中小企業のWeb担当者の多くが他の業務と兼任しているのが現状です。
以下の調査からも、Web担当者は社内に1名のみの企業が多く、人的コストをかけられないことが伺えます。

回答された企業のうち、約半数が1人でWeb担当されており、3名以下で運用されている所が8割を占める結果となりました。
引用元:ferret

また、これまでferretで開催したセミナーの参加者から挙がった声を聞いてみると、“ある日、突然Web担当者に任命された”という話しが多く、その理由も“他の人より少しだけインターネットに詳しかったから”といったものが多くなっています。

今回、紹介する弊社の新卒エンジニア(当時)宇田もその一人です。
新卒で、しかもエンジニアという彼女が突然、Web担当者に任命されて未経験のSEOに取り組んだ1年間について聞きました。

突然、Web担当者に任命!早速、サービス存続の選択を迫られる

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2014年に新卒として入社した宇田 菜摘(うだ なつみ)。普段は、弊社が提供するフランチャイズ比較ネットやフランチャイズの口コミサイト「ここフラ」 などのサービスを中心にプログラミングを行うエンジニアです。

2015年1月に、前任者の異動により「ここフラ」のWeb担当者に任命され、全くの未経験な状態からSEO施策を1年間取り組んできました。

フランチャイズの口コミ評判を見る!フランチャイズのここだけの話『ここフラ』

臼井:
本日はよろしくお願いします。はじめに、突然Web担当者に任命されたときはどんな心境でしたか?

宇田:
2014年10月からエンジニアを担当していて、2015年の1月に突然の任命だったので正直、戸惑いました(笑)
しかも、上司には「サービス自体続ける? それとも止める?」と聞かれて、「その選択を私がするの!?」というのが当時の心境ですね。

臼井:
元々、Webマーケティングなどの知識はあったんですか?

宇田:
社内で飛び交う言葉を知ってるくらいでした。でも、具体的なことは分からない。実際に上司から「続けるならどこまで成果が出せるか教えて」と言われたときは、なにから手を付ければいいのか分かりませんでした。

でも、サービスを止めるのも嫌だったので、上司を説得するために、まずは競合調査を行って口コミの数や、ツールを使ってアクセス数などを調べたうえで、実施すべきこと、実施した後の見込みを具体的に伝えました。

その結果、サービスを継続することに決まり、目標として掲げたのがSEO対策でオーガニックからのセッションを10,000”にするということでした。

ここフラは、フランチャイズ比較ネットでは展開できない口コミコンテンツを拡充し、新たな利用者を獲得することを目的とした新サービス。2014年8月に公開後、6ヶ月経っていた当時のオーガニックセッションは月に1400ほどだったそう。

公開後は口コミを集めることに注力してきており、ある程度の口コミが溜まった段階で、次にやるべきことをSEOに絞ったと言います。

臼井:
結果的にどうでしたか?

宇田:
結果として、ちょうど1年でオーガニックセッションは10,000を超えました。前年比でいうと7倍くらいでしょうか。

2015年2月オーガニックセッション:1478
2016年2月オーガニックセッション:10031

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地道な努力でSEOで実践した3つのポイント

臼井:
具体的にSEO対策としてどういったことをされたのですか?

宇田:
一部は以前の記事でもご紹介しているのですが、大きく分けると3つです。

過去記事:【事例公開】オーガニック流入が10ヶ月で約6倍!実施した2つの内部施策

1. コンテンツの増強
2. サイト構造の改修
3. 基礎的なSEO対策

SEOの基礎的なところからサイトの構造まで見直しました。幸い、社内にはferretのSEOを担当している青木が作ったSEOのチェックシートがありましたので、それを元に優先順位と工数を見て順番に実施していくような流れです。

シートには、meta titleタグの有り無しから、ページ表示速度までSEOのチェック項目がまとめられています。こちらを元に現状と比較して、実施の有無を確認、できていなければ期日を決めて実施していったと言います。

SEOの基本的なチェック項目に関してはferretでもご紹介しています。
参考【公開】ferretがやっているSEOに効く内部対策とは

宇田:
シートを元に実施していたのですが、見直していくと出来ていないところが多かったんです。例えば、フランチャイズの口コミがメインのコンテンツなのに、見出しやコンテンツの中に「フランチャイズ」といったキーワードが含まれていなかったこともありました。

その他にもキーワードが適切でないものもありました。詳細ページには「フランチャイズ名 × 口コミ」とキーワードを決めていたのですが、そもそも“口コミ”でいいのかということを思いました。

なぜなら、商品名なら「商品名 × 口コミ」でも分かるんですが、就職や転職でも同じように企業を調べるときは「企業名 × 評判」で検索することのほうが多いですよね? 競合調査も行った結果、やはり「フランチャイズ名 × 口コミ・評判」に変更することにしました。

