商品やサービスの成長を推進するグロースマーケティング。Dropbox、メルカリから学ぶ自走させる手法

「商品・サービス成長の仕組みを構築する」というミッションのもと、日々の業務に取り組んでいるマーケターも多いのではないでしょうか。

そんな方が今すぐ学ぶべきは「グロースハック」の考え方です。グロースハックとは、商品やサービスが自走で成長する姿を目指す、近年注目されているマーケティング手法の一つです。

この記事では、「グロースハック」が注目されている背景や、基本的な考え方を解説し、その成功事例も紹介します。

なお、今回紹介する内容の一部は、PDF資料「グロースマーケティングとは？持続的成長にフォーカスした最新手法を紹介！」から抜粋しています。

グロースマーケティングとは？持続的成長にフォーカスした最新手法を紹介！

企業・事業・サービスの持続的成長にフォーカスした最新マーケティング手法「グロースマーケティング」について解説します。

目次

1. 商品・サービスが自走で成長する仕組みとは？
2. グロースハックはなぜ必要？
3. グロースハックを支える3つの軸
4. グロースハックを成功させた「Dropbox」の事例
5. グロースハック、はじめの一歩は？

商品・サービスが自走で成長する仕組みとは？

まずは「グロースマーケティング」そして「グロースハック」という言葉について理解し、互いの関係性を見ていきましょう。

企業・商品・サービスの持続的成長を目指す「グロースマーケティング」

「グロースマーケティング」とは近年注目されているマーケティング戦略で、企業・商品・サービスの持続的成長を目指す取り組みです。

企業の持続的成長とは、簡単に言えば「長期にわたって利益を出し続けること」です。そのためには、「ユーザーに求められ続け、信頼され続ける」、そして「原材料、知財、人材などを長期的に維持できる」という姿をいずれも実現する必要があります。

その一方で、「焼畑型商業」という言葉もあります。広大な森林を一気に焼き尽くすかのように、ニーズが顕在化したところへ事業参入して一気に利益を出すビジネスモデルです。

しかし、このようなビジネスモデルは「持続的成長」とは真逆にあるものだと言えます。短期間で効率的に利益を獲得できたとしても、その後の社会環境の変化や、日々移り変わっていく消費者心理と深く向き合うことができなければ、後に残るのは「焼き尽くされた畑」すなわち、顧客が去った荒涼とした市場のみです。

こういった状況に陥ってしまわないために、近年では“売り方のニューノーマル”として「グロースマーケティング」の戦略が注目されているのです。

商品・サービス自体に成長の仕組みを埋め込む「グロースハック」

一方「グロースハック」とは、商品・サービス自体に成長の仕組みを埋め込み、企業活動を効率よく成長させる手法を指します。

ここ数年、シリコンバレーなどで「グロースハッカー」という職種が最先端のIT職として注目され、まさに商品・サービス成長の仕組みを検証・実装する役割を担っています。

グロースマーケティングとグロースハックの違い

「グロースハック」の身近な例として、店頭やECサイトでよく目にする「友達紹介キャンペーン」が挙げられます。商品・サービスを愛用するユーザーに、友達を紹介してもらって新規ユーザーを獲得する仕組みです。

この仕組みにより、商品・サービスへの信頼をユーザー自身が身近な人へ熱心に宣伝してくれます。高い広告料を払って新規顧客獲得施策を打つよりも、人手・コストをかけることなく長期的に続けられて、顧客獲得単価を抑えることができるでしょう。

つまり、

• 顧客を理解し、関係性を深める
• その結果、顧客がリピート利用してくれる、顧客自らが商品・サービスを宣伝してくれる
• その結果、新規顧客獲得コストをカットでき、効率的に商品・サービスが成長していく

このような一連の仕掛けを考え出し、商品・サービスに実装することが「グロースハック」なのです。　

グロースハックはなぜ必要？

それでは、「グロースハック」という手法はなぜ重要視されているのでしょうか。ここでは、グロースハックが注目されている理由を見ていきましょう。

ユーザー行動が多様化・複雑化

一つ目の理由は、ユーザー行動が多様化・複雑化しているためです。

今や商品・サービスとユーザーとの接点は、店頭あるいはECのみとは限らずクロスチャネル化しています。

ユーザーが商品についてEC上で検索・お気に入り登録した後、スマホアプリでクーポンを取得し、実際に購入するのは店頭といったように、複数チャネルを横断するユーザー行動が当たり前になってきました。

