スマートフォンの普及に合わせ、ゲームから仕事用のものまで、現在では様々なアプリケーション(以下、アプリ)が開発され、供給されています。テレビでもアプリのCMを見ない日はありません。
当然、企業としてもアプリを使ってお客様に何か新しい価値を提供することはできないかと考えるかと思います。

今回は、企業の提供するアプリの種類と導入までのステップについて説明します。
自社のサービスに何か合うものはないか考えながら参考にしてみてください。

アプリとは

アプリとは、WindowsやMac OS上で動くソフトウェアのことを言います。もともとはパソコンの用語として生まれたものですが、スマートフォンの登場をきっかけに、スマートフォンのOS上で動くアプリが知られるようになりました。

スマートフォンにおいては、ゲームとして遊べるものや電車の発車時間を調べられるもの、目覚まし時計として機能するものなど、様々な機能を持ったアプリが存在します。

日本国内に流通している主なスマートフォンには、iPhoneとAndroidがあり、それぞれiOSAndroid OSというOSで構成されています。アプリは、それぞれのOSに合わせて製作するので、同じ内容に見えるアプリでもAndroid版とiPhone版があるのです。

買いもの上手になろう。新ユニクロ・アプリ。___UNIQLO_ユニクロ.png

このように、アプリの案内の多くには、App StoreかGoogle Play、または両方の表示がされています。iPhoneのアプリはApp Storeからダウンロードすることができ、AndroidアプリGoogle Playでダウンロードできます。

まとめると、このような図になります。

iphone Android
OS iOS Android OS
ストア App Store3 Google Play

目的別企業アプリの種類

企業がアプリを使用する場合は、大きくわけて2種類の用途があります。

(1) 店舗検索、クーポン、商品情報など、自社の製品・サービスを拡張するアプリ
(2) 自社の製品・サービスを、ユーザーにもっと楽しく使ってもらうためのアプリ

参照:
企業が作るスマートフォンアプリの事例

(1)で代表されるのは、マクドナルドや電化製品の量販店などのクーポンアプリです。ネットショップ用のアプリも含まれます。
(2)は、自社の製品をモチーフにしたゲームアプリやLoFtなどの新商品の便利な使用法を紹介するアプリです。

マクドナルド公式アプリ(iOS版)
LoFtアプリ(iOS版)

この他にも、キングジムが公開している撮影したノートの内容を電子化できるSHOT NOTEなど、アプリそのものに価値があるものもあります。

今回は、アプリそのものを開発して新たなサービスを生み出すという視点ではなく、自社のサービスをいかにアプリを使ってアピールしていくかに絞って紹介します。

導入までのステップ

ホームページを作成するのと同様に、アプリを作成する上でも抑えておきたいポイントがいくつかあります。導入までのステップとして、どのような準備が必要なのかを学んでみましょう。

1. 何のためにアプリを提供するのかを明確にする

アプリを開発する上でもっとも大切なのは、アプリでユーザーにどのような価値を提供するのかということです。スマートフォンのアプリはネット上で操作するアプリとは異なり、ダウンロードの手間を超えるメリットを提供しなくてはユーザーに選ばれません。

日頃、自社のサービスを利用している顧客は、どのようなことを求めているのでしょうか。それはアプリで解決できる内容でしょうか。顧客の視点に立ちながら考えてみましょう。

例えば、住宅設備のメーカーである株式会社LIXILでは、好きなドアを作成して自宅の写真に合成し、設備のリフォームのきっかけとなるようにしています。
住宅のリフォームを考えている顧客がアプリ上でドアを買えたとしても魅力は感じないかもしれませんが、自宅にどのようなドアがあっているのかを知れるのは助かりますね。

LIXIL かんたん合成アプリ

2. アプリの仕様を決める

"どのような価値を提供したいのか"が決まったら、実際の開発に入っていきます。

開発にはプログラミング言語を理解しなくてはなりませんが、製作会社に頼んだり、ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングと呼ばれる外注を利用する方法もあります。

業務委託の場合は、どういう内容のアプリなのかを示した仕様書を共有し、委託先とのトラブルが起こらないようにしましょう。

仕様書には下記のような要素が含まれます。

・機能要件:どのようなことを行うアプリなのかをまとめたもの
・画面設計:ボタンの位置などの画面のデザイン
・システム設計:アプリ内部で動くシステムの設計
・通信設計:APIというほかのソフトウェアと共有する仕組みの内容をまとめたもの
・テスト計画策定:リリース前に必要となる動作チェックをどのように行うか記した計画書

参照:
アプリ開発専門会社イーディーエー|スタッフブログ

仕様書を定めることによって、アプリの完成像を委託先とだけでなく、社内のメンバーとも共有することができます。いざ完成してから予想していたものと違っていたとならないように、きちんと細かいところまで詰めるようにしましょう。

3. アプリを公開(リリース)する

アプリの開発が終了したら、ストアに公開します。
公開の際、App Storeの場合は、iOS App IDを作成する必要があります。
証明書の発行など事務手続きは煩雑なので、一つひとつクリアしていきましょう。

Google Playでは、Google Play Developerへの有料登録が必要となります。アプリの内容の審査がないため、App Storeよりも手続きが簡単です。

アプリ公開後にすること

公開後も、そのまま放置せず、ケアを行っていきましょう。
アプリがダウンロードされている数や利用状況について把握し、改善を行っていくことが必要です。

効果測定のためのルールは、数多く存在しますが、その中でも代表的なものを紹介します。

GoogleアナリティクスモバイルApp.png
Mobile App Analytics

Googleが提供しているアクセス解析ツールGoogleアナリティクスのアプリ解析版です。
利用にはGoogleアカウントが必要ですが、ホームページのアクセス解析と同じく、無料ながら多くの情報を得ることができます。

ただし、公開後は、iOSAndroid OSのバージョンアップにも対応していかなくてはなりません。
それぞれ年に1回程度行われ、特にiOSの場合は旧バージョンとの互換性が低いため、アプリの修正が必要となります。修正を行わないと、新しいバージョンにアップデートしたユーザーはアプリが利用できなくなる可能性があるので、注意が必要です。

まとめ

企業がアプリケーションを開発する上で大切なのは、ユーザーにとって、ダウンロードしてまで欲しくなるメリットがあることです。
作って終わりではなく、バージョンアップごとに修正を行う必要もあるため、継続して運営するだけのメリットが見えなければ途中で立ち消えになってしまいます。

自社のサービスがアプリに向いているのかを考えながら、取り組むようにしましょう。