MotionBoardとは?機能や特徴、価格などについて詳しく解説
ビジネス環境におけるIT化が進み、各企業に蓄積される電子データが膨大になりつつある現在、情報を可視化し、活用できるようにするBI(Business Intelligence)ダッシュボードの重要性が高まっています。
MotionBoardは、豊かな表現力、操作性の高さが評価され、多くの企業で導入が進められている国産BIツールの一つです。本記事では、このMotionBoardに注目し、機能や特徴、動作環境、価格などについて詳しく解説します。
MotionBoardとは?
MotionBoardはウイングアーク1st株式会社が開発・販売しているBIツールです。ここではMotionBoardの基本的な機能や動作環境、利用料金などについてご紹介します。
データを集約し、リアルタイムで可視化
MotionBoardでは、企業内のあらゆるデータソースと接続し、使用者の要求に合わせてデータを集計しながら、瞬時にグラフや表を作成・可視化できます。データベース・データウェアハウスに追加された情報はリアルタイムで反映されるため、閲覧している情報にタイムラグが発生しません。
また、高度なインメモリ技術によって、大量のデータを高速で処理できる点も魅力です。差分データの取り込みや条件指定による取り込みなども行うことができ、顧客の運用に合った利用方法を選べます。
企業内の多様なデータベースと連携可能
企業では社内に複数のシステムを持ち、それぞれに膨大なデータが蓄積されているのが一般的です。
例えば、経理部門であれば企業が導入している会計・経理システムに財務情報が保管され、製造部門が利用している生産システム、営業部門が使用している営業支援システムなどにもそれぞれ大量のデータが保管されているわけです。
MotionBoardはそれら社内で用いられているあらゆるデータベースと連携し、必要な情報を集約、ダッシュボードで可視化できます。また、社員が日常的に使用しているExcelやCSVファイルからデータも取り込めるので、膨大な情報をデータソースで一挙に確認することができます。
MotionBoardの動作環境と利用価格
Windows版のMotionBoardを利用する上で必要となる動作環境は、サーバー環境はOSがMicrosoft Windows Server 2012~2019、CPUがIntel Xeon 1GHz以上、メモリが16GB以上となっています。
Linux版のMotionBoardの場合、サーバー環境はUbuntu Server16.04~20.04 .x LTS、Red Hat Enterprise Linux6.1~8.1に対応し、CPU とメモリ使用量はWindows版と同じです。
クライアント環境には、OSとしてMicrosoft Windows 8.1、Microsoft Windows 10 、macOS Catalina、OS X Yosemite、OS X El Capitan、macOS Sierra、macOS High Sierra、macOS Mojaveのいずれかが必要です。
CPUは1GHz以上、メモリ使用量は1GB以上、ディスク使用量は512MB以上が求められます。WebブラウザーはMicrosoft Edge、Internet Explorer、Mozilla Firefox、Google Chromeなどに対応しています。
MotionBoard(Ver.6.1)導入にかかる費用は、*クラウドサービスの場合は初期費用が10万円(税別)で、月額費用は最低3万円(10ユーザー)*からとなっています。
パッケージ版の場合は、初年度における年間保守料金込みで230万円(10ユーザー)からです。
MotionBoardの特徴・導入するメリット
MotionBoardにはBIツールとしての特徴や導入するメリットが多く存在しています。
利用しているクライアントからの評価も高く、これまで業種を問わず2,000社以上で導入実績があり、「日経コンピュータ顧客満足度調査2020-2021」のデータ分析・利活用支援ソフト/サービス部門では第1位となっています。
ここでは以下の5つのポイントに絞って、MotionBoardの特徴・メリットについて解説しましょう。
ダッシュボードの表現力が豊か
MotionBoardが持つ最大の特徴ともいえるのが、ダッシュボードとしての表現力の豊かさです。グラフや表をはじめ、散布図やガントチャートなど数十種類のチャートアイテムを目的に応じて利用できます。
さらに最新版のVer.6.1では、3Dマップを使って空間まで可視化できる機能が搭載されています。
この機能により、例えば工場の中で何らかの問題が発生した場合に、映画のように立体的に映像化してアラートの提示が可能です。情報が数字と文字のみ提示される場合に比べて、どこで何が起こっているのかを素早く把握できるでしょう。情報を直感的に、わかりやすい形で表現できる点は、MotionBoardが持つ強みと言えます。
