Facebookは膨大な資金力による巨額の買収で度々世間を騒がせています。
特に近年では、メッセージングアプリの「WhatsApp」と仮想現実ヘッドセットを開発する「Oculus VR」の買収が大きな話題となりました。

「WhatsApp」にいたっては、当初の160億ドルから最終的に約183億ドル、RSUも含めた総額は218億ドル超えとなったことはシリコンバレーでも異例の買収だったと言えます。
一方の「Oculus VR」は起業から間もないスタートアップながら、注目を集める技術を持っていたほか、今や日本では一般的となりつつある人気写真共有アプリ「instagram」もFacebookが買収したサービスの一つです。

2015年に入ってからも積極的に様々なサービスを買収しており、それらFacebookに買収されたサービスをまとめてご紹介します。
これからの将来、Facebookがどのようなビジョンを描いているかが読み取れるかもしれませんので、ぜひ注目してみてください。

※2015年Googleが買収したサービスまとめは、以下になります。
ITの巨人Googleが2015年に買収したサービス12まとめ

今年Facebookが買収したサービスまとめ

1.QuickFire Networks

QuickFire Networks
http://japan.zdnet.com/article/35058809/
米国時間で1月8日に買収を発表した企業です。
買収額やその条件の詳細は明らかになっていません。

QuickFire Networksは、米サンディエゴに拠点を置く動画配信技術開発企業で、動画コンテンツの配信機器およびトランスコーティングと処理にまつわるソフト開発をおこなっています。
QuickFire Networksが保持している技術に含まれる「T-video」という機器は、Facebookでの動画閲覧をサポートしていくのではと考えられており、同社ではこのほかに、コンピューティング処理能力をサービスで提供する「QuickFire.tv」といった技術を有しています。

また、人材面でも優れた側面を持ち、CEOであるCraig Lee氏は各企業で重職の経験が豊富、CTOにはContinuous Computingの創業者であるMike Coward氏が就いています。
Facebookはこの買収より少し前、自然言語ソフトウェアプラットフォームを手がけるWit.aiを買収しています。

2.TheFind

TheFind
http://www.ec-grow.com/strategy/20150321/
TheFindは、カリフォルニア州マウンテンビューを拠点とした企業で、オンラインショッピング向け検索エンジンを運営しています。
米国時間で3月13日に、Facebookから買収されたことを発表しました。

同社は2006年にSiva Kumar氏、Shashikant Khandelwal氏が共同設立した新興企業で、トレンドに敏感なユーザーをターゲットにECプラットフォームを構築してきました。サービス内容は、50万ものECサイトからユーザーの情報、行動を分析し、嗜好に合う商品を提供するというものです。

今後チームの主要メンバーはFacebookへ加入することとなっていますが、TheFindの発表によれば従業員全員が移籍するかどうかは不明です。
移籍するメンバーに関しては、カルフォルニア州メンローパークに拠点をもつFacebook本社へ加入、広告部門へ所属することとなり、これまで提供してきた検索サービスについては閉鎖する形となっています。

なお、今回の買収金額などは明らかになっていません。

3.Wit.ai

Wit.ai
http://japan.cnet.com/news/business/35058635/
Wit.aiはカリフォルニア州パロアルトを拠点としたスタートアップで、米国時間で1月5日にFacebookが買収しました。同社は、音声認識技術および自然言語処理技術を開発してきた企業で、開発者が機能を取り込むためのAPI提供をおこなっています。
音声認識技術といえば、AppleのiOSが搭載している「Siri」のようなイメージで、このAPIはプラットフォームを介して既に6000人以上の開発者が利用しています。(2015年1月6日時点)

今後Wit.aiは、オープンソースのプラットフォームとして引き続き提供される見込みです。
Google、Appleはいずれも音声認識技術を持っていましたが、この買収によりFacebookも同様の技術を取り入れたことになります。なお、買収条件は明らかになっていません。

4.Pebbles Interfaces

Pebbles Interfaces
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO89435600X10C15A7000000/
Facebookの傘下である、Oculus VRが米国時間7月16日に買収した企業です。
同社はイスラエル発の新興企業で、2010年の創業以来ジェスチャーコントロール技術を手掛けています。
保有している技術は、マイクロ光学およびコンピュータービジョンを活用したもので、人間の手の動作を認識することができます。

ウォール・ストリート・ジャーナルによれば、この技術はほかの競合と比較しても手の動作を仮想現実の世界に投影する点が異なるといいます。
Pebbles Interfacesは、買収後はOculus VR内のハードウエアエンジニアリング、コンピュータービジョン部門に加入し、仮想現実、トラッキング、人とコンピューターとのインタラクションにおける技術開発を進めていくこととなっています。

今回の買収金額は詳しく分かっていませんが、英ロイターはイスラエル経済紙Calcalistの報道により数千万ドル規模の買収額だと発表しています。

5.Surreal Vision

Surreal Vision
http://www.gamebusiness.jp/article/2015/05/27/10922.html
こちらもFacebookの傘下Oculus VRが買収した企業です。
Kinect Fusionの開発やAR、画像処理の研究経験を持つRichard Newcombe氏、Renato Salas-Moreno氏、Steven Lovegrove氏らによってはじまりました。
イギリスのロンドンを拠点とし、2014年10月に創設されたMR系のスタートアップ企業で「Mixed Reality(複合現実)」技術の研究、開発を実施しています。

この技術は現実と仮装の空間を混合することでできる、新たな空間を創出するというものです。
今回、買収金額や条件の詳細は分かっていません。

今後は、ワシントン・レドモンドに拠点がある研究部門Oculus Researchに加入しながらも、今までと同様に活動を継続していく方針となっています。