商標登録のデメリット

1.費用・手間がかかる

商標登録には下記のような費用が発生します。

商標登録出願:3,400円+(区分数×8,600円)
防護標章登録出願又は防護標章登録に基づく権利の存続期間更新登録出願
:6,800円+(区分数×17,200円)
重複登録商標に係る商標権の存続期間の更新登録出願:12,000円

参考
産業財産権関係料金一覧(2015年4月1日時点) | 経済産業省 特許庁
(2020年8月12日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)

記事執筆時点(2016年3月10日)では上記金額ですが、2016年4月1日より価格改定が行なわれます。改定後の料金はこちら(2020年8月12日時点でページが存在しないためリンクを削除しました)

非常に高額というわけではありませんが、登録するにあたり、事前調査(類似する名称が既に登録されていないか等)や申請手続きを行う必要があるため、手間を割かれることになります。

ちなみに、商標登録されているかどうかは、特許庁が運営する以下のホームページで確認できます。

J-PlatPat 特許情報プラットフォーム

2.登録した単語が普通名称化すると商標権のメリットが消失する

費用をかけて商標登録しても、認知が広がりすぎると名称が一般化してしまい、商標権のメリットが消失してしまう可能性があります。
商標登録されたものが一般名詞化して実質商標権が無効になったかどうかは、裁判所や特許庁が判断します。

例えば、「巨峰」や「正露丸」は裁判所が、「ポケベル」は特許庁によって商標権が無効化されたと判断されています。

商標権が無効になる主な要因としては、「ポケベル」のように従来存在しなかったような商品が登録されたケース、登録企業が商標権の管理を怠り、フリーライドを防止しなかったケースが挙げられます。

まとめ

商標法は時代の変化に合わせて柔軟に適用範囲を広げています。

例えば、従来までは企業名を含まないキャッチコピーは原則商標登録不可でした。
しかし2016年4月の法改正でキャッチコピーの登録も可能となり、審査機関も1年かかっていたものを4ヶ月に短縮する措置がとられるようです。

参考:
企業のフレーズ、商標登録しやすく 特許庁が基準改正へ:朝日新聞デジタル
キャッチフレーズ、商標出願~登録の期間3分の1に 特許庁  :日本経済新聞

キャッチコピーは商品名やサービス名と同等か、あるいはそれ以上にユーザー認知の向上に貢献するため、他社との差別化を図るためにもキャッチコピーの商標登録は有効でしょう。

商標登録はブランディングに有効な手段であるため、独自性の高い商品名・サービス名の場合は登録しておいた方が良いでしょう。

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