ソーシャルリスニングを導入したものの、ソーシャルメディアの投稿を集めてきたからと言っても、そのデータをどう扱っていいかわからないという方は多いのではないでしょうか?

もちろん投稿をただ読み込むだけでも、発見はあるかもしれません。しかし、ソーシャルリスニングで取得したデータには様々な可能性があります。

今回は具体的なデータ分析に相性のいい手法をご紹介します。

ソーシャルリスニングはビックデータ分析とも言える

ソーシャルリスニングは単純なエゴサーチと違い、検索条件付けしてヒットした投稿の数を比較したり、頻出単語を割り出して数値化するなどの定量的な分析をすることも多く、ビックデータ分析の領域でもあります。
今回はソーシャルリスニングの担当者が一人でも簡単にできる分析方法をご紹介しますが、もし社内にデータサイエンティストや統計学に詳しい人がいれば、ディカッションしながら活用してみるといいでしょう。

「ソーシャルリスニングはビッグデータ分析」などと言われると、Excelをガンガン使いこなせなくてはいけないというようなイメージがあるかもしれませんが、難しく考える必要はありません。
ソーシャルリスニングツールは、非統計学者、非データサイエンティストでも活用できるデータ分析ツールとなっている場合がほとんどです。
Webマーケティングの担当者に馴染みのあるツールで言うと「Google Analytics」が近いかもしれません。

取得したデータはCSVでエクスポートすることが可能なので、Excelで統計調査に適した関する関数などを使いこなせるような方なら、鬼に金棒と言った具合で様々なリサーチに活用できるかもしれません。

自社の製品をキーワードに設定し検索した投稿を眺めるだけでは、Twitterの検索窓やYahoo!リアルタイム検索となんら変わりありません。
しかし、目的に沿ったキーワードを設計し取得した投稿は、データとしてなんらかの意味を持っています。

例えば、「◯◯グミ 美味しい」で検索したデータを取得したとします。
このデータには、◯◯グミを美味しいと思った人が、どんな言葉でその商品について言及しているかのデータが含まれています。
◯◯グミのどこを美味しいと思ったかを抽出するために、「美味しい」と一緒に呟かれている単語を分析していくのです。

「食感」に関する単語の頻度が多いのか、「味、フレーバー」に関する単語の頻度が多いのかで、今後の製品改良やマーケティングの施策が変わってくるのではないでしょうか。

ソーシャル分析はテキストマイニングと相性◎

ソーシャルリスニングでよく使われる分析手法の一つにテキストマイニングがあります。テキストマイニングとは、文章を単語や文節で区切り、出現頻度や共起の相関関係などを分析する手法です。形態素解析と言ったりもします。

「◯◯グミは噛み応えのある食感が美味しい」という文章を文節で区切ると、「◯◯グミ / は /噛み応え /の /ある /食感 /が /美味しい」と区切ることができます。
ソーシャルメディアから取得した投稿をテキストマイニングにかけ、この「噛み応え」というキーワードが頻繁につぶやかれていた場合、食べた人にとって商品の噛み応えがヒットしていると考えられます。

ソーシャルリスニングツール内でもテキストマイニングの機能はある程度実装されていますが、無料で利用可能なツールも提供されています。ユーザーローカルが提供しているテキストマイニングツールを使ってみるといいでしょう。名詞、動詞、形容詞ごとに単語の頻度をスコアリングし、頻出単語が視覚的にわかる「ワードクラウド」を表示してくれます。
また、共起単語を図で表示してくれる共起ネットワーク機能も便利です。共起ネットワークでわかることは、関連性の高い単語を図で示してくれます。上記のグミの例で言えば、「◯◯グミ」や「美味しい」といった単語と一緒に呟かれている単語を図で示してくれるのです。
これらの手法を使うことによって「◯◯グミを食べた人が、どこを美味しいと思ったか?」という調査の答えを導き出していきます。