面接官と直接話す面接は、就活生にとって最も緊張するシーンと言えます。
企業研究や質疑応答の対策はしていても、なかなか良い印象を与えられずに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
今回は、面接で使える心理学に関する知識5選を紹介します。
用語の解説だけではなく、面接時にどのように利用できるのかについても解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。

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面接時に使える心理学5選

1.メラビアンの実験

「ノンバーバルコミュニケーション(ボディランゲージなどの非言語的コミュニケーション)」は、人の印象を決定づけるのに非常に重要な役割を持っています。
ノンバーバルコミュニケーションについては、米国の心理学者アルバート・メラビアンが、「話し手が聞き手に与える影響についての実験」を行っています。
メラビアンは*「話し手の印象を決定するのは非言語的要素も多く含まれる」という研究結果を報告し、「話し手が聞き手に対して与える影響は「視覚情報>聴覚情報>言語情報」*の順に優先される」と結論づけました。

ちなみに日本ではメラビアンが行った実験結果を「7-38-55のルール」として紹介されることが多いようですが、こちらは誤りです。

※7-38-55のルール・・・印象を決めるのは、視覚情報が55%、聴覚情報が38%、言語情報が7%とする説。
・視覚情報 (Visual) – 見た目、身だしなみ、しぐさ、表情、視線
・聴覚情報 (Vocal) – 声の質(高低)、速さ、大きさ、テンポ
・言語情報 (Verbal) – 話す言葉そのものの意味

後にメラビアン本人が「言語情報の影響度がたったの7%であるはずがない」という声明を出しています。
メラビアンの実験結果で導き出されたのは「流れに矛盾が無いように話すべきで、言葉だけではなく話し方や態度を最適化すると説得力を高めることができる」という結論です。

面接では、緊張や自信の無さがノンバーバルコミュニケーション(落ち着かない、姿勢が悪い、キョロキョロしてしまう等)として出てしまうことがありますが、そのような態度は面接官にネガティブな印象を与えてしまう可能性が高いということです。
「7-38-55のルール」は誤報でしたが、メラビアンが示した実験結果と合わせて参考にして、より好感をもたれやすい第一印象を与えられるようにしましょう。

2.返報性の原理

「返報性の原理」とは「人は他人からなにかのしてもらった場合、お返しをしなければならないという感情を抱く」という心理のことです。

面接では、企業に入社したいという熱意を見るために、就活生の企業研究の内容を確認する場合があります。
そこで面接官の想定を超えた企業研究を発表されると「こちらも相手(就活生)をもっと知ってあげたい」という、返報性の原理が働きます。

また、就活生が面接官に対して笑顔で好意的な態度を示せば、ここでもまた返報性の原理が働き、面接官からも好意を持たれる可能性は高いでしょう。
ただ、企業研究や面接中の笑顔は就活の基本的なテクニックとして知られているため、ほとんどの就活生が同じ行動を取ってくるでしょう。
数多くいる就活生の中でぬきんでるためには、企業研究、笑顔の練習は最低限こなしたうえで、どうしてもその企業に入りたいという熱意が伝わるような工夫をしてみましょう。

3.態度の類似性

心理学においては、自分と同じまたは似たような態度を持つ人には好意を感じやすいという定説があり、これを「態度の類似性」と呼びます。
自分に似ている人には好感を持ちやすく、共感を生み出すことができます。
面接で「態度の類似性」を応用するなら、まずは面接官と話すスピードを合わせるようにしましょう。
面接官に無意識のうちに心地よさを感じさせることができます。
話すスピードを合わせられたら、論理的に話す面接官には冷静かつ論理的な話を、感情豊かな面接官には情熱的に話を、と言った具合に声のトーンや話し方なども真似てみるとよいでしょう。

4.フレーミング効果

「同じ内容でも、表現方法によって伝わり方が異なる」ことをフレーミング効果と呼びます。

例えば、以下の2つの文章は全く同じ事柄を表していますが、Aからはポジティブな印象を、Bからはネガティブな印象を受けるのではないでしょうか。

A)100人に1人の割合で100万円が当たる宝くじ
B)100万円が当たる確率がたったの1%しかない宝くじ

ちょっとした言葉遣いや数字の提示方法を変えるだけで、話の内容をある程度コントロールすることができます。
自己PRをする際には、このフレーミング効果を有効活用して好印象を与えられるようにしましょう。

5.マジックナンバー

人間が短期的に覚えられる事柄の最大数は「4」とされており、心理学においてはマジックナンバーと呼ばれています。
(元はアメリカの心理学者ジョージ・ミラー氏が提案したもので、しばらくはマジックナンバーが「7」という説が主流でしたが、2001年、ミズリー大学認知心理学者のネルソン・コーワン氏の研究により「4」に訂正されています。)

人間は物事を理解するにあたり、考えるべき対象が4つ前後であれば、素早く正確に情報処理が可能であるという性質を持っているようです。
これを利用して、面接の際の自己PRや長所・短所などを話す際は、ポイントを4つ以内に絞って端的に伝えるようにしましょう。
ただ、伝わりやすくすることが本来の目的なので、「4」という数字にこだわりすぎるのは本末転倒です。