デジタルマーケティングに携わるマーケターにとって、避けては通れない「SEO」。三種の神器である「GA」「サーチコンソール」「Ahrefs」をカチャカチャ操作し、「スプレッドシート」にまとめていくという作業、筆者は正直好きではありません。SEO作業の日は、心にモクモクと低気圧が立ち込めてきます。

話題のSEOツールも気になりますが、正直この複雑な作業を機械化するなんて現実的ではないと思っています。・・・しかし、やはり気になります

というわけで、初心者でも簡単に正しい対策が打てるSEOツール「SEARCH WRITE」を提供するPLAN-Bさんに相談して、導入社さんだけが無償で受けられるコンサルティングを、今回特別に受けさせてもらえることになりました。もちろん、ferret読者の皆さんにも「お味見」いただく、という条件で。

早速、導入支援コンサルティング開始です。

SEARCH WRITEの導入支援は全2回あり、今回は初回分の体験です。無理なお願いに応じてくださったのは、PLAN-B カスタマーサクセスユニットの久保田 美咲さん。初回のゴールは「成果を残すために、コンテンツSEO対策について正しい理解と、それを実行するSEARCH WRITEの基本的な機能をマスターする」ところまで。

ということで、最初はなんと「SEOの意義や重要性とは?」という基本から丁寧に教えてもらえます。ferret読者は既に理解している方も多いと思われるので割愛しますが、これなら全くの初心者でも安心です。

SEOの基本的な理解に不安な方は、PLAN-Bさんのブログページでおさらいを

ステップ⓪:SEO対策の基本フローを理解する

さて、実践的な解説の第一歩は「基本フローの理解」です。多くの導入社支援をしてきた久保田さん曰く、ある程度の経験がある人でも案外ここの基本を忘れがちとのことで、背筋が伸びます。まず出てきたのは一枚の概念図。

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この図は、まず最初に多くの人が悩みがちな問題について概念整理したものです。さあ、売上をあげよう、となった時に「さて、セッション数を上げればいいのか、あるいはCVR改善から始めたほうがいいのかどっちだっけ」と出だしの一歩目からつまづいてしまう人も多いそうですが、久保田さんはまず「第一ステップとしてはセッション数を伸ばすことをおススメしています」とのこと。

いきなりCVRを上げようとすると複数の変数が絡んで複雑なので、まずは全てのベースとなるセッション数拡大に注力すべき、ということです。

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次に押さえるべき基本フローは、具体的な記事作成ステップです。まずは「1ページ=1ニーズ」の原則に基づき、コンテンツを作るべきキーワードを決定します。

この段階でいきなりライター発注をかけるのではなく、次に絶対にやるべきなのが「見出し作成」。SEOにおいてこのステップが最も重要であるにもかかわらず、実際はあまり時間をかけられていないケースが多いのだとか。

初回の導入支援では、この最初の2つの作業についてSEARCH WRITEを使いながら重点的にコンサルティングが受けられます。では実際の画面を見ながら読者の皆さんも体験してみてください。

ステップ①:関連するワードから、新規キーワードを発見する

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メインのキーワードを入力するだけで、関連語や共起語(LSI)がまとめて検索ボリューム順に表示されるので、あとは選んでタスクに追加するだけというのはかなり楽。キーワードプランナーなどをいちいち立ち上げる手間も省けて、日常業務がかなりシンプルになる予感。

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さらに筆者が感動したのが、個別のキーワードをクリックすると実際の検索結果上位10ページがどのようなタイプのページかがパッと一覧表示されること。キーワードによってユーザーの検索意図は異なり、例えば「冷蔵庫」など、ECサイトや比較サイトしか上がらないBUYクエリのキーワードで対策しても記事ページは一向に上位表示されず無駄になってしまいます。

これを避けるため、これまではいちいち検索エンジンを叩いて上から順にページの中身を目視で確認していたのですが、それが一瞬でクリアに。これからの人生であの作業をやらなくていい、と思うとそれだけでしんみりと嬉しくなります。久保田さん曰く、6-7割以上「知りたい」や「課題解決」で占められていたら記事作成すべし、とのこと。

ステップ②:競合サイト分析から、新規キーワードを発見する

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私がいつも使っているツールだと、競合サイトとの順位差や具体的にどのページがあがっているかが分かりづらいのですが、これなら一目瞭然。横並びで表示されるので、競合がこっそり獲っている「おいしいワード」も対策漏れの心配がありません