つまり、企業側が従来は想定していなかったようなユーザー行動が急速に増えてきたため、マーケターからの追跡・可視化が追いつかず、従来のマーケティング戦略では対策しきれなくなってきているのです。

データ解析技術の発展

二つ目の理由は、データ解析技術の発展です。

前述の通り、昨今のユーザー行動はオンラインとオフラインの垣根がなくなり、クロスチャネル化が進んでいます。そんな中、IoT、GPS、AIといったテクノロジーの進化により、従来であれば取得が難しかったオフラインでの行動データも、活用・分析が可能になってきました。

集めた行動データを洞察することで、企業側が想定していなかったような意外なニーズや顧客が離脱する理由が見えてきたり、どうすればリピートしてもらえるのか？といった点でヒントを得られたりと、次にどんな施策を打てば良いかを考える際に具体的なアイデアを出しやすくなります。

このように、データ解析技術の発展によって顧客の行動データをより深く分析できるようになり、その分析データを根拠にすることで、商品・サービスの成長をより効率よく推進できるため、「グロースハック」の手法に注目が集まるようになったのです。

グロースハックを支える3つの軸

それでは、「グロースハック」を成功させるためには具体的にどんな取り組みをすれば良いのでしょうか。その答えは、以下3つの軸にあります。

①行動理解

「グロースハック」は、新規顧客獲得がゴールではありません。一度獲得した顧客と、いかに関係を深め、顧客満足度を高めていけるかが重要です。

商品・サービスの磨き込みには、顧客の行動理解が欠かせません。データを根拠に、顧客が求める体験について洞察を深め、サービスを改善し続けることが結果として事業の成長につながっていきます。

②高速に施策を繰り返す

データに基づいて顧客の行動・心理を洞察したら、素早く仮説立案し、打ち手を投入します。ポイントは、このプロセスをスピーディーに繰り返すことです。

モノ・情報に溢れている現在、顧客はあっという間に心変わりして離脱してしまうこともあります。獲得した顧客を自社商品・サービスから離脱させないためには、常に顧客の心理に寄り添い、先回りして顧客の要望を満たす素早い施策投入が重要です。

③的確な目標・指標設計

従来のKPI設定では「売上」「顧客獲得単価」など、企業側の視点に立った指標が一般的でした。

しかし、「グロースハック」は顧客満足度の向上を重視するため、KPI設計も*顧客の立場に立った指標（「リピート率」「来店回数」「解約率」など）*を設定するほうがふさわしいと言えます。

グロースハックを成功させた「Dropbox」の事例

出典：Dropbox

ファイル管理・共有が簡単にできるクラウドサービス「Dropbox」は、グロースハックの手法を用いて新規登録者数を60％も増加させることに成功しました。

「Dropbox」のサービスは、無料プランだと保存容量が2GBまで、有料プランに移行すると容量100GBまで利用可能になります。Dropbox社は、自社が抱える課題として「ユーザーは、有料プランへの移行に心理的ハードルを抱いているのではないか？」という仮説を導き出しました。

そこで、友達を招待すれば、さらに容量が0.5GB追加になる施策を投入。すると活発に招待が行われるようになり、新規登録率は大幅に増加しました。

そのほかにも、身近なフリマアプリ「メルカリ」や、高輪ゲートウェイ駅の無人コンビニにもグロースハックの成功事例があります。これらの成功事例も確認したい方は、無料のダウンロード資料をお読みください。

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グロースハック、はじめの一歩は？

グロースハックを成功させるためには、顧客の行動理解が最も重要です。ビジネス成長のキーとなる指標を顧客視点に立って定め、関連するデータ収集から始めていきましょう。

また、現在はデータ分析ツールの進化により、データサイエンティストが在籍していない会社でも、データの取り扱いが容易になりつつあります。マーケター自身がデータ分析を行えるようアシストしてくれるツールも存在しますので、ぜひ活用を検討してみてください。

直感的な操作でスピーディーにデータ分析を行うことができる、マーケターやプランナーに寄り添った分析ツールは、以下の資料より確認できます。

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