Googleアナリティクスのデフォルト機能では、外部リンクのクリックを取得できないことをご存知でしたか。

外部リンクのクリックを取得するためには、「イベント」を登録する必要があり、以下の記事で説明しているように特定のコードをアンカータグに埋め込むことでトラッキングが可能になります。

ただ、実は、Googleタグマネージャーを利用することで、元のコードにわざわざ手を加えることなく、簡単に外部リンクのクリックを計測することが可能になります。

今回はGoogleタグマネージャーを利用した外部リンクのクリック計測法をご紹介します。「外部リンクのクリック」について上手く計測できていなかった方、もっと正確に効果測定を行いたい方、ぜひ一読ください。

Googleタグマネージャーとは

Googleタグマネージャーは、Googleアナリティクスなどのタグを管理するためのツールです。

例えば、Googleアナリティクスはアカウントを作成すれば、すぐに計測できるようになるのではなく、計測したいページ上にタグを埋め込むことで初めて計測が可能になります。

スクリーンショット_2016-11-16_13.51.28.png

参照:
タグの例|サイトに analytics.js を追加する(Google アナリティクス)

Googleタグマネージャーを利用しなければ、直接ファイルを編集する必要があります。
Googleアナリティクスのタグだけを一度設置して終わりなのであれば良いですが、多くのタグを利用したり、ページによって異なるタグを適用するのであれば多くの手間がかかります。

Googleタグマネージャータグを最初に記述することで、直接ファイルをいじる必要がなくなります。Googleタグマネージャーを管理するためのページにログインすることで、ブラウザ上でタグの追加・編集が可能です。もちろん、Googleアナリティクス等のタグを設置することができます。

ちなみに、同じような機能を持つサービスとして『Yahoo!タグマネージャー』があります。

スクリーンショット_2016-11-16_14.13.58.png
Googleタグマネージャーの管理画面

Googleタグマネージャーを利用して外部リンクを計測するメリット

1. タグ管理の煩雑さを軽減することができる

Googleタグマネージャーを利用するメリットの1つ目は、タグ管理の煩雑さを軽減することです。
タグマネージャーを利用せずに外部リンクのクリックを計測するためには、以下のようなコードをそれぞれのaタグに書く必要があります。

<a href=”リンク先のURL” onclick=”ga(‘send’, ‘event’, ‘カテゴリ’, ‘アクション’, ‘ラベル’,’ 値’, {'nonInteraction':true} );”>テキスト</a>

このように毎回コードを書くことは煩雑ですし、変更があった際、都度、編集しなければならなくなってしまいます。

しかし、Googleタグマネージャーを利用することで、ブラウザ上で統一的に設定することができるため、余計な労力をかける必要がなくなります。

2. トリガーを自由に設定することができる

Googleタグマネージャーは、トリガー(タグが作動する条件)を自由に設定することができます。その機能により「全てのページではなく、特定のURLのみトラッキングする」「ユーザーがログインしている時のみ計測する」といった柔軟な使いわけができます。

そこで、ここからは、Googleタグマネージャーの機能を利用して外部リンクを計測する方法を解説していきます。

タグの設定

まずは、タグマネージャーの管理画面を開きましょう。
タグマネージャーの設置から管理画面までは、ferretの以下の記事を参考にしてください。

参考:
Googleタグマネージャ~初心者でも分かる利用方法と導入手順|ferret [フェレット]

管理画面を開き、「新しいタグを追加」をクリックします。すると次の画面が表示されます。

スクリーンショット_2016-11-16_14.20.19.png

次にタグの設定を開き、ユニバーサルアナリティクスを選択します。従来のアナリティクスを利用しているのであれば、そちらを選択してください。

トラッキングIDを入力し、トラッキングタイプをクリックというイベントを送信するために「イベント」に設定します。

スクリーンショット_2016-11-16_14.26.05.png

次にイベント トラッキング パラメータを設定します。次の項目について入力していきましょう。

* カテゴリ
* アクション
* ラベル
* 値(省略化)
* 非インタラクション ヒット

カテゴリはイベントが属するカテゴリのことで、計測したいイベントが属するカテゴリを入力します。ここでは「affiliate」としておきます。

アクションは送信するイベントの種類を入力します。ここでは「click」としておきます。もちろん日本語でも問題ありません。
アナリティクスでカテゴリやアクションごとのデータを見ることができるので、「click」と「クリック」のような表記の揺れに気を付けましょう。

ラベルは、イベントをカテゴリより細かな分類をするためのパラメータです。クリック数を計測する場合は、ページURLを入力すると良いでしょう。GoogleタグマネージャーでクリックされたURLを入力するためには、組み込み変数を利用します。

組み込み変数とは、Googleタグマネージャーであらかじめ用意された変数のことです。例えば「{Page Path}」と入力することで自動的にURLが入力されます。

スクリーンショット_2016-11-16_15.32.56.png

設定によって新しい組み込み変数を許可する必要があるので、クリックして許可しておきましょう。

スクリーンショット_2016-11-16_15.36.18.png

次にラベルの入力欄右のブロックマークをクリックすると変数を選ぶことができます。

スクリーンショット_2016-11-16_15.40.12.png

次にClick URLを選択します。

スクリーンショット_2016-11-16_15.43.24.png

すると、次のように{ {Click URL} }という変数が設定されます。

スクリーンショット_2016-11-16_15.56.35.png

値はクリックの計測の際は必要ないため、空欄にしておきましょう。

インタラクションヒットとは、直帰とみなさない行動のことです。つまり、非インタラクションヒットとは、直帰とみなす行動のことを表します。このインタラクションヒットは偽と設定してください。その理由は次のとおりです。

直帰率は、サイト内の別のページに遷移することなく離脱したセッションの割合を表します。そのため、最初に閲覧したページ外部リンクをクリックした場合、通常なら直帰率に影響を与えます。

しかし、クリックしたリンク先が自社の別サイトである場合や、誘導を目的としたサイトの場合は、そのページは十分な役割を果たしていると考えられます。そのようなセッションまで直帰率に加えてしまうと、そのページの直帰率を必要以上に低く見積もってしまうことになります。

そこで、価値のあるクリックをしたセッションに対して直帰とカウントしないように、インタラクションヒットかどうかを選択する余地があるのです。

トリガーの設定

以上で、どういうタグを埋め込むのかの設定をしましたが、次にどういう条件でこの作成したタグを埋め込むのかを設定します。

特定のディレクトリやURLのみで計測したい場合や、計測したくないURLがあるなどそれぞれ設定することができます。

今回は外部リンクのクリックを計測したいため、内部リンクのクリックイベントを送信しないように設定します。

トリガーは、一覧に「All Pages」(全ページ)のみあるので右上の「+」を選択し、新しいトリガーを追加しましょう。

スクリーンショット_2016-11-16_16.19.20.png

上記のように設定することでクリックされたURLが「https://ferret-plus.com」から始まらない時、つまり外部リンクの際にイベントが送信されるようになります。複数の条件を設定して特定のリンクのみを計測することも可能です。

例えば、変数にDOM要素(HTMLの各タグ)を指定することで、「class=”bannar”であるaタグをクリックした時のみ計測する」という設定も可能です。

まとめ

Googleタグマネージャーを利用することで、単純にタグを設置するためだけではなく、細かな条件を設定したアナリティクスによる計測が可能になります。

外部リンクを計測する以外にも、様々な条件を指定してタグを埋め込むことができるので、より正確な測定を行いたい方は、Googleタグマネージャーの活用をオススメします。ぜひ、チャレンジしてみてください。