集客じゃないPRに正直、抵抗があった。

PR TIMES編集部:
大成功ですね。その中で大変だと感じたことはありましたか?

吉岡氏:
リブランディングと言っても、これまで打ち出してきたメッセージを変えることが何に繋がるのか、特に売り上げなどの数字に直接反映されにくいため、社内で理解を得ることに苦労しました。

実際に幹部への説得はもちろん、社内用に動画を作成して新たなメッセージを打ち出すことで「これから会社が何を目指し、どうなっていきたいのか」を説明することも行ないました。

PR TIMES編集部:
どのくらいの期間で準備されたんですか?

吉岡氏:
「お好み焼きはバランス栄養食」というキーワードも含め、リブランディングの構想は数年前からなんとなく考えてはいたんですが、お好み焼きの材料に使用する野菜を100%国産に切り替えるキッカケもあり、今年に入ってから本格的に計画を立てはじめました。

1月は、ロゴなどのデザインやコンセプト設計、2月ごろにサプリショップの展開についての構想を練り、4月にリブランディングの打ち出しと5月に企画を実施するといった段取りで、決定から3ヶ月程度で計画を遂行しました。

この短期間でリブランディングや大きな施策を遂行できたのも、少ない人数で意思決定する弊社の取り組みが大きかったと思います。

PR TIMES編集部:
リブランディングを考えられた中で、特に意識されたポイントはありますか?

吉岡氏:
今回の施策では、今までやってきたPRの要素は一切入れず、とにかく「お好み焼きはバランス栄養食」というメッセージを軸に計画を練りました。

正直、これまで集客が主な目的だったため、クリエイティブにクーポンやキャンペーンなどの集客要素を入れないことに初めはかなり抵抗がありました。

ですが、今回の目的は「お好み焼きはバランス栄養食」というメッセージを届けること、新たに健康ブランドとして道頓堀を認知してもらうことだったので「PR」と「SP」の要素は一切入れずに*「一番伝えたいことをきちんと伝える」*ことだけに集中しました。

一見すると、足りない栄養を補うためにサプリショップを展開するのは道頓堀のイメージと遠いようにも見えますが、人々の関心が集まりやすい*“健康・栄養バランス”*というメッセージと、お好み焼きの持つ栄養素の高さが意外性を生み、今までターゲットにできていなかった若者や外国から来た観光客など、多くの人の目に留まるコンテンツを作り上げることに成功しました。

PR TIMES編集部:
最後に、今後のブランディング施策について考えていることがあれば教えてください。

吉岡氏:
具体的な施策は現在考えているところですが、長期的な課題としてはブランディングと販促をどのように関連付けて「お好み焼きはバランス栄養食」というメッセージを打ち出し続けていくかですかね。

もちろん、先ほども言ったようにブランディングと販促を入れずに「お好み焼きはバランス栄養食」というメッセージを主軸に取り組んでいきたいですね。

まとめ

吉岡様、インタビューへのご協力ありがとうございました!

今回のインタビューを通じて、企業が発信したいメッセージを明確かつ一貫して伝えていくことの重要性や、そのメッセージをどのように伝えるかがいかに大切であるかがよくわかりました。

特に、1つのプレスリリースで全てをまとめてしまうのではなく、ストーリーを決めてテーマ事に配信することで関心を高めていく手法もすばらしいですね! リブランディングだけでなく、ストーリーのある企画に適した手法だと思うので、ぜひ参考にしてみてください。