Cloud版とパッケージ版のどちらでも選択可
MotionBoardにはCloud版とパッケージ版の両方が用意されており、自社のニーズに応じて利用方法を選択できる点も大きな特徴です。
より堅固なセキュリティのもとで自社にある大量のデータを処理し、全社的なデータ基盤として利用したい場合はパッケージ版の利用が適しています。
一方、自社で利用している膨大なクラウドサービスのデータを可視化したい、時間・場所を問わずにデータにアクセスしたい、初期コストをかけたくないという場合は、クラウド型の利用が向いているでしょう。
Excelのデータも簡単にビジュアル化
汎用性の高いExcelはどの企業でも活用され、企業内に蓄積されているExcelデータは膨大な規模になっていることが多いのではないでしょうか。
MotionBoardはExcelでの運用を変えることなく、そのデータ内容を瞬時に可視化、ビジュアル化できます。
スマホやタブレット端末で情報活用できる
MotionBoardにはAndroidやiOS、Windowsなどの各種モバイルOSに対応したアプリがあり、スマホやタブレット端末でも簡単に操作できます。外出先でデータのチェックをする、取引先に参考データを提示するといったことも容易に行えるわけです。
充実したOLAP分析機能
OLAP(On Line Analytical Processing)分析機能とは日本語で「オンライン分析処理機能」とも呼ばれ、大量のデータを多次元的に集計・分析を行い、即座に結果を表示する機能のことです。
MotionBoardでは、データをより深く掘り下げて表示するドリルダウン、より高い階層のデータで表示するドリルアップ、階層化されたデータを断面で切り取り2次元の表で示すスライシングなど、多角的な分析をクライアントのニーズに応じて行えます。
MotionBoardの使い方とは?事例を通して紹介
MotionBoardの使い方について、導入し活用している企業の事例を取り上げながら具体的に解説します。ここでは、MotionBoardによって工場の管理体制を可視化した三島食品株式会社、データ分析基盤を築いた大丸株式会社のケースをご紹介しましょう。
工場の管理体制を見える化:三島食品株式会社
ふりかけの「ゆかり」などを生産していることで知られる三島食品株式会社では、主力生産拠点の広島工場にMotionBoardを導入。
同社では以前から、社内のあらゆる情報・業務を「目で見る管理版」で提示するという企業文化がありましたが、それを電子化してより情報把握を容易にするためにMotionBoardの利用を決めたそうです。
MotionBoardの導入により情報の見える化がリアルタイムで可能となり、それまでは感覚的に行われる部分もあった設備保全作業が、正確なデータに基づいて行われるようになったといいます。
さらに、原材料における異物発見のデータなどを効果的に活用することで、製品の品質向上も実現。他にも、生産スケジュールの管理や生産設備の稼働監視、工場内の温湿度管理など、多様な用途でMotionBoardが活用されています。
データ分析基盤を構築:大丸株式会社
大丸株式会社は紙製品の卸売業を主力事業としており、販売・仕入実績の確認や営業活動のテコ入れ、新規事業計画立案の上で、必要なデータを素早く検索・集計できる体制構築が不可欠です。
しかし、同社ではシステムの老朽化などが原因で情報基盤のパフォーマンスが落ちつつあり、その状況を改善するためにMotionBoardをはじめとするウイングアーク1stの製品群の導入を決めたそうです。
MotionBoardなどの導入により同社のデータ活用環境は大幅に改善され、データ検索やクロス集計画面の開発生産性がそれまでの10倍以上になったといいます。今後は将来予測のための情報分析基盤としても利用し、活用の幅をさらに広げていく予定です。
参考:大丸株式会社 導入事例
MotionBoardは自社のニーズに合わせて活用を
国産BIツールであるMotionBoardは、企業内に蓄積されている膨大なデータを集約してリアルタイムで可視化でき、既存の多様なデータベース・システムと連携できる機能を持っています。
ダッシュボードの表現力が豊かであり、クラウド版とパッケージ版から選択できること、Excelのデータも簡単に活用できること、モバイル機能が高くOLAP分析機能も充実していることなどがMotionBoardの特徴・メリットです。
導入実績も豊富で、大手企業を多数含む2,000社以上の企業ですでに利用されていますが、どのような目的・用途でMotionBoardを活用するのかは、企業によって大きく変わってきます。
実際に導入を進める場合は、自社が直面している問題・課題がMotionBoardの利用によってどのように変わるのかを、事前にしっかりと予測・確認しておくことが重要です。
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