TwitterやFacebookなど、SNSを運用していると、どうしても立ちふさがるのが「投稿が思ったより反響を呼ばない」という問題です。キャンペーンセミナーの告知など、SNSの投稿がそのまま集客につながるものであれば、反響が少ないのは致命的な問題となっていまいます。

皆さんの多くは、投稿を目にするユーザーがどのようなことを考えているのかが見えないため、反響が少ない理由もわからず、困っているのではないでしょうか。

今回は、各SNSごとの投稿が拡散されていく仕組みと、拡散される上でキーとなる「マイクロインフルエンサー」について解説します。

これまで「SNSでの集客が思ったより上手くいかない」「投稿が広がらない理由を上手く社内に説明できない」という方は、この機会に学んでいきましょう。
  

拡散のキーパーソン「インフルエンサー」とは

インフルエンサーとは、WebやSNSで大きな影響力を持つ人のことを言い、インフルエンザと同じ「influence」が語源です。「influence」は影響や勢力を意味する単語で、社会に影響を及ぼす人のことを言い、SNSでは1:1のコミュニケーションの枠を超えて情報が拡散され、マスメディアや広告に頼らず、より多くのユーザーにリーチできる影響力をもつ方たちのことを指します。

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参考:
有名人とどう違うの?インフルエンサーの定義を理解しよう|ferret

上記のようなインフルエンサーの場合、影響力は大きいものの、意図的に自社の投稿を取り上げてもらうのは困難です。また、ほかのユーザーと比べてフォロワー数は多いけれど、投稿内容に反応される確率は低いという傾向もあります。
  

マイクロインフルエンサーとは

先述の広範囲のユーザーにフォローされている "拡散のキーパーソン" インフルエンサーとは異なり、特有のコミュニティで強い拡散能力を持つインフルエンサーを「マイクロインフルエンサー」と言います。

例えば、馬術で世界チャンピオンになった選手を多くの方は名前すら知らないかもしれませんが、馬術を趣味にしている人にとっては憧れの的、つまりスーパースターです。馬術用鞭のメーカーが商品案内を投稿した時、その選手にシェアされれば選手をフォローしている多くの馬術愛好家に投稿の内容を届けることができるはずです。

インフルエンサーマーケティングを提供しているマーカリー(Markerly)社の調査によると、フォロワー数1,000未満のインスタグラムユーザーの投稿に対する「いいね!」の割合は8%に及ぶのに対して、フォロワー数1,000~10,000のアカウントでは4%と低い数値になることがわかっています。

調査からわかるとおり、インフルエンサーと比較するとマイクロインフルエンサーは「深く、狭い」影響力を持っていると言えます。マイクロインフルエンサーに自社の投稿が取り上げられた場合、見る人は限られていても大きな反響が得られるかもしれません。

また、現在ではマイクロインフルエンサーよりもさらに狭いコミュニティの中で、互いが情報を発信し合うシミュラークル型の拡散も行われています。情報の発信元がはっきりとしないまま、コミュニティの中でよく見かける情報として刷り込まれていくという独特の拡散方法です。

わかりやすい例が大学生同士の友人関係です。誰か1人に取り上げられたら、その友人に共有されることとなります。その中で、局地的に話題が盛り上げれば投稿への注目度は高まるでしょう。

参考:
「SNS映え」の分析から見えてくる若者の情報行動「シミュラークルモデル」|電通報
インスタでいま注目すべきは「マイクロインフルエンサー」:影響力が最大となる最適解|DIGIDAY
  

マイクロインフルエンサーの定義

SNSを活用したマーケティング施策をする上で、よく耳にする「マイクロインフルエンサー」という言葉ですが、実は明確な定義はありません。

ただインフルエンサーマーケティング会社や調査会社などの見解によると、マイクロインフルエンサーと呼ばれる人物のフォロワー数は10,000人程度が上限だとされています。実際、メディアや著名人のコメントでは以下のように紹介されています。

Some in the industry attribute the title to influencers with under 10,000followers.Others say between 500 and 5,000.
日本語訳:業界内では、フォロワーを10,000人抱えるユーザーと定義する方もいれば、フォロワー数500~5,000人と定義する方もいます。

