niconico(ニコニコ動画など)で有名なドワンゴ。2014年に出版大手であるKADOKAWAと経営統合をはたします。

ただ、創業から現在までのストーリーはあまり詳しくは知られていないのではないでしょうか。

本記事では、その歴史と事業についてまとめてみました。

<アジェンダ>
・ドワンゴとは
・niconico運営はドワンゴじゃない!?
・niconicoの知られざるサービス
・まとめ

ドワンゴとは~ゲーム提供から出版大手との経営統合へ

niconico

ドワンゴは2014年10月に経営統合されたKADOKAWA・DWANGOの100%子会社です。

ドワンゴとしては、以下のメディア運営がおもなサービスとなっており、収益の柱となっています。

<主力サービス>
niconico
音楽ダウンロード・音楽ランキング・着うた | 音楽ダウンロードはドワンゴ.JP
アニソンのダウンロード・ランキング・無料試聴 | アニメソングはanimelomix
・その他ゲームエンジン提供

出版大手との経営統合の道を選ぶ

出版大手であるKADOKAWAと、ドワンゴはともに出資をしあうほどの関係でした。

KADOKAWAもテクノロジーに造詣が深く、ドワンゴも多くのコンテンツ配信をしている、という両者のコンテンツとテクノロジーを融合させる、という構想の一致から、2014年に経営統合となりました。

2015年1月現在の代表取締役会長には、元ドワンゴ会長であった川上量生氏が就任しています。

KADOKAWA・DWANGO
株式会社ドワンゴ

収益はメインサービスが7割をこえる

収益

ポータル(niconico)事業とモバイル事業(音楽配信など)で、7割をこえる売上となっています。niconico以外にも、うまく収益が分散できている絶妙のバランス感覚を感じます。

<2014年9月期>
・売上高 414億円
・営業利益 31億万円
・営業利益率 7.5%
・niconicoプレミアム会員 236万人

そして、ルーツであるゲーム事業(ドワンゴはもともとはゲーム会社)も、現在でもしっかりと存在感を出しているところにドワンゴの強さがうかがえます。

もともとは米ゲーム会社だったドワンゴ

もともとはゲーム会社

実はドワンゴ(DWANGO)とは、米国で有名なったゲームエンジン(ゲームプログラムの重要部品)の会社でした。日本での展開において、現KADOKAWA・DWANGO会長の川上氏と米ドワンゴ社で共同で設立したドワンゴジャパンが前身なのです。その後、社名をドワンゴに変えますが、現在でも事業の柱にゲームエンジンがあるのはここに由来しています。

その後、着うたや着メロなどが流行しはじめますと、ダウンロード配信事業をてがけます。これが、現在のモバイル事業につながっていきます。

いっぽうで、じつはniconico自体は運営はドワンゴではなく、子会社であるニワンゴが行っていました(現在では完全吸収されドワンゴ運営となっています)。そしてそのニワンゴ社長は、川上氏ではなく杉本誠司氏です。

参考リンク「ITベンチャー社長に聞く!」: 「ユーザーの居心地の良い場所を作りたい」~ニワンゴ社長 杉本誠司氏(前編)

それらが、2014年の経営統合で統一と効率化が図られることとなりました。

合理的な人材戦略が十八番

niconicoの巨大コミュニティであるniconico大百科は、未来検索ブラジルというドワンゴとは別の会社が運営しています。未来検索ブラジルは、あの巨大匿名掲示板である2ちゃんねるの検索システムを作ったことでも有名です。

ニワンゴ

また、ニコニコ動画においては、黒字化担当としてかつてNTTドコモで手腕を振るっていた夏野氏が加わります。

ニコニコ大百科
未来検索ブラジル会社概要

このように人材戦略において、ドワンゴは柔軟に、かつ得意分野を任せるというスタイルを特徴としています。

KADOKAWA・DWANGOとして経営統合した後も、電子書籍分野において、Amazonとの対抗策として外部のエンジニアを活用しています。さらには開発力のある企業の買収まで行う徹底ぶりです。

その合理的な戦術は成長の下支えとなっているとの見方が多いようです。

開発事例[OPENTONE]
Kindle対抗へ─ドワンゴが「i文庫」「読書メーター」を買収した理由、川上会長に聞く- ITmedia ニュース