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わかりやすい分析機能がある上に、施策実行までサポートしてくれるのは嬉しい限り。「タスクの管理」という仕事が省ける上に、分かりやすく施策のログが残るのでナレッジが蓄積され、次の改善に活かせるのもいいですね。

さて、ここまでは新規記事のキーワード選定の方法でしたが、ここからは既存記事のリライトに入っていきます。リライト自体の重要性については前回記事で解説しておりますので、不安な方はそちらをご参照ください。

ステップ③:リライトのキーワードを選定する

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毎回、最初にしっかり概念整理してくれるのが嬉しいですね。やることが明確になり、迷う時間を全て対策の時間に充てられます

ではまず、後者の「順位が高いのに流入がとれない(CTRが低い)記事」の選定方法です。

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右側の絞り込み部分にあるつまみを操作すれば、直感的にパラメータ調整が可能。平均順位を「1位~5位」にして実行すれば、3秒で対策候補記事が見つかります。スプレッドシートでチマチマ並べ替えたりするのと比べて圧倒的に速く、わかりやすく、そして何よりバブルチャートが楽しいです。以前の記事でご紹介したように、対策すべき記事の選定はAIにお任せすることも可能です。

さて続いては、「表示回数は多いのに順位が低くて流入を取り逃がしている」記事の発見方法について。

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こちらも同じく順位のつまみを操作して「6位~50位」に絞り込みます。現在50位以内の記事であれば、ユーザーのニーズにかなり近づいている=見込みアリ!と判断。それ以下は一旦足切りをします。対策前のBEFOREをキャプチャしておき、AFTERと比較すればPDCAの成果も一目瞭然でやり甲斐が倍増しそうです。

ステップ④:見出しの作成 -網羅性を担保する

ここまででキーワードの選定ができたら、次にいよいよSEOの要である見出しの作成作業に入っていきます。見出し=記事の中身で重要なのは「網羅性」と「独自性」です。まずは網羅性を高めるための方法について。

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競合の文字量や見出し数など、ワンクリックで概要をざっくり把握できるのが便利。パッと見でわかりやすい、ということはすなわち伝わりやすいということなので、このままライターさんにも共有しちゃえますね。

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競合サイトを1位から順に「見出しだけ」一覧で表示される機能もあるので、競合が取り上げているトピックを漏らさないようにピックアップしていきます。

これまで競合サイトの見出しをひとつひとつスプレッドシートにコピペして、共通項を整理して・・・という気の遠くなる作業をこれからの人生でやらなくていい、ということはもしかしたら私のQOLが上がってしまうかもしれません。リライトの度に確認する手間が省けるということは、PDCA作業もコンパクトかつ高速になりますね。

ステップ⑤:見出しの作成 -独自性を担保する

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独自性を高めるために一番有効なのは、自社独自の調査データやノウハウです。どうしてもそれらを記事に入れるのが難しい場合は、実際の検索ユーザーの意図を反映した興味関心をマッピングしてくれるサジェストマップ機能を使います。競合が書いている内容に並ぶだけではなく、実際に追い越すためにこれはかなり使えますね。

ステップ⑥:対策の結果をチェックする

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SEOは対策することも大変ですが、同時に様々な対策を実施するため施策の管理も大変。施策を都度タスクに登録しておけば、「対策順位チェック機能」で簡単に振り返りが可能です。

ここまでで実際の使い方の解説は終了です。あとは魅力的なタイトルのつくり方などのコンテンツ制作ノウハウも教えてもらえます。詳細はぜひ、導入して聞いていただければと思いますが、コンテンツ制作において一番大切なことは「検索エンジンではなく、あくまでユーザーの利便性を意識する」ということだそうです。

「味見」のつもりが、人生が変わってしまった。

さて、読み返してみるとステップ①の途中あたりから、すっかり導入者気分になっていたことに気づきました。これまでやっていた膨大な「作業」が、心の低気圧とともに雲散霧消した今、ふたたびカチャカチャと手作業の時代に戻ることはどうやらできなさそうです。

日常業務の景色が、地味なスプレッドシートからカラフルなバブルチャートに変わることを想像するだけで、ワクワクしてきます。

電動式、PDCAサイクル「SEARCH WRITE」。

SEOにおいて最も重要なのは「記事数」ではなく、PDCAの回数です。狙ったキーワードの記事をリライトによって「育てて」いき、確実に上位にあげていく

競合も細かく手を加えてくるので、その倍速で手を加えていく。スムーズということは、手数を増やすことに直結します。SEARCH WRITEは、PDCAサイクルの一周の抵抗を極限まで下げ、気分よく目的地まで運んでくれるツールです