聞き手を魅了するプレゼンテーションをするために知っておくべき4つのこと
プレゼンテーションは、聞き手の理解や納得を得るために必要不可欠な伝達手段です。
同じ内容を訴求するにしても、伝え方ひとつで聞き手の反応は大きく変わってしまいます。
就活時の面接や社内での企画案の発表、顧客に対して商品やサービスの訴求を行う場合など、プレゼンテーションを行う場面は多岐に渡ります。
今回は、プレゼンテーションを成功させるために知っておくとよいポイントを、4つの項目に分けてご紹介します。
・1.プレゼンテーションの基本型
・2.見やすい資料作成
・3.苦手克服のために
・4.その他
プレゼンテーションを行う際に参考にしてみましょう。
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1.プレゼンテーションの基本型
まず最初に、プレゼンテーションの基本型を押さえておきましょう。
基本型には大きく2つがあります。
まず1つ目は、オーソドックスなプレゼンテーションの型です。
・主張・・・一番伝えたいこと
・根拠・・・なぜその主張をするのか
・結論・・・どのようにして主張を達成するのか
「私は◯◯であると主張します。なぜなら☓☓だからです。そこで△△という結論に至ります。」
という流れに沿った説明をすることで、伝わりやすくなります。
話す際はもちろん、プレゼンテーションの資料を作成する際も、この基本形から大きくずれることのないようにしましょう。
2つ目は、結論から話す「アンサーファースト」型のプレゼンテーションです。
この型を利用する場合は、以下の3点に注意が必要です。
・結論から述べる(アンサーファースト)
・資料には必要最低限の情報のみ入れる
・30秒程度で要約できるようにしておく
与えられた時間は短いが伝えたいことが多すぎる、と感じる場合は特に有効な方法です。
本当に必要な情報のみ抜き出して、結論から述べることで相手に意図を伝えやすくなります。
最後に、何が言いたかったのかを30秒程度で要約できることもポイントです。
基本形に加え、プレゼンテーションを円滑に進め、聞き手の関心を惹きつけるために知っておくとよいコツつをご紹介します。
この点に注意するだけでも、格段に聞きやすいプレゼンテーションになりますのでぜひ参考にしてみてください。
1.自己紹介をする
プレゼンテーションを始める前に、自己紹介をしましょう。
名前だけではなく、簡単な経歴などを含めてください。
よく知らない人の話は、あまり聞く気にはならないものです。
「誰が」話すのかを明確に認識してもらうと、聞き手の印象に残りやすく親近感を持たれやすいくなります。
2.最初の「つかみ」を意識する
聞き手の興味を自分に向けさせるために、まず「つかみ」を意識しましょう。
「つかみ」の例をご紹介します。
質問をする
まず最初に、聞き手に対してプレゼンテーションの内容に則した簡単な質問を投げかけます。
これで聞き手に対してその気持ちに寄り添っている、問題を明確に理解している、という印象を与えることができます。
プレゼンテーションの中でその問題を解決する手段として、商品やサービスの訴求を行えば、聞き手に「問題解決をするために利用したい」という心象を誘いやすくなります。
エピソードや体験を語る
プレゼンテーションの内容に則した、自分の体験談などを語ります。
自分自身の体験は話しやすいので、コミカルでテンポよく話すことができます。
聞き手はその情景をイメージし、この後どのように展開していくのだろうか、と自然と引き込まれやすくなります。
3.なるべくノイズをいれないように心がける
無意識のうちに口にしている「あー」や「えー」や「要するに」「つまり」「」などは、聞き手にとっては雑音でしかありません。
「また言ってる」と感じさせ、プレゼンテーションの内容そのものへの集中を阻害することにもつながります。
こういった「ノイズ」をよく口にしがちな方は、意識して注意しましょう。
4.ゴールを明確にする
プレゼンテーションが終わった後「聞き手にどのような状態になっていて欲しいのか」というゴールを明確にしておくと、集中して聞いてもらいやすくなります。
例えば、「この発表後に、みなさんの中の誰かを指名して一番理解していただきたい◯◯というポイントについて質問をします。」と最初に宣言しておくと、「ゴールは◯◯を理解すること」と明確化させられるとともに、指名されたら答えなければいけないという一種の危機感を与えることができます。
5.プレゼンテーション中にマルチタスクをさせない
プレゼンテーション中にマルチタスクをさせてしまうと、内容に集中しているようで実は内容が理解できていない、というリスクがあります。
できるなら、プレゼンテーション中は聞き手が他のことに意識が行かないような環境づくりも必要です。
聞き手がプレゼンテーションに飽きてしまわないように構成を工夫することはもちろん、雑音が聞こえないようにする、メモを取りたくなるように紙とペンを用意するなども効果的です。
心理学者のアイラ・ハイマンが2009年に行った研究によると、歩きながら携帯電話で話している人は人にぶつかりやすく、周りに注意を払っていません。
実験者にピエロの格好で一輪車にのせても、携帯電話で話していた人はピエロのことを記憶してもいなかったと言います。
この研究から分かるように、人は一度に2つ以上のことをこなすことに長けてはいません。
素早く切り替えることができるため、マルチタスクができていると感じているだけなのです。
6.資料を音読しない
プレゼンテーション資料を音読してしまう、というのはプレゼンテーションが苦手なかたがやってしまいがちなことです。
しかしこれなら、資料をメールなどに添付して送信することで済みます。
「聞き手」を「読み手」にさせず、想いをこめた言葉が聞き手に届くように心がけましょう。
この資料作成のコツについては、下記でご紹介していますのでそちらを参考にしてください。
7.目線のやり場に注意する
プレゼンテーション中は資料やスクリーン、台本ばかり見ないで聞き手の方を見る、ということは研修などでもよく言われることですが、これは意外に難易度の高いスキルとなります。
目線のやり場に困ってしまう方は、「うなずいて聞いている人を、ゆっくりと探す」ことを意識してみましょう。
聞き手側からは自然と全体を見渡しているように見える、うなずいている人を見ると話のテンポをつかみやすいという効果があります。
8.時計の置き場所
プレゼンテーションでは、時間の管理も重要になります。
しかし時計をチラチラと気にしていると、聞き手によい印象を与えにくくなります。
時計の置き場所として最適なのは、「目線の先」です。
例えばプレゼンテーション中は、スライドを次に進めるためにマウスクリックが必要な場合があります。
マウスの横に時計を置いておけば、自然と時間の確認をすることができます。
9.パワーワードを使う
すこし細かいテクニックですが、パワーワード(強い言葉)を使用することで話の重要度を高めることができます。
以下、パワーワードへの変換例をご紹介します。
・短時間で大きな変化をもたらす→「秒速」で「劇的な」変化をもたらす
・ある人を見た→ある人を「目撃」した
・マーケティングを成功させる→マーケティングで「歴史をつくる」
・決意する→覚悟を決める
これらの基本形を押さえた上で、フレームワークに則ったプレゼンテーションをするとよいでしょう。
プレゼンテーションのフレームワークについては、ferret内に解説記事がありますのでそちらを参照ください。
プレゼンテーションで使えるフレームワーク6選|ferret
2.見やすい資料作成
資料はプレゼンテーションを助けてくれる、重要な武器となります。
見やすいプレゼンテーション資料作成のためには、以下の3点を最低限押さえておくようにしましょう。
・文字をいれすぎない
・使用する色は多くても3色程度
・フォントはゴシック体で、18pt以上にする
資料に文字を入れすぎてしまうと、何を伝えたいのかが分かりにくくなってしまいます。
また、色を使いすぎてしまうとどこに注目したらよいのかわからずに視線が散ってしまいます。
フォントについては、誰もが見やすいゴシック体を使用して、18pt以上の大きさにするようにしましょう。
プレゼンテーションのコツでも紹介しましたが、「聞き手」を「読み手」にしてしまう資料作成ではプレゼンテーションの意味がありません。
そこで、聞き手をひきつける資料作成を行うために知っておきたい、6点をご紹介します。
1.テーマを明確にしておく
テーマが明確でないと最終的に何が伝えたいのかがわからなくなってしまうため、優れた提案とは言えません。
・プレゼンテーションの目的とゴール
・聞き手にどのようなターゲットを考えているのか
・テーマタイトル
・話し手としての自分の立場
これらをあらかじめ明確にしておくことで、聞き手に伝えたいことがまっすぐに伝わりやすくなります。
2.アジェンダ(目次)を提示する
テーマを明確にしたら、アジェンダを作成します。
細かく作る必要はありませんが、資料作成時に主張や論点の軸がぶれてしまわないために大枠を作ってから資料作成に取り組みましょう。
アジェンダを設けてプレゼンテーションの最初に提示することで、聞き手に話に流れを理解してもらいやすくなるという効果もあります。
3.図や写真などを盛り込む
資料にテキストを盛り込みすぎて「資料を音読」している状態になってはいけません。
そうならないためにも、言葉では説明しにくい図や写真を資料に盛り込み、補足説明などは口頭で行うとよいです。
図や写真を見せることで、聞き手の「読み解きたい」という心象を誘いやすくなります。
4.アニメーションを入れすぎない
PowerPointやKeynoteなどの一般的にプレゼンテーションで使用されるツールでは、アニメーション機能を使用することができます。
アニメーションは、要所要所で使用する分には効果的だと言えますが、使いすぎてしまうと気が散りやすくなる、印刷時に内容が全く伝わらないなどのデメリットがあります。
なるべく動きの少ない資料を作成して、どうしても強調したい場所などに、ごく部分的にアニメーションを使用するようにしましょう。
5.「ここだけの話」を盛り込む
プレゼンテーションで聞き手の心をひきつけるには、期待感をもたせる必要があります。
プレゼンテーションレポートなどに書かれては困る「ここだけは」をひとつ話すだけで、主に以下の2つの効果を得ることができます。
聞き手の注意を向けることができる
「ここだけは」という秘密を話すと、より一層聞き手の注意をひくことができ、真剣に聞いてもらえるようになります。
聞き手に満足感を与えられる
誰でも、秘密の話を聞くと多少なりと優越感を味わうことができます。
「聞いてよかった」という満足感を与えることができ、プレゼンテーションそのものの評価もあがりやすくなります。
6.数字データを提示する
プレゼンテーションの中で自分の意見を述べることは重要ですが、説得力を持たせるためには証拠を示すことが重要になります。
意見だけで完結してしまわないように、注意しましょう。
さらに細かい資料作成のコツについては、ferret内の以下の記事でご紹介しています。
秀逸な資料事例も合わせて紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。
すぐに実行できる!プレゼンテーションで相手に伝えるための資料作成のコツ10選&秀逸な資料を閲覧できるWebサイト3選
3.苦手克服のために
プレゼンテーションに限らず、人前にでると緊張して「あがって」しまい上手く話ができないという悩みがある方も多いでしょう。
幼い頃から訓練を受けていない人にとって、人前でプレゼンテーションをするのは緊張を伴うもので「あがって」しまうのはごくごく普通のことです。
まずは「あがるのは普通のこと」を理解することが大切です。
しかしこの「あがり」は、克服することができます。
どうしてもあがってしまう方は、以下4つの方法を試してみてください。
1.水を用意する
水を飲むという行動には、精神を安定させる効果があります。
プレゼンテーション中にあがってしまったと感じたら、ゆっくりと一口水を飲みましょう。
これから話す人が喉の渇きを潤すという行動は、聞き手に違和感を与えるものではありません。
2.深呼吸をする
ゆっくりと深呼吸をすることは、緊張を解きほぐす効果があります。
自分の呼吸リズムを意識すると、より高いリラックス効果が期待できます。
3.笑顔を作る
プレゼンテーション前に、作り笑顔でもいいので鏡の前で笑ってみましょう。
笑顔は不思議と気持ちを穏やかにする効果があります。
プレゼンテーション中もなるべく笑顔を保つようにしましょう。
聞き手に対しても、好意的な印象を与えやすくなります。
4.その他
ここまで、よりよいプレゼンテーションをするために知っておきたいことをご紹介しました。
最後に、プレゼンテーションを意味のあるものにするために知っておくとよいことを補足します。
誰かになりきる
プレゼンテーション中は、理想とするプレゼンテーターを思い浮かべて彼らになりきることを意識してみましょう。
緊張を回避できる他、プレゼンテーション時の話し方やリズムを整えることができます。
繰り返し練習する
プレゼンテーション前に何度も繰り返し練習して、成功イメージが持てるようにしましょう。
練習をすることで、本番では焦ることなく体系立てて話すことができます。
練習風景をビデオで撮影して見返してみると、聞き手の気持ちになって自分のプレゼンテーションを客観視することができるのでオススメです。
情熱を持つ
プレゼンテーションにおいて何よりも大切なのが「伝えたいという情熱」です。
人の心を動かすのは、人の情熱でしかありません。
聞き手の心をわしづかみにするような情熱を持って、プレゼンテーションに挑みましょう。
まとめ
いかがでしたでしょうか。
かの有名なAppleの創始者、スティーブ・ジョブズ氏の秀逸なプレゼンテーションは、徹底して聴衆のことを考えていたと言われます。
なぜS・ジョブズのプレゼンは聴衆の心を刺したのか 茂木 健一郎:世界一の発想法|PRESIDENT Online
彼のようなカリスマ的なプレゼンテーションができなくても、シンプルに聞き手の立場になって、どのようなプレゼンテーションであれば聞き入ってしまうのかを考えば、より聞き手を魅了するプレゼンテーションをすることができます。
今回ご紹介した内容も踏まえて、自分のプレゼンテーションのスタイルを確立していきましょう。
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