引用:The Biggest Problem With Micro-Influencers (and How to Solve It) |Adweek

マイクロインフルエンサーを活用した口コミ生成プラットフォームTeller(テラー)の定義では、100~1万人程度のフォロワーを持つソーシャルメディアユーザーとのことを指しています。

参考:30万人の“一般人”に仕事を依頼:フォロワー数100~1万人のマイクロインフルエンサー活用プラットフォーム、スパイスボックスが提供開始|ITmediaマーケティング

Macro-influencers are defined as social-media users with 10,000 or more followers on their accounts, while micro-influencers are the rest of us, according to Kosuke Sogo, chief executive officer and co-founder of advertising firm AdAsia Holdings.
日本語訳:広告会社AdAsiaHoldingsの最高経営責任者(CEO)で共同創業者である小越浩介によれば、マイクロインフルエンサーはアカウントに10,000人以上のフォロワーを持つソーシャルメディアユーザーとして定義されています。

引用:Social media micro-influencers a target for marketers via CastingAsia platform|CNBC

  
上記からもわかるように、マイクロインフルエンサーを定義する上で、フォロワー数の下限を決めることは非常に困難と言われています。企業が求めるターゲット層のフォロワーを抱えており、情報を正確に伝える能力さえあれば、そのインフルエンサーはマイクロインフルエンサーにふさわしいと言えます。
  

マイクロインフルエンサーを活用するメリット・デメリット

YouTubeで多くの視聴者を集めているユーザーを指す「YouTuber(ユーチューバー)」に関連したサービスを提供しているTHECOO株式会社では、実際以下のようなデータを公開しています。

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引用:ーインフルエンサーの影響力に関する調査ー 1~10万人のファンを抱えるマイクロYouTuberの影響力は、ファン数100万人以上のスターYouTuberの約2倍!!|PRTIMES

上記のグラフは、「チャンネル登録者数100万人以上のスターYouTuber」「チャンネル登録者数10万人以上100万人未満のミドルYouTuber」「チャンネル登録者数1万人以上10万人未満のマイクロYouTuber」を調査し、チャンネル登録者1人あたりの "コメント率" "高評価率" の平均を表したものです。登録者数の多いスターYouTuberの平均コメント率は0.11%なのに比べて、マイクロYouTuberでは0.26%と倍以上の数値となっています。

このように、マイクロインフルエンサーは、たとえインフルエンサーよりも少ないフォロワー数だとしても、1人ひとりに与える影響力が大きいのが特徴です。そのため、自社のターゲットが多くいるコミュニティのマイクロインフルエンサーに自社の商品を取り上げてもらうことで、効果的な広告宣伝が行えるでしょう。

一方で、広告出稿とは異なり、企業側ではマイクロインフルエンサーがどのように商品やサービスを紹介するのかを基本的にはコントロールできません。特にネガティブな情報を投稿されてしまった場合、むしろ影響力の強さが仇となります。また、費用を支払ってマイクロインフルエンサーに情報を発信してもらう場合、金銭が発生していることを隠すような宣伝方法を行ってしまう「ステルスマーケティング」の危険性があるでしょう。
  

マイクロインフルエンサーを活用するには

ある特定の分野に関してフォロワーに大きな影響を与えるマイクロインフルエンサーと、企業の宣伝を上手くマッチさせられれば、企業にとって大きな利益を生み出すチャンスになるでしょう。宣伝するモノやケースによって活用方法をわけていくことで、有効なマーケティング戦略になるのではないでしょうか。

ここでは、マイクロインフルエンサーを活用する2つの方法を紹介します。
  

1. 自然に拡散してもらう

個人のインフルエンサーを活用する場合、自然に拡散してもらうことが非常に有効です。SNSなどを用いた商品紹介や口コミ・感想を公開してもらうことで、ほかのユーザーに多大な影響を与えられます。企業とユーザーとの中立的な立場からの意見であるため、参考にして製品を選ぶ人も増えるでしょう。
  

2. プロダクションを活用する

マイクロインフルエンサーが所属するプロダクションを活用する方法も非常に有効です。個人のマイクロインフルエンサーよりも高い知識と専門性を持つ方が多い傾向にあるため、効率よく宣伝できます。自然に拡散を促すのが困難な場合や、専門性の高い分野ではプロダクションを活用してみるのも良いでしょう。