  • 見込み客の課題解決に役立つ情報
  • 商品やサービスの活用方法・事例

見込み客との会話や問い合わせの内容などからニーズを分析し、より興味を持ってもらえるような内容を配信しましょう。

継続的に取り組む

BtoBのメールマーケティングで成果を出すためには、継続的に取り組む必要があります。というのも、BtoBビジネスでは購買・成約に至るまでの期間が長いため、顧客との接点を維持することが重要だからです。

配信するメールの内容が、セミナーや新しいサービスなどの告知だけでは、配信の頻度が低くなってしまいます。定期的にお役立ち情報なども配信しつつ、見込み客との関係性を構築していきましょう。

短時間で効果的に訴求できるメールを作成する

BtoBのメールマーケティングでは、見込み客がメールを購読できる時間が限られているため、短時間でいかに効果を得られるメールを作成するかが重要です。

メール配信における注意点

BtoBのメールマーケティングでは、メール配信において次の3つに注意が必要です。

  • 誤送信や配信設定
  • 件名
  • 配信時間

上記のポイントに注意しないと、メールの開封率やクリック率、CV率などが低下する恐れがあります。特に、誤送信をしてしまうと見込み客からの信頼を失ってしまうため、注意が必要です。

メールマーケティングで売上アップを目指そう

メールマーケティングは、サービスの購入やアポ獲得、集客、信頼性・関係性の構築など様々な目的に利用できます。

BtoBメールマーケティングの成功には、内容はもちろん準備や配信するタイミングなども重要です。取り組む上ではいくつか注意すべきポイントもあるため、事前に把握しておきましょう。