ITの目覚ましい進化により様々な分野で技術革新が起こりました。
そのような多大な恩恵がある一方、今後より重視するべきなのがセキュリティです。

インターネット技術とともにサイバー攻撃も急激に進化しておりその手法はより巧妙さを増しています。
その中でも近年、最も対策が難しいと言われているのが「標的型攻撃」です。

従来のアンチウィルスソフトではほぼ対応できないうえ、ネットワークに侵入してから出て行くまで全く気づかないケースも存在します。
まだ明確な対策は講じられていないものの、まず「標的型攻撃」というサイバー攻撃が存在することを知っておく必要があるでしょう。

今回は、サイバー攻撃全体の概要と、「標的型攻撃」の特徴について解説します。
「標的型攻撃」を初めて聞いたいという方は、この機会に理解しておきましょう。

サイバー攻撃とは?

まずサイバー攻撃の定義を理解しておきましょう。
サイバー攻撃とは、インターネットを介して行われる攻撃全般を指し、標的となったコンピュータやネットワークに不正に侵入し、データ改ざんやシステムの機能不全を起こします。

金銭の搾取や諜報活動など、サイバー攻撃の目的は様々ありますが、近年は国際的ハッカー集団「アノニマス」や、既婚者向け出会い系サービスの「Ashley Madison(アシュレイ・マディソン)」の情報を流出させたハッカーのように、自身の正義感に基いて攻撃するケースも増えてきています。

参考
サイバー攻撃とは | 日立ソリューションズの情報セキュリティブログ

ハッカー集団アノニマス、ISISに全面戦争を宣戦布告 | TechCrunch Japan

世界最大級の既婚者向け不倫SNSから流出した大量の個人情報がネットで公開か - GIGAZINE

急増するサイバー攻撃

独立行政法人・情報通信研究機構によると、2015年上半期の企業や官公庁が受けたサイバー攻撃件数は256億6000万件に上り、前年比で約2倍となっています。
今年起きた事件で言うと、5月に発生した日本年金機構の顧客情報流出事件が記憶に新しいのではないでしょうか。

約125万件の個人情報が流出した本事件は、被害が広範囲に及んだことと、国の公的機関が攻撃されたことも相まって大きな問題となりました。

参考
進化するサイバー攻撃 件数は倍増  映像解説 :日本経済新聞
日本年金機構の個人情報流出について
日本年金機構における不正アクセスによる情報流出事案 報道発表資料|日本年金機構

日本年金機構のような公的機関であれば、セキュリティ対策も万全に行われているはずですが、なぜこのような大規模な流出事件が起きてしまったのでしょうか。
要因は、近年急増している新たなサイバー攻撃の手法である「標的型攻撃」にあるようです。