そういったキーワードの再設定や、コンテンツや見出しにキーワードを含めた結果、3月頃から徐々にオーガニックセッションが増加していきました。

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宇田:
次が、コンテンツの増強ですね。元々、フランチャイズ本部のページが100文字程度のシンプルな情報だったのですが、各本部の特徴を伝えようと思った時に、情報量が少なすぎたんですね。

なので、これまで下層にあった口コミコンテンツを上の階層に繰り上げてコンテンツの増強を行なったりもしました。

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そして、3つめの一番工数がかかったサイト構造の改修は、コンテンツごとにカテゴリを振り分けて、デザインもワイヤーフレームから作りなおしました。

改修前は、全ての情報が一つのページにまとまっていたが、内容ごとに細分化することで「総合」「オーナー経験談」「加盟金収益」「本部の雰囲気」「気になる点」の計5つにカテゴリを設け、ユーザーが目的別にコンテンツを閲覧することができるほか、網羅的にリンクされた構造に改修したと言います。詳細は、以下の記事を参照ください。

過去記事:【事例公開】オーガニック流入が10ヶ月で約6倍!実施した2つの内部施策

些細なミスでエラー頻出、セッションが激減

臼井:
逆に失敗したことはありましたか?

宇田:
実は、年末にセッションが激減したことがありました。原因としては、コンテンツを入稿する際のミスで500エラーが頻出していたんです。このグラフで見ると分かるようにボコっと凹みができてるのがそうです。

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その後、原因を見つけて改善したらキレイに回復したんですが、これが無ければ年内中に目標を達成していたと思います。なので、この経験から言えることは、サーチコンソール上でエラーが表示されたら、すぐに対応したほうがいいということを学びました。

臼井:
確かに、これは多くのWeb担当者にも知っておいて欲しいですね。そのほか、これはやってよかったな、と思うことはあったりしますか?

宇田:
口コミサイトをはじめ、コンテンツの数が1000以上を超える場合は、サイトマップを分けたほうがいいということですね。
例えば、ジャンルやカテゴリ事に分けて、登録しておくとインデックスの有無が分かりやすくなるので、インデックスされない記事の特定や原因を探す際のヒントにもなりました。

頼れる人が誰もいない!Web担当者の孤独

臼井:
ちなみに、ここまで一人でやったんですか?

宇田:
はい、元々エンジニアとして関わっていたのもあるんですが、基本的に担当者は私だけです。でも、他の業務があるので全体の3割ほどしか時間がかけられなかったり、なにより孤独でした。
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臼井:
そうですよね、恐らくWeb担当者の中には、同じように一人しかいなかったり、社内で頼れる人がいない場合もあると思うのですが、その点はどうでしたか?

宇田:
私も最初は、一人でずっとやっていて、頼れる人もいましたが忙しいことも分かっていたので最初は頼れなかったです。でも、やっぱり一人で抱えると時間もないし、人も居ないという問題で辛いときがあったので、勇気を出してチームに現状を共有しました。

臼井:
具体的にどんな共有をしたんですか?

宇田:
目標に対する進捗であったり、私の抱えるタスクの状況、実践していることを共有しました。そうすると自分が思っていた以上に他の人が手伝ってくれたり、理解が得られたりと、なにより気持ちが楽になりましたね。

臼井:
確かに、アウトプットがないと周りの人は「なにかやってるな」くらいにしか思わないですし、一人で進めるにもチームや上司の理解がないと厳しいですよね。

宇田:
そうですね、自分からアウトプットをするのは時間や手間もかかるので、面倒かもしれませんが、中長期の視点でみるとアウトプットしてよかったと思います。

臼井:
ちなみに、継続するためにモチベーションの維持はどうされたんですか?

宇田:
モチベーションの維持は、さきほどのチェックシートを潰していって、数字が伸びていくのが励みになりましたね。その数字が効果としての実感にもなります。

臼井:
確かに数字を見るのは楽しいですね。
やっぱり継続していくうえで、こういった些細なことでも重要なんでしょうか。

宇田:
重要ですね。「昨日のオーガニックセッションが過去最高!」みたいな(笑)

まとめ

今回ご紹介した新卒エンジニア宇田のように突然、Web担当者になったという方も少なくありません。さらには全くの未経験で知識がない、頼れる人も居ない、時間もないといった三重苦になっていることもあるでしょう。

彼女も例外ではなく、当時の話しからも孤軍奮闘していたことがよく分かります。しかし、それには限界があり、目的を達成するためにも自分からアウトプットして周りから協力を得る重要性を感じました。

恐らく、多くのWeb担当者に共通することであり、まずは周りからの理解を得る“環境づくり”(いなければ外部でも頼れる人を作る)が継続して施策を実施するために重要なのかもしれません。