旅の広がりを後押ししていきたい

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西井:旅行と一言でいっても、この数年で旅行の仕方も変わってきたと思うんです。

清水:僕が初めて一人旅に行くときに、親に言われたのが、「メールとかで連絡してこないでね」ということでした。

僕たちの親の世代の旅というものは、日本とのやりとりは手紙で、ガイドブックにメモをして持ち歩いて、トーマス・クックという時刻表を持って行かないと、何も情報が得られなかったんです。

でも、僕が初めて一人旅をしたときは携帯電話でメールは送れました。次の世界一周したときは、iPhone 3GSを持っていたので、Wi-Fiさえあればいくらでもネット接続ができました。Skypeもありましたね。今ならLINEとかでいくらでも無料で通話ができますよね。

西井:変な話、あと10年もすれば世界中どこでもネットが繋がるようになりますし、国という概念がネット上ではなくなりますね。

清水:値段もそうですよね。LCCが出てきて、海外に行くのに1万円や2万円で済む。ハードルは下がりましたね。

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西井:僕が15年前に世界一周に行ったときは情報がまったくないから、いろんな人からヤバイと言われましたよ(笑)。でもその頃は、ブログがなかったので、自分でホームページを作ったことがすごい価値になって、それを見ている人が増えて、それで本を出したりしていたので。

それに比べると情報源がたくさんあって、ネットで調べればたいていのことはわかる。宿とかも評価まで付けてくれている。どの宿でもたいていWi-Fiが繋がりますしね。スマホで調べて次の宿を決めたり。旅はしやすくなりましたよね。

清水:その分、旅している状況というのも見えやすくなりましたよね。今あいつウユニ塩湖にいるんだみたいな(笑)。いままさにウユニシーズンなので、みんなウユニ塩湖に行ってるんですよ。Facebookで1日1ウユニ塩湖みたいな(笑)。

そういうふうに旅がインターネットを通じて広がっていく後押しを、誰かがやっていかないといけないなと思っていて。

西井:Facebookがどうこうじゃなくても、情報自体の伝達スピードが上がってきていますね。

清水:Instagramもすごいですね。旅の写真がたくさんアップされていますからね。

ソーシャルメディアをナチュラルに活用している

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西井:求人活動などはどうやって行っているんですか?

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清水:元々学生スタッフとして一緒に活動をしていたり、イベントの参加者だったりと、基本的には知り合いを採用していく形がメインです。もちろん、応募があって、採用するケースもあります。

これまで、求人サイトに広告を出したりしたことはありませんね。今、とある求人サイトに月数万円で出稿しようかしないかというのをしぶっています(笑)。

西井:TABIPPOは、ソーシャルメディアをうまく使っているなという印象がありますね。特にFacebookページは12万人以上が「いいね!」をしていて。ソーシャルメディアをうまく使っている企業というのは、実はそれほど多くないと思うんです。

ソーシャルメディアではものは売れないよねって言っている企業は多い。TABIPPOは、ソーシャルメディアを始め、さまざまなツールを使ってやっているっていうのが、すごくうまいと思うんです。

単純に、Facebookのファン数が増えたからよかったねというのではなく、イベントに来た人たちによって伝播されて、このイベントに行きたいと思わせているってストーリーが描けているなと。

清水:僕はコミュニティ作りが大事だと思っています。お金を使って広告を打ったりすることで、TABIPPOのファン数は増えるかもしれませんが、僕らはそれを一切やっていません。

基本的にはFacebook、Twitter、Instagramなどのソーシャルメディアで情報を発信して、それに共感してくれた人が集まってきてくれて、ひとつのコミュニティになっているという感じですね。

西井:ファン数がKPIじゃないということがわかりますよね。いくらファン数を増やしても、それで効果が出るかというとそうでもない。

その点TABIPPOは、ソーシャルメディアをうまく活用することを、すごくナチュラルにやっているなと思います。

清水:ナチュラルにやっているのは、ひとつポイントがあると思っていて。お金をかけるかけないは別として、ソーシャルメディアと向き合う向き合わないで言ったら、絶対向き合わないといけないと思うんですよ。

時代が変わって、Web上で人と人、情報が繋がるのが当たり前になって、その変化に企業のマーケティングも対応していかないといけないと思っています。

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西井:ソーシャルメディアもそうですし、Webもそうですね。例えば、スマートフォン対応するかしないかという話があるんですが、ポイントはそこではない。スマートフォン対応をした後に何をするかが大事なんです。

ソーシャルメディアをやらなくてどうするのということなんですよね。

清水:僕は、世の中がどう動いているのか、どうなっているのかということを経営者レベルやマーケターレベルでどれだけ理解しているのかというのが基本的には大事だと思っています。

各論ですが、TwitterやFacebookができた背景というものを理解して、それを経営者やマーケターがメンバーにきちんと伝えて、メンバーが理解する。そういう組織体になれるかどうかが重要だと思っています。

西井:そういう意味でいうと、経営者がマーケティングに敏感で常にアンテナを張っていないと、会社にそういう文化が作れませんよね。

清水:ほんとうにその通りですね。ナチュラルなところの話をすると、僕はソーシャルネイティブの第一世代なんです。

2010年頃にTwitterが出てきたときに就職活動をしていて、人と人はSNSでこうやって繋がるんだということを学生時代に経験して社会人になっています。僕より下の世代の人たちはもっとすごいじゃないですか。

僕らでいうと創業メンバー含め、TwitterやFacebookを使うというのは生活の一部なんです。旅好きメンバーが集まっているからこそ尚更です。
意図的にこうなってほしいって考えることもありますが、そこをメンバーがナチュラルにできるっていうのはすごく大きいと思っています。

西井:その辺の感覚を、大きい企業や古くからある企業が対応していくためにはどうしたらいいのかという問題があります。

仮に、清水さんが歴史のある大企業でソーシャルメディア担当になったとします。そこでソーシャルメディアを始めるために会社の許可を取らないといけない。そこで、どんな企画書を書いたって通らない気がするんですよ。よくわからないとか言って。

そこが日本の企業の問題だと思っています。

清水:絶対通らないですね(笑)。海外の企業はどうしているんですかね。

西井:やっているところはやっていますね。それは多分、ある程度権限を与えることが重要なのではと思います。

日本は、ものづくりの国だと言われることが多いじゃないですか。昔は、需要と供給のバランスでいうと、テレビが欲しいというときにテレビを生産することが大事だった。だから工場に投資して、何台生産できるかというところに注力してきたんです。こういうところの投資にはすごい慣れているんです。

でも、今はテレビは世の中にいっぱいあるから、どれを選ぶのかの権限は消費者が持っている。製品を買ってもらうためのマーケティング自体に人材や資金を投資することに慣れていないんです。

そういうところを、トップが考えを変えていかないとたいへんなのかなと思います。今さら工場に投資するのは疑問に思